劇場公開日 2020年3月21日

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「知るべき中国の人権迫害の事実・現実」馬三家からの手紙 マヤクロメメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0知るべき中国の人権迫害の事実・現実

2020年3月23日
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泣ける

悲しい

怖い

何から何まで奇跡のようなドキュメンタリー。

労働教養所内の生活、拷問シーンは実撮影出来ないので、スン・イー氏が描いた絵を元に作られたモノクロアニメ。
これが素晴らしい出来栄え!
モノクロの絵が、リアルな音響と合わせて恐怖感、緊迫感、陰鬱感を効果的に再現。

それにしても、スン・イー氏の拷問に負けぬ不屈の精神と、イオン・リー監督の製作に対する鉄の意志には敬服。
それが様々なアイデアを生み、奇跡をもたらした。
手紙に気づき手を差し伸べたジェリー・キース夫人、元看守の2人の登場も奇跡である。

このドキュメンタリーは、最近、米国で内部文書によって明らかにされた、ウイグル自治区の再教育施設の実態と重なる。

レオン・リー監督の言葉
「このドキュメンタリーが、世界の人々の認識を高め、孫毅(スン・イ)のSOSの手紙同様、多大な影響力を及ぼし、法輪功学習者、ウイグル人、チベット人、キリスト教徒、中国民主化の活動家たち(…あと、モンゴル人も含めて下さい!)への迫害停止へと導かれていくことを望んでいる」

このドキュメンタリーは、過去のことではない、今も行われている、中国という国の人権迫害の現実の姿である。
多くの人々、特に日本の人に知ってもらいたい映画なのだ。

マヤクロメメ