「特殊な能力を有する人間がその能力に苦しみ、同様の能力を持つ人間との出あいで救われる」さんかく窓の外側は夜 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
特殊な能力を有する人間がその能力に苦しみ、同様の能力を持つ人間との出あいで救われる
森ガキ侑大監督(おじいちゃん、死んじゃったって。、人と仕事)による2021年製作の日本映画。配給は松竹。
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響も見に行ったが、平手友梨奈さんの演技に感心があり、視聴。映画自体には期待してなかったこともあるが、原作自体が良くできているせいか、物語自体は結構楽しめた。
死霊を見れるとか、呪いをかけれる等、超能力を有する人間がその能力に苦しみ、同様の能力を持つ人間との出会いで救われるとのストーリーは、自分的にはかなり新鮮で興味深いストーリー展開であった。
冷川理人を演じる岡田将生は、思いやりといった感情が消失してしまった様なキャラクターで、ドライブ・マイ・カーとは真逆の様な役で、その器用さに感心させられた。また、母親も含めて彼が多くに人間を子供の時に呪い殺していることが分かる展開は、かなりショッキング。
やはり何人か呪い殺してるらしいヒウラエリカを演ずる平手友梨奈は、その醸し出す雰囲気や突出した能力を持っていることの説得力はお似合いと思った。ただ、セリフも少なく、期待する気持ちが大きいこともあるが、残念ながら潜在能力がまだ十分に発揮されていない様に思えた。
呪いとか霊とかを全く信じない刑事役演じた滝藤賢一の存在感はとても大で、強く印象に残った。NHK大河ドラマの将軍役で初めて知ったが、今後を注目してして行きたい役者さんと思わされた。
監督に関しては、斬新な画面の切り取り方にとても良いセンスを感じた。ただ、美術や装飾等の方の問題かもしれないが、血の処理が何処か学芸会のお化け屋敷風で、途中からかなり興醒めしてしまった。
原作ヤマシタトモコ、脚本相沢友子。
製作渡辺ミキ 大角正、エグゼクティブプロデューサー大和田宇一、吉田繁暁、プロデューサー藤田大輔、福島大輔、田渕みのり、撮影近藤哲也、照明溝口知、録音猪股正幸、美術松永桂子、装飾石上淳一、スタイリストBabymix、ヘアメイク澤田梨沙、VFX城戸久倫、編集キルゾ伊東、音楽プロデューサー戸波和義、主題歌ずっと真夜中でいいのに、記録押田智子、助監督根木裕介、ラインプロデューサー、大熊敏之プロダクションマネージャー小松次郎、
製作担当前場恭平。
出演は、岡田将生(冷川理人: 聖地X、ドライブ・マイ・カー等)、志尊淳(三角康介: キネマの神様等)、平手友梨奈(非浦英莉可)、滝藤賢一(半澤日路輝)、筒井道隆(石黒哲哉)、マキタスポーツ(非浦松男)、新納慎也(逆木一臣)、桜井ユキ(半澤冴子)、和久井映見(三角則子)、北川景子(慶子)。