「異なる文化に触れる大切さ」モロッコ、彼女たちの朝 J24さんの映画レビュー(感想・評価)
異なる文化に触れる大切さ
初めてのモロッコ映画鑑賞。
主人公のアブラは妊娠しておりパートナーはいない。住み込みで働ける所を探している所から作品は終わる。
断られるシーンも挟みがらパン屋として働くサミアと出会い彼女の下で住み込みで働く事となる。
サミアもまた夫を事故でなくし、シングルマザーとして娘を一人で育てている。
モロッコではシングルマザーは悪として扱われそれは子供も同じ扱いを受けてしまうそうだ。
それを恐れミアはお腹の子を産んだ後は養護施設に入れる事を強く望みながら産まれるまで強く生きる姿を。
そしてそんなミアの姿をサポートしながら、子供を養護施設に預けるのではなく育てる大切さ美しさを教えようとしてくれるサミアの姿を描いた作品であった。
最後のシーン含めこの作品ではシングルマザーで産み育てる事への確固たる答えは描いてない。それを考える過程を説いてる作品だと勝手ながら感じながら見ていた。
もちろん日本に生まれ日本で育った僕の視野ではシングルマザーだから子供を育てる資格はないだの、ましては生まれてくる子供になにかレッテルを貼るという事は想像もつかない。
もちろんそれは幸せな事なのかもしれないが同時に他国の文化、歴史を詳しく知らずにあれこれ言う事もできないのも事実だろう。
ただ一つ今作を見て感じる事ができたのは人は1人で生きていくことは難しく、他者を頼るのまた自分の人生を豊かにすることである。
金銭的や住居面の物理的なことでももちろん助けてもらったがアブラにとってサミアとその娘と出会うことで精神的にも安定しそして無事子供を産むこともできた。
その後どういう決断にしろサミア達と出会う前の時のアブラとでは決断の意味合いも大きく変わると思う。
人と人の繋がりの美しさと同時に時には他者を頼ることの美しさも今作で改めて感じることができた。
今作を見てモロッコという国の文化に触れる事が大切であり、そして異なる文化について考える事が大切だと感じさせてくれた。