「微妙」パブリック 図書館の奇跡 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
微妙
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ロングライドは、ミニシアター向けの洋画専門の配給会社だけど、毎度の事だが邦題のネーミングセンスがダサい。
本作も「奇跡」と言えるほど、ドラマチックな大転換が起きるわけではない。
図書館職員という地味な職業にフォーカスしたのはともかく、内容的にはヒーロー物としてもヒューマンドラマとしても中途半端でどっちつかずな印象。
ホームレスあがりの過去に引け目を感じていた主人公がアパートの隣人や一緒に立て籠もった顔なじみのホームレスたちとの交流を経て、自分の殻を打ち破るというメインストーリーは悪くない。
ただ、敵役の一人・ラムステッド刑事(アレック・ボールドウィン)の息子捜索のくだりがサイドストーリーとして、いまひとつ本筋に絡めていない。
また、検察官デービス(クリスチャン・スレーター)の路上寝転がりパフォーマンスも政治家を目指す野心家がするには品が無くて軽い。
テレビを見て啓発された一般市民が次々と物資を差し入れに来るというのも、あまりにもベタで何となく陳腐に見える。
そして、最後どうやってケリをつけるのかと思ったら寒空の下での全裸投降。大勢の野郎共のハダカじゃ画ヅラとして汚い。
なかなか、面白い題材なので脚本が良ければもっと素敵な作品になったと思う。
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