「スコットランドのアメリカ人」ワイルド・ローズ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
スコットランドのアメリカ人
ヤバ。このローズ・リンに全然共感出来へん。乱暴者やし、酒飲みやし、あららな事をえええな場所でするし、仕事中に酒くすねて飲みまくるし、子供達との約束は酒飲んでてすっぽかすし。列車の中でバッグ盗られるとか自業自得だから喚くな。夢を実現するチャンスとは言え、子供達を置いてパーティーとか最低でしょ、最悪でしょ。Wildというより、Animalでしょ。
だけどだけどだけど。このまま終わっちゃ映画になりません。
"Three Chords and The Truth" は有名なフレーズ。そのココロは「シンプルに真実を歌え」。BBCを訪れたローズ・リンにボブ・ハリスは問います。
「君のメッセージは何だ?」
あの時点でローズ・リンが答えられるはずもなく。「ナッシュビルで夢を叶えたい」。頭の中には、それしか無いから。メッセージが音楽に必要な"Truth"。伝えたいこと、言いたいことが無い歌に価値はねーぞ。誰にでも歌える歌を歌うだけでは、プロにはなれない。
子供達を抱いて眠れる幸せ。ビーチを訪れて感じた安らぎ。ナッシュビルには無いもの。ナッシュビルの本物の"Grand Ole Opry"のステージで歌ったローズ・リンは、ボブ・ハリスの言葉を、やっと理解します。飛んで帰ってグラスゴー。生まれ育った街で、母と子供達を前に自分自身の真実を歌うローズ・リン。で、お終い。
ジェシー・バックリーのキャリアを見たら、歌から始まってるんですね。知りませんでした。どうりで、堂々とした歌いっぷり。今、巷(欧米)ではオーディション番組が大流行です。AGTとかVOICEなんか、たまに腰抜かすくらいの歌い手さんが登場します。日本は動画公開サイトですかねぇ。そう言うのを見慣れてると、ローズ・リンの歌は正直物足りないってのがw
最近、女王蜂がお気に入りのわたくしとしては、歌の迫力不足が地味にマイナスポイントだった事を告白しておきます。