劇場公開日 2021年10月22日

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「トンデモ世界ふしぎ発見「日本編」!」G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0トンデモ世界ふしぎ発見「日本編」!

2021年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

GIジョーシリーズ屈指の人気を誇る工作員スネークアイズのスピンオフ映画。
過去の設定をきれいに白紙に戻し、新たなオリジンを創作したチャレンジャブルな意欲作である。

ハリウッド発進のワールドマーケット向け大衆映画なので、世界中の鑑賞者には日本っぽい、忍者っぽい、ヤクザっぽいと感じてもらうことが第一という考えからか、事実の考証やリアリティに一切寄せることはなく、気持ちいいほどに外国人が思うイメージや妄想のみで現代日本が描かれており、日本人として新たな発見と新鮮味で楽しく鑑賞することができた。

バイクと車のアクションシーンはCG全開バリバリで見応えがあり、殺陣では大江戸捜査網ばりに横一列に並び見得を切り、必殺仕事人ばりに扇子を武器に戦い、影の軍団ばりに間合いごとにピタッと型を決めるなどさすが日本人が監修指導をしただけはあると思わせるカッコ良さであった。

何よりも最大のインパクトを残したのは石田えり、平岳大の日本人キャスト2人である。
石田はアクションだけでなく、佇まい、所作、和服の着こなしなど数百年の歴史を誇る暗殺集団「嵐影」の女頭領を堂々と貫禄たっぷりに演じ切り、リアルジャパンの最後の砦を守り切った。
平は頭を丸め、忍者ともヤクザともどっちつかずで微妙な立ち位置のKENTAという子どものような名前の敵役を、クールだが振り切った演技とブラウン大卒の堪能な英語力で鑑賞者の脳裏の片隅にやや強めに印象付けることに成功した。
本作はそれぞれ60代、40代の前途ある日本人俳優の今後のインターナショナルな活躍のキッカケになる映画になることは間違いない!と思いたい。

カツベン二郎