劇場公開日 2020年6月5日

「温もりのある作品」燕 Yan 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0温もりのある作品

2025年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

採点3.8
今村圭佑初監督監督作品。主演は水間ロンと山中崇。
日本と台湾で離れ離れになった家族が、それぞれが複雑な思いを抱え生きていた物語。
何故母は自分を置いて兄と出て行ったのか、何故一度の連絡もくれなかったのか?23年ぶりに再開する不安と揺れる胸中を、水間ロンがよく演じていました。実ははこれが初主演作じゃないでしょうか?
また物語は水間ロンの実体験でもあり、「日本人のママが欲しかった」は実際に子どもの時に言い放ってしまった言葉だそうです。
だからか、その悔しさが良く滲み出ていたように思います。
また山中崇も同じく、どう向き合ったら良いのか分からない。そんなジレンマがよく出てました。
また彼の言語ですね。
水間ロンや一青窈にテイ龍進はわかるが、山中崇も流暢に聞こえるからすごい。
作品は、監督がカメラマンだけあって絵がとても綺麗。
特に光の入れ方や、色調の使い方がとても上手いです。
ノスタルジックな映像が、心細い物語と実に合っていました。
写真もですが、何通もの読めない手紙がすごい良い演出でした。
そして捨てたはずの飾られた絵。
「燕は台湾と日本に家があるんだね」
段々と心が解けていくのがうれしい、温もりのある作品でした。

白波
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