「【ユダヤとムスリムの文化、宗教の"コンフュージョン状態"を"フュージョン料理"で美味しく解決しよう!"エイブ少年が健気に奮闘する姿に引き込まれ、ホロリとする作品。】」エイブのキッチンストーリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ユダヤとムスリムの文化、宗教の"コンフュージョン状態"を"フュージョン料理"で美味しく解決しよう!"エイブ少年が健気に奮闘する姿に引き込まれ、ホロリとする作品。】
■感想
・エイブ(ノア・シュナップ)が、パレスチナ系ムスリムの父親の親族とイスラエル系ユダヤ人の母親の親族の間で悩む姿が、何とも健気である。
-ノア・シュナップ君、昨晩に引き続き観賞したが、良いなあ・・。昨晩は、ユダヤ人達を助けていたね・・(「アーニャは、きっと来る」)-
・エイブは、両家からの、名前の呼ばれ方も微妙に違うし、誕生日のお祝いの歌も色んな言語が飛び交う・・。
-それで、自分の"アイデンティティー"を確立する第一歩として、ボクの名前は"エイブ!"と、何度も劇中で繰返しているんだね。-
◆エイブを愛する両親を含めた親類、祖父母は誰も悪くないのに、"何故、仲良くなれないのだろう・・。"
今作品がコミカル要素を塗しつつ、描いている内容は”重くて、深い・・”。
・悩めるエイブが見つけた人が、ブルックリンでフュージョン料理で鳴らすブラジル人シェフ、チコだった・・。
退屈そうな、学校の料理キャンプを"レベル低すぎ!"と、サボり、チコの店で働き始めるエイブの姿が、生き生きとしていて、良い。皿洗いからごみ捨てをプツブツ言いながらも、真面目にこなして行く。
-チコも、きっと苦労して今の地位を築いたのだろう。エイブを子供扱いしないし、けれども、彼の真面目に働く姿をきちんと見ている。良い男である。
”チコちゃんは、叱り方が上手なのである・・。”"すいません・・”-
・そして、エイブは賄いを作る事をチコから指示され、料理上手のお祖母ちゃんのムスリム料理 "シュクルマ" で、勝負する!。
-良いシーンである。エイブのために、店のユニフォームをきちんと用意しているチコの優しさ・・。-
・自信を付けたエイブは、"家族を一つにするために" チコのレシピも参考にしながら、一生懸命、独自の"フュージョン料理"を作るのだが・・・
<重くて、深いテーマを扱いながらも、ムスリムとユダヤの相容れない関係性に対して、仄かな光を感じさせ、”温かい気持ち”になれる素敵なフードコメディムービー。
美味しい料理を皆で食べて、笑顔になって、
寛容な気持ちで、相手の文化・宗教を認める世界に、少しづつ成れば良いのになあ、と思った作品でもある。>