ジェントルメンのレビュー・感想・評価
全217件中、21~40件目を表示
愛妻家
The Gentlemenはガイリッチーのなかでもロックストック~やスナッチとおなじ文法をもったいわばガイリッチー原点回帰作品になっている。──そうだ。
登場人物が状況を語る構造でワルたちのたくらみと争いが描かれるそれらのガイリッチープロトタイプは海外でとても評価が高い。
が、個人的にはキャッシュトラックのように普通の(というのも変だが)映画然としたガイリッチーのほうがいい。
思うに英語を使う英語圏の人には非英語圏のわれわれとは違った見地があるのではなかろうか。
ロックストック~やスナッチやThe Gentlemenにいまいち乗りきれなかったのは端的に言葉の壁であろう──と思っている。
とはいえつまらなかったわけではない。
ガイリッチーは器用な人でシャーロックホームズのように大衆的なブロックバスターもつくれるしディズニーに招聘されアラジンも任される。ようするにスピリットを持った作家でもあるし商業映画にも対応できる。
Imdb7.8、RottenTomatoes75%と84%だった。
──
引退して妻と静かに暮らすことを望んでいる麻薬王ミッキー(マコノヒー)に群がる魅力的な強面たちの応酬劇。
はじまってすぐに主人公がやられた。──と思ったがやられてなかった。
後頭部に銃口がきて銃声がする。ビールとピクルドエッグが血をかぶる。それでミッキーはおだぶつになり倒叙していくんだと思っていたが、後半でこっち側からレイモンド(チャーリーハナム)が先に撃っていたのが解る。構造を知ればなあんだだけどうまく見せるから引っかかった。
マコノヒーはいかにもイギリス映画に出ている米国俳優の気配だったが、設定でも米国で生まれオックスフォードに進学しめぐりめぐって麻薬王になった男を演じた。
案内役はどこでも何役でも同じヒューグラント。
髭の具合でトムハーディにも見えるチャーリーハナムが男をみせた。
多数の映画で“小男”役を演じてきたEddie Marsanがやっぱり小男を演じた。
いちばんつええと感じたのはコリンファレル。コーチというだけで役名なしのボクシングジムコーチ。組織ではなく堅気だが最悪の状況を全クリする強面感があった。ファレルってほんと巧いよね。
全体としては動機が弱いと思った。
プロットの起点は妻と静かに暮らしたいというミッキーの願いである。かれは何よりも妻を大事にしており冒頭からして今夜デート行こうと妻に電話をかけるわけである。だがミシェルドッカリーはきれいな奥さんではあったが華奢だしなんか意地悪そうだしw麻薬王がぞっこんになるならもっと妖艶なほうがよかった。
ただしこれはガイリッチーの文法ゆえの枷であり観衆の関心がセクシーへ向いてしまう女優や演出を避けているのだ。──という意味では感心した。
根本的なコンセンサスだが映像作品が性的魅力で興味をひくのなら演出はいらない。突き詰めて簡単に言ってしまうと裸をだすなら「作」品である必要はなく品でいいのだ。むろん俳優たちの性的魅力は映画の大きな魅力ではあるけれどアルドリッチやフランケンハイマーやガイリッチーはそれに頼らない映画づくりを目指してきたわけである。
とはいえ、ミッキーの隠居動機は弱かった。──と思う。
なお本作は中国人の扱いが差別的だと非難された。
白人の中心人物が麻薬取引業とはいえ道徳的に高尚な起業家に描かれるのに比べアジアの密売人はごろつきに描かれる。──とのこと。指摘はもっともだが定型のカリカチュアだとは思う。
冒頭にでてくるピクルドエッグを検索したらイギリスのパブの定番メニューでビールに合うのだそうだ。やってみようと思ったがデイルとかマスタードシードとか知らない材料使うのであきらめた。煮卵でいいや。
先が気になる展開に引き込まれる!
ガイリッチーの原点回帰作品
おかえり。ガイリッチー
ロックストック&トゥースモーキングバレルズが公開された時、
めちゃめちゃシビレたのを鮮明に覚えてます。
次のスナッチではさらにグレードアップし、
「ガイリッチー」を確立した感じでした。
その後、ハイスピード編集や短いカットの連続、
音楽と映像の融合など、
”ガイリッチーの偽物”がホントに数多く出現しました。
しかし、そのほとんどが似て非なるものでしかなく、
”ガイリッチー節”は長い年月を経て、
逆に古くてかっこ悪くなってしまいました。
さらに残念なのは、ガイリッチー本人が
本家ガイリッチー節を封印され
あのころのスタイリッシュな映像が影を潜めたことです。
そして、時を経て「ジェントルメン」。
冒頭のジュークボックスのレコード、ビールサーバー、
ピクルドエッグのクローズアップからのBGMスタート!
あのころ程スタイリッシュじゃないにせよ、
オフビートの効いた”ガイリッチー節”が帰ってきたと
思わせるには十分なオープニングでした。
まさに「ジェントルメン」。
ロックストック・・・の頃の、ガキに見せるスタイリッシュじゃねーぞ。
紳士のスタイルとはこういうもんさ。
というあいさつ代わりの一発。
内容は当時と変わらず、
脚本のための脚本。
映像のための映像。
で、つまらない人にはつまらない仕上がり。
そしてガイリッチーファンにはたまらない演出。
そればかりか、農場を襲撃した”トドラーズ”のPVは
まさにあの頃のガイリッチー編集そのもの!
というサービス精神!
話の筋から一番遠いコリンファレルが
実は一番いい役!というスナッチにおける
ブラッドピットの立ち位置!
はぁ。お腹いっぱい。
大満足です。
なので、ガイリッチーさん。
もう、”ガイリッチー節”の映画。
撮らなくて大丈夫ですよ。
ありがとうございました。
ガイ・リッチーが帰ってきた!
勝手にキャッシュトラックを観て、(面白いけど)誰にでも撮れる映画を撮る監督になってしまった、とがっかりしてたのですが、本作はガイ・リッチー節全開で思わずニヤニヤしちゃいました。
でも、よくよく調べたらジェントルメンの方が公開が先なんですよね…。
やっぱりガイ・リッチーはロンドン舞台のギャングスターものでこそ持ち味が発揮されるということなのでしょうかね。ほんとキレキレでした。
内容的にはロックストックとかスナッチのアップデート版に過ぎないという見方もあるかもしれませんが、アップデートの仕方が半端じゃないですし、名優たちの台詞回しが最高でした。クスクス笑えるシーンがほんとに味わい深かったです。
これからはロンドンに拘ってふざけた映画を撮りまくってくれたらいいなと思いました。期待してます。
難しかった(笑)、
ガイリッチーのセンスがビンビン‼︎
ガイリッチーといえば、ユーモアとテンポとひねり。この要素でしっかり楽しませてくれる。
2本の脚本が絡み合いながらも、登場人物にメリハリがあるので、置いてけぼりにならなくて済むはず。
サントラもナイス!エル・マイケルズ・アフェア「Shimmy Shimmy Ya」やポール・ジョーンズ「Free Me」には痺れたー。
トドラーズの上下揃いのユニフォームは欲しいかも。どこのブランドなんだろうか?
相対的に主人公が良い人
ほんっとに面白かった
ブラックなタイトル
アバンタイトルでボスと呼ばれる男がバーで殺される、なんとなくゴッドファーザーの暗殺シーンを思わせる出だし、本編はレイという男の家にフレッチャーという自称私立探偵が潜んでいる、知らぬ中では無いようで酒を片手に話がはじまる。
どうやら、やばいネタを売りに来たらしいが、むしろ映画の語り部、狂言回しの役どころのようだ、登場人物、映画の前置きがダラダラつづく、状況説明は語りでなく映画で見せろよと言いたくなる。まあ、後半になってからは謎の解明に一役買ってくるので気を取り直しましたがね。
貧しいアメリカの青年ミッキー ピアソンが奨学金で英国の名門大学に入学するのだがとんだ秀才、貧乏貴族の庭を借りての大麻の栽培で裏社会の大物になる、レイはミッキーの右腕の切れ者といった役どころ。
ミッキーの組織を買うと言うユダヤ人のマシュー、中国人マフィアのジョージ卿とドライアイ、謎の暗殺者、訳アリのボクシングコーチとジムの不良らが絡んでドロドロの展開に・・。
ミッキーは結構残虐、マシューに体の肉1ポンドを切りだせと迫るが「ベニスの商人」の強欲なユダヤ人シャイロックへのあてつけセリフですね。
下ネタ絡みの下品なセリフが多く、そもそも悪党たちの映画なのにジェントルメンとはブラックなタイトルをつけたものです・・。
全217件中、21~40件目を表示