「「幽霊より人間の方が怖い」」さんかく窓の外側は夜 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
「幽霊より人間の方が怖い」
本作の脚本は相沢友子なので、私は、気に入っていた映画『重力ピエロ』(2009年)という作品を思い出した。まさにあの作品でも岡田将生が主演を演じていた。
『重力ピエロ』では、謎に包まれた爽やかな青年を演じていたが、本作『さんかく窓の外側は夜』では神秘的な大人となって登場!
またしても予想外の展開に巻き込まれていく。
本作は「霊」と「呪い」と「過去」が複雑に作用しあって真実に近づいていくため、知りたい欲求が上昇していき集中力が途切れない。
除霊師(岡田将生)と、霊が視える男(志尊淳)のバディに加え、自分が体験しない限りは安易に「信じない」という刑事(滝藤賢一)がほど良い距離感を保ちながらコンビを組んでいて、彼らの関係性が足りないものを上手く補完しあいながら物語が進行する。
そして呪いを操る女子高生(平手友梨奈)の登場で、より物語が大きく動き出す。
「幽霊より人間の方が怖い」という言葉が印象的だが、他人の事件を解決していくだけでなく、目を背けたくなるような登場人物たちの深い心理描写まで見えてくるところが感情に響いて、忘れられない映画となった。
私はホラー映画は苦手な方だが、本作の「幽霊より人間の方が怖い」という視点に妙に納得でき、霊の描写などは怖がらずに済んだ。
コメントする