「大作感は漂うものの…」DUNE デューン 砂の惑星 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
大作感は漂うものの…
1985年の「砂の惑星」は興味ありつつも未鑑賞のままだったので、新たに映画化された本作を楽しみにしていました。何度も流れた劇場予告で、壮大なスケールと圧倒的な映像表現にさらに期待を高め、その世界観に浸りたくてもちろんIMAXで鑑賞してきました。
その映像ですが、VFXを駆使した迫力の表現が、観客をあっという間に作品世界に誘ってくれます。砂漠の惑星という異世界への没入感や砂虫の迫力が味わえたのはよかったです。おもしろい発想のトンボ型の乗り物やとてつもない大きさの宇宙船も、本作の世界観の演出に一役買っていたと思います。これらがIMAXとの相性がよく、没入感は最高でした。
重厚なストーリーも大作感が漂い、この先の展開を期待させます。冒頭から作品背景を想像させる情報が飛び交い、奥行きの深さを感じました。重低音の響くBGMも、物語にマッチして効果的だったと思います。
とはいえ、冒頭の情報量がさすがに多すぎて、いきなり振り落とされそうになりました。とにかく聴き慣れないカタカナの言葉があふれて、意味がわからなかったです。それに加えて、ややゆったりとしたテンポで、暗鬱とした雰囲気の中で進行するため、中盤あたりで何度も瞬間寝落ちしてしまいました。
また、登場人物も多く、関係性もよくわからなかったです。意味ありげに絡みながらも、その役割が本作でははっきりしない人物もあり、もやもやしたままです。結局、砂の惑星で取れる香辛料の採掘をめぐる陰謀に巻き込まれて、父を失った息子ポールとその母が、先住民の力を借りてリベンジするということで合ってるのでしょうか。
ちなみに、タイトルで「PART ONE」の文字を見つけ、初めて本作だけでは完結しないことを知りました。本作は序章の位置付けなので、これだけでは評価できないとは思いますが、もう少しわかりやすく描き、見せ場があってもよかったのではないかと思ってしまいました。とりあえず、次作のためにパンフレットを買って復習しておこうかと思います。