「悪政を維持する側と反抗する側の対比」プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
悪政を維持する側と反抗する側の対比
アパルトヘイト下の南アフリカで政治犯として収容された白人男性たちがプレトリア刑務所を脱獄しようとするサスペンス。
鍵を木材で作るってアイデアよりも、それを実行する緻密さと忍耐に驚いた。脱獄プランが行きづまりそうになったときの閃きもよかった。とても地味な話なのに、緊張感があるシーンをいくつかちりばめて飽きない構成にしてたと思う。
脱獄ものって犯罪者が刑期前に逃げようとする話だから何か心に引っかかるものがあるのだが本作は違う。アパルトヘイトという悪政の下、反抗する人たちの話だから感情移入もしやすかった。ただ、アパルトヘイトが撤廃されるのはまだまだ先の話なので、脱獄してスッキリした終わり!とはならない。ラストの映像の解放感との対比がうまい。そんなところも含めていい映画だった。
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