パブリック 図書館の奇跡のレビュー・感想・評価
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微妙
ロングライドは、ミニシアター向けの洋画専門の配給会社だけど、毎度の事だが邦題のネーミングセンスがダサい。
本作も「奇跡」と言えるほど、ドラマチックな大転換が起きるわけではない。
図書館職員という地味な職業にフォーカスしたのはともかく、内容的にはヒーロー物としてもヒューマンドラマとしても中途半端でどっちつかずな印象。
ホームレスあがりの過去に引け目を感じていた主人公がアパートの隣人や一緒に立て籠もった顔なじみのホームレスたちとの交流を経て、自分の殻を打ち破るというメインストーリーは悪くない。
ただ、敵役の一人・ラムステッド刑事(アレック・ボールドウィン)の息子捜索のくだりがサイドストーリーとして、いまひとつ本筋に絡めていない。
また、検察官デービス(クリスチャン・スレーター)の路上寝転がりパフォーマンスも政治家を目指す野心家がするには品が無くて軽い。
テレビを見て啓発された一般市民が次々と物資を差し入れに来るというのも、あまりにもベタで何となく陳腐に見える。
そして、最後どうやってケリをつけるのかと思ったら寒空の下での全裸投降。大勢の野郎共のハダカじゃ画ヅラとして汚い。
なかなか、面白い題材なので脚本が良ければもっと素敵な作品になったと思う。
ぜんぜんハラハラしない。
ホームレスと図書館職員が図書館に籠城した話。
全体的に取ってつけたような話。
主人公の図書館職員も実はホームレスだったという後出しジャンケンとか、行方不明のホームレスが最後にひょっこりとか、館長も最後は全裸で合唱とか。。。
ブラックコメディーとして観れば、楽しく観られる作品。
あとボールドウィンは、何の役をやってもボールドウィンで面白みがない。
ちょっといい話。
実話じゃないから良いんだけど、検事がやってることって、公共の電波を使っての誹謗中傷なので、有り得ないと思うし、最後全裸とか、その必要性が今ひとつ分からない。
主張したいことは分かったし、声を上げることは大切。
でも色々盛り込みすぎ。
アメリカでは、スタインベックは10代の必読書、だそうです
図書館を占拠!という一見派手な事件のはずなのに、全体を通して、静かで、非暴力に徹した語り口となっています。
〝交渉人〟が出てくるけれども、これまでのアクションやサスペンス映画とは違い、唸るような丁々発止のやり取りがあるわけでもありません。
もちろん、銃撃戦や乱闘シーンなどもありません。
唯一、〝武器〟らしきものを挙げるとすれば、スタインベック『怒りの葡萄』からの一節を朗読したことくらいです(ページを開いてなかったから、暗唱といった方が正しいかも)。
スチュアートに親しみを覚え、陰から支える女性2人。両人ともドラマ的な展開としてはどちらかというと〝薄い〟関わりなのに、スチュアートとの信頼関係やメディアへのひとくさりの皮肉はしっかりと作品のスパイスとして伝わってきました。
(下半身はさらけ出していたけれど)隠し味のように効いたのが、The Public責任者としての館長の矜持と信念に基づく行動でした。
図書館通いが日常化しているホームレスたちは、物事に対応する方法として、疑問があれば、図書館員に聞く、ネットで調べる、資料や本にあたる、そして自分で読んだり見つけたりしたことは意外と身についているし、自分で分かることそのものに喜びがある、ということがなんとなく経験的に分かっているように見えました。
そういう人たちだからこそ、いきなり暴力的な手段で人目を引くのではなく、静かな怒りを時間をかけて訴える方法を選んだ、ということなのだと思います。
国際政治の舞台であろうが、身近な人間関係であろうが、何事につけ、直情的、短絡的、暴力的な側が勢いを得ることが多い昨今の世の中に対して、思ったより強烈なパンチを、浴びせてくる作品でした。
※ホームレスに退役軍人が多いという話は、前にもどこかで読んだことがありましたが、この作品でも触れられていました。イラク戦争やアフガンなどの社会的後遺症は相当に根が深い問題なのだと改めて認識することとなりました。
文化の違いか
極寒の中、シェルターも満杯でホームレスの居場所がない。そんな中彼らは公共の施設の図書館を一時的に避難場所として利用させて欲しいと訴え、図書館の一部をジャックしデモ活動へと繋がる。
冒頭にあった体臭の問題もそうだが公共の場の定義を凄く訴えかけてくる作品に感じたが、ではホームレスの避難場所から始まるこの一連の行動に心打たれたかというと個人的には何も響かず、響かないと中々退屈の時間を強いられた。
まぁ彼らの気持ちも分かるし、ホームレスだからという弱者を否定するつもりも全くないが、こういった活動に全く心が響かず、なんかやってるよ程度にしか感じる事ができない。この辺は僕の心がおかしいのか、文化の違いによる価値観の違いなのか分からないが…どちらにせよ十分な理解はできない。
デモ活動は活動する事に意味があり活動による結果はまた別問題というのも一つの行動の結果であると、何かの映画で目にした事がある。
この作品内で描かれている活動もまたなにか結果として形になったわけではない為、やはりこの活動になにか響くものがないと作品としてもあまり興味が湧く事なく最後まで退屈な時間となった。
まぁこういう作品を見ると向こうでは現実味ある事であり、日本では非現実的に感じるようなこの差を感じると日本の良さ、平和である事を改めて感じ感謝の気持ちを覚える。
行動を起こすことが社会を変える。
The Public というアメリカ映画
The Way以来久しぶりのエミリオ エステベス監督の映画
このThe Publicも公共の図書館を使う立場又は提供する立場でどこまで個人の権利が反映されるか。
これはこれからもっと多くの課題になるだろう。
スチュアート(エミリオ)はホームレス経験者で本に救われたといってるが図書館で読んでいた本が教養や人格を高めそれに救われ職にもありつけたという意味だと思う。それに、人の気持ちをわかってあげられる上司になり、リーダーにもなった。図書館という場所は、人を救ったり、人に救われたりする。
私の学校に『高速対容量通信ネットワーク』のネットワークマネージャーというか、中心人物がいた。彼はホームレスだったので、高校を卒業していなかった。ホームレス中彼は図書館に通い、コンピューターのことを図書館にきていた高齢者におそわったらしい。この高齢者は自分のコンピューターの知識を伝授し、ネットワークマネージャー、私の友達は、高校卒業の資格をホームレスをしながら取った。その後、どう経歴を経たか、私は忘れてしまったが、大学は行っていないのは知っている。それで、当校でネットワークマネージャーのポジションを取った。図書館には勉強部屋というグループで勉強できる部屋や会議室があって無料で借りられる。多分、そういうところで彼は高齢者におそわったに違いないが、日本の図書館では良く高齢者は図書館で帽子を深くかぶって昼寝をしていたり、一人で黙々と新聞を読んでいたりする。あくまで私の経験だが。
この映画の中であるホームレスの人は図書館で全裸で歌を唄い出す。
ちょっとと思うような人もいるが私の経験上全員といっていいほど椅子に座り新聞や雑誌を読んだりコンピュータに向かって映画を見たり新聞を読んだり音楽を聴いたりし読み物を読んでいる。大声で話したり怒鳴ったりしている人は稀である。ホームレスの多くは、大荷物を持って図書館の椅子に座って、何かをしている。そして、開館時間にいくと、映画の通りにホームレスの人は入り口で待っている。冬は待たせて申し訳ないという気持ちになる。
ある図書館のミッションは『Our library is for everyone. We are a free resource helping our community connect, create, and learn.』
スチュアートともう一人の職員が追い出したホームレスは体臭が強くほかの客の不平でやむ得なかったようだ。これが公共機関における個人の権利で訴訟問題に発展し図書館は訴えられることになる。
個人的な話だが、私は図書館で誰かが小便を漏らしてある椅子に座っていたことがある。何か臭うなと思った時はもう遅く、慌ててうちに戻って、服を着替えた。この人は小便を漏らしていることに気づかず図書館の椅子に座ったのかもしれない。
米国オハイオ州のシンシナティでホームレスのシェルターが不足している。冬の寒空は路上生活にとって厳しく 宿泊施設を増やしてほしいというの声を市や州政府に向けて発したことが素晴らしい。
一般論だがホームレスだけの声だけでは弱いがホームレスと結局は公共の図書館である市の職員室が立ち上がったことになるので力になった。問題があればそのままにしておかず大声あげて動けというのがエミリオのポイントの一つで各大都市のホームレスシェルターについても問題点直視を促している。
個人的に 図書館は私にとって憩いの場である。それに、例えばユタ州のソルトレイク市などを訪問すると必ずといっていいほど、市立図書館に行ってみる。それが建築物が目的だったり、行事だったり、数多くの楽しみ方があるから好きだ。特に『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』映画を見てからは図書館での多目的な多様性のとんでいる行事とサーキュレーションの機械が人々が返した本をどう分配していくかに興味があった。そして、すぐ申し込んでボランティアで働き出した。実は私は教員なので、それほど時間がなく長くボランティアはできないが、このポジションが取れた時は天にも登る心地だった。コロナ感染で図書館が閉館する前までは、子供セクションで本を種類別に分けたり、古本のセールを手伝ったり、特別行事を手伝ったりしていた。憧れの、サーキュレーションの舞台裏の本を配分する機械も見せてもらった。それに、朝早く誰も図書館利用者がきていない時間に職員の入り口から、利用者の入り口の広場に入るとき説明できないほどの幸せを味わった。
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