「 無茶な設定に無理やり理由をつけて考えてみました」劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班 シオンさんの映画レビュー(感想・評価)
無茶な設定に無理やり理由をつけて考えてみました
まず、映画としてのクオリティは高く無いです。終始、先の読めるストーリーをダラダラと見せられる感じです。ドラマ版であった予想を裏切るような展開などは皆無です。
そしてここからはドラマ版のファンがみんな思っている、なぜミステリー路線からアクション路線に突然変更されたかという点について無理やり考察すれば少し納得できるかなと思いました。
ドラマ版の三枝(1周目の三枝)は不甲斐ない警察に落胆して自ら警察官になる事を決意。
そして2010年4月1日警察官になり2010年4月7日に田代綾香ちゃん誘拐事件班の犯人看護師の吉本との頭脳バトルを経験する。そこで吉本と引き分けのような結果に終わった事から自分の能力を磨くために渡米して8年後プロファイリングのスペシャリスト警部補として長期未解決事件班に配属される。というふうな経緯から頭脳戦が得意なインテリで疑り深い性格なのが一周目の三枝の特徴です。
しかし、今回の映画版の三枝(2周目の三枝)は過去が変わった為に
兄の殺人事件を解決した大山刑事に憧れて警察になる事を目指す。
2010年4月1日に警官になるが看護師の吉本との対決はなくなり、渡米もせず8年間交通課で巡査部長として過ごす。その後、大山の託した情報で衆院議員・野沢を逮捕に貢献し、櫻井の推薦もあり長期未解決事件班に配属される。という流れなのでプロファイリング能力が無いのが2周目の三枝です。
なので8年間格闘技を磨いて肉体派の三枝に生まれ変わっていたという風に思えば
今回のアクション路線への変更が少し腑に落ちます。
また、性格も不甲斐ない警察に落胆して自ら警察官になった為、疑り深く観察力が鋭いのが1周目の三枝でしたが、映画版の三枝は、呼び出されればホイホイ行くし、問いただされればなんでもしゃべってしまう警戒心の無い性格となって描かれてます。
これは大山刑事に憧れて警察になる事を目指した為、周りを信用しやすい真逆の性格に変わってしまっていたんじゃないかとも思われます。
という風に、主人公三枝のキャラ設定が変わっていることは一応理由付けられるのですが、
ドラマ版の 頭脳派×熱血肉体派 の絶妙なバランスのコンビから
映画版は 熱血肉体派×熱血肉体派 の軽率なおバカコンビとなってる
改変はどう考えても劣化しているとしか思えないのですが。。。。
脚本家や監督はあぶない刑事のファンなのかな?アクション部分はジャッキーチェンのオマージュだったのかな?