「『翼をください』のオンパレード」耳をすませば ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
『翼をください』のオンパレード
『耳をすませば』のジブリアニメ版がとても良かったので、実写版には期待していた。
アニメの実写版の場合、普通は、登場人物の話し方はアニメトーンではない。ところが本作は、アニメ的な大袈裟な話し方を、実写でもそのままに適用している。そこが一番違和感があって、期待外れだった。
おそらく狙っている年齢層が、10代から20台前半の女の子で、彼女たちの趣向に合わせているのかもしれない。実際今日の観客も、ほぼその年齢層が大半だったような気がする。案外松坂桃李だけが目当てなのかもしれないが。
逆に、松坂桃李をはじめ男性陣が、アニメ的ではない普通の話し方だったのが印象的だった。特に今だったらとっくのとうにパワハラで訴えられている、主人公の女の子の上司には思わず失笑した。
主題歌が、アニメ版の『カントリー・ロード』でなく、なぜ『翼をください』になったのだろうか。
そこは置いといても、『翼をください』のチェロとヴォーカルのアレンジバージョンは結構聴かせるし、ラストの杏のバージョンや、イタリアの街角でのセッションバージョンも悪くない。内容はさておき、『翼をください』の多様なバージョンを聴けたことは、十分価値ありと感じた。
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