「SFにして古代の王家の物語」DUNE デューン 砂の惑星 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
SFにして古代の王家の物語
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宇宙船が飛び交い、手持ちのシールドで身を守る科学文明がありながら、費用を費やして儀式を持って使節団を迎え受け、唄うように会談する、まるで古代の外交を交わし合う――。ああ、これぞDUNEなのだな、と感じました。如何に宇宙に進出しようと、自然界に翻弄され、生きるために生きるしかない古代社会。それもDUNEのような過酷な砂の惑星ならば尚のこと。
デヴィット・リンチ作の前作が大好きなのですが、より一層、スケールアップした映像が素晴らしかったです。私が理解出来るのが単純なスケールアップ。映像の中のサイズの大きさ、シーンの長さ、それら物理的な大きさがスケールアップこそ、宇宙国家の戦いであることの説得力。単純な私にはそれだけで卒倒しそうなくらいの衝撃でした。
そして美しさ。主演ティモシー・シャラメの美貌と、そして映像美もさることながら、亡国の王子が砂漠に生きる運命を受け入れ、砂漠の民に受け入れられていく、その物語の美しさにも酔いしれたくなる。最初はダンカンに体格を気にされるのも無理はないほど貧弱に見えたのに、最後には屈強な砂漠の戦士に原始時代の決闘のような戦いに力強く打ち勝つその姿――。もう、エンディングのスタッフロールまでも美しく輝いて見えた。ああ、次回作が待ちきれません。
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