「脱獄はロマン」プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
脱獄はロマン
なんとなく思いつく脱走脱獄もの映画。『大脱走』(1963)言うまでもなく、『パピヨン』(1973)は繋がりでマックイーン版に尽きる。『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)は単独ものでは秀逸。『アルカトラズからの脱出』(1979)はドン・シーゲル監督とイーストウッドの黄金コンビで娯楽満点。実話とはいえ、この脱獄のための創意工夫は「本当かよ!」と突っ込みたくなる。『ショーシャンクの空に』(1994)はラストカットの秀逸さに涙する。ラストカットといえば、ハギスによるリメイク版の「スリー・デイズ」でなくフランスのオリジナル版『すべて彼女のために』(2007)の方が見事なので、こちらを推す。
本作はこれらにない<脱走のためのツール>が鍵だ。これも実話だそうだが、観客は「なぜこの監獄に入ったのか」という社会派なテーマなんか忘れて「脱獄に向けてバレそうでハラハラ」を楽しむことになる。ある種、脱獄映画の本末転倒。脱獄ものが好きな人は押さえておきたい作品かもしれない。その脱獄アイデアを目撃するためだけでも。
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