配信開始日 2021年7月2日

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「予告で観せたものはほぼ全部ツカミ、クラシックな余韻を残す贅沢なB級SFスリラー」トゥモロー・ウォー よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0予告で観せたものはほぼ全部ツカミ、クラシックな余韻を残す贅沢なB級SFスリラー

2021年7月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2022年12月、世界中がカタールW杯の決勝戦を固唾を呑んで見守る中、フィールドに突然現れたのは2051年からやって来たタイムトラベラーの特殊部隊。30年後に飛来した謎の生命体によって人類は絶滅の危機に陥っており、人類が生き残るために彼らと共に30年先の未来で戦って欲しいと衝撃の宣言をしたことで世界は一変した。全世界で強制的な徴兵が開始され、元軍人で生物学の教師ダン・フォレスターにも徴兵令状が届く。妻と娘に別れを告げたダンが配属された部隊は転送装置の不具合で多くの死者を出すが、早速近くの研究所にいる研究員達を救出するミッションを与えられる。そこに現れたのは俊敏な動きで人間を捕食するホワイトスパイクと呼ばれる凶暴な生命体の群れだった。

という冒頭のあらすじは予告通りですが、ここはほんのツカミ。徴兵適正検査で判定される特性が明らかにされたところでさりげなく暗示されるテーゼは『ターミネーター』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『コンタクト』、『インターステラー』、『アド・アストラ』、『コンティニュー』といった数多のSF映画で繰り返し追及されたもの。ホワイトスパイクとの凄惨な戦いから一転、親子2代に渡る確執を丁寧に描写するドラマが展開したかと思えばB級SF臭がたっぷりのスリラーにギアシフト、『エイリアン』、『トレマーズ』、『ライフ』、『ID4』、『スカイライン』シリーズといった作品群へのオマージュをふんだんに振り撒いたクライマックスは爽快なカタルシスに微かに違和感を塗したもので、70年代に山ほど観た生物パニック映画を観終わった後のような懐かしい余韻が残る作品でした。

よね