劇場公開日 2020年3月20日

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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のレビュー・感想・評価

全175件中、21~40件目を表示

4.0言葉というものの重みを感じる作品

2022年3月29日
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面白い。観てよかった。

話を聞いていて、本当に頭がいい人だと感じる人はごくわずかだけれど、三島由紀夫はその稀有な人物。
地頭がいいと言った方が適当だろうか。

学歴がある、勉強ができるといわれる人の中には知識ばかりで物事を表層的にしか理解できない人も多いが、三島は本質を理解し昇華できる人だと思う。
だから言葉のひとつひとつが深く重みのあるものだと感じた。

彼の作品をしっかり読みたくなった。

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yuna

4.0この熱はすごい

2022年3月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

難しい

日本の平和ボケにより、この討論が伝説になっているのが、いいのか残念なのか、正直わからない。

世界同時に改革の時代だったというから、腑に落ちる。
あれから50年が経っている今、日本にはそのパワーはない代わりに、目に見える内乱もなく、いまだ平和ボケなのかもしれない。

「熱と敬意と言葉」とナレーターが発していたが、暴力ではなく、言葉しかないんだろう。
第3次世界大戦を回避するためには、武力ではなく言葉、という気持ちが世界中に伝わって、首謀者と側近の行動を変えて欲しい。

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かずじー

3.5禅問答

2022年3月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

尊敬する高校時代の恩師が三島由紀夫を研究し、著書を頂いたのだけれど、読んでも頭に入ってこないので、映像なら理解が深まるかな~と思いDVDを借りて観た。

東大の学生と三島の討論は、私などには全くの禅問答で、それは理解できなかったけれど、その時代の「熱情」はヒシヒシ伝わってきた。
三島と学生の語り合いは暴力的ではなく、互いに落ち着いていたことに、知性を感じたかな~
知性主義ではなく。

全共闘って反体制の左翼だと思ってきたけれど、ひとくくりに左翼でかたずけられるものではないことがわかって良かった。
当時の熱い国への思いは、現代を生きる私たちにはないもので、すっかり古びてしまった感じだけれど、学生運動の「熱さ」は、ある意味素晴らしいのかもしれない。

やはり解説付きの映像はわかり易い。
これで現状積読状態の先生の著書に再び光がはいりそうだ。

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Jo

4.0生々しい臨場感

2021年11月29日
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単身で全共闘の学生1,000人の討論を受けて立つ三島由紀夫も凄ければ、芥正彦を中心に三島と対等に論を交わす学生も凄い。今では想像できない時代が、日本が、50年前に確かに存在したという事実。

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masya

3.5圧倒的熱量の行先

2021年11月22日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

知的

内容。1969.5.13東大駒場キャンパス900番教室で行われた三島由紀夫と東大全共闘の討論会と残された関係者による事件後50年目の真実。三島由紀夫にスポットライトを当てた作品だがメディアの隆盛時期に反米愛国運動の本質に迫る熱量の強すぎる和解とアンビバレントな決裂。オープンエンドな妥協点が良かった。強すぎる経験は、呪いと同じで三島由紀夫自身も戦争に対し呪われたし、呪われた三島由紀夫に関係した人も一生忘れることは出来ない連鎖の時代だったんだなと感じた。しかし紳士的で誠実な三島由紀夫には好感が持てた。事実は小説よりきなりでした。

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コバヤシマル

4.0これは必要な映画ではある

2021年9月20日
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鑑賞方法:VOD

三島由紀夫が残した叫びを、いま鮮明に残しておく
こういったものは必要なのではないでしょうか?

映画として、よくある証言者と当時の映像を振り返る
というだけの 何の外連味もないモノではあるが
当時、革新的な子供を抱きながらも堂々と三島とやりあった
芥氏が、いまもキチンと老害ヨロシク狂っているのが最高だった。

全共闘のメンバーは、紛れもなく東大生だったわけで
いまのテレビ画面で弄ばれる東大生とは
全くの異質の存在なのが感慨深い。
それは、全国どこの学生や社会人もかつての世代とは違うわけだけど
やはりモノを考える必要は常にあると思われる。

何歳になっても勉強しなくちゃいけない。
そう思わされる。
ちなみに監督の豊島圭介は豊饒の海を読んでないのか
と、芥氏に怒られたらしい。 そら、怒るか。
でも、良いモノ作ってくれて監督さん、ありがとう。

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Nov

4.0ナレーターが…

2021年9月9日
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内容は良かったが、TVのドキュメンタリー番組じゃないんだから東出昌大のナレーターはないかと
ナレーターの人選だけが非常に残念だった

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moonsing

4.06歳で安田講堂事件をテレビで見て、いつか自分も、とぼんやり思った変な子でした

2021年9月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

三島は、天皇という一神教を信じ、全共闘が社会主義革命という一神教を信じていると受け止め、一神教信者というメンタリティーにおいて共闘できると信じ込み、アメリカ的価値の堕落という共通の敵と戦おうと勧誘に出向いた、という事なのでしょうか。

東大生と三島の抽象概念のキャッチボール、すごいね、頭いいとはこういう事なんだろうね、などと感心しながら見ていましたが、同時に、ただ言葉の粉飾にすぎないような気もして、本質を見極める力とは別物のような気がしないでもなかった。だから、巷のおばあちゃんなんかが、ぼそりと言う真実に打ちのめされたりすることがあるような。

三島は、割腹自殺という形で一神教に殉じた。しかし、全共闘は果たして本当に一神教信者だったのか。もともと多神教だったのか、あるいは改宗したのか。ただ、あの時代において、まじめに、かつ愚かに、そして熱く対峙する姿は、一回りほど下の私にとって限りなくまぶしい輝きを放つものでした。

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マツドン

4.0全共闘は何を残したのか

2021年8月22日
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鑑賞方法:VOD

アマゾンプライムで観賞。
三島由紀夫は終始紳士的で相手を攻撃はしない。むしろ相手の主張をしっかりと聞きその上で自分の思想を語る。対して東大全共闘は三島由紀夫の主張の矛盾や上げ足を取るようなことばかり突いてくる。これがまるで大人と子供の喧嘩のようにも見える。学生たちは大人を言いくるめようとするのに必死すぎでそれが目的になってしまっているようだ。

当時の若者はエネルギーを持て余しているためかこんなことをしていた。でも実際はそこに確固たる信念は存在しなかったんじゃないかな。だから内ゲバで自滅したんだと思う。東大全共闘は一体この日本に何を残したんだろう。三島由紀夫は一体何と戦っていたんだろう。

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たろう

3.51960年代後半の学生運動全盛期の時代背景が分かる映画!

2021年8月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

 ドキュメンタリーの前半で、当時の時代背景を説明してくれます。東大全共闘を始めとして、日本各地で、学生運動が起こっていた様子が伝わり、今の日本では考えられない様子だと思いました。
 その中で三島由紀夫が、東大駒場キャンパスの討論会に出るという、当時の貴重な映像も見ることができるドキュメンタリーです。正直、三島由紀夫や東大の学生が議論で話す内容は、難しい内容も多く、ついていけない部分もありました。それでも、三島由紀夫の思想の一端が分かる映画だと思います。戦後の日本の歴史の中で、その時代を知る意味でも、時代背景や三島由紀夫の思想の一端を知ることができる映画だと思いました。
 あの東大駒場キャンパスの討論会の会場の「熱量」は確かにすごかったと感じましたし、「言霊」の力を信じようとして、討論に臨んだ様子が映画から伝わりました。

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Nagoya_yabu

4.0熱と敬意と言葉と。 その頃のことを全く知らない世代で、自分達が何か...

2021年8月13日
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知的

難しい

熱と敬意と言葉と。
その頃のことを全く知らない世代で、自分達が何か行動を起こしたとして世間や政治や何かを変えることなんて出来やしないと思っているし、そもそもそんな真剣に世界のことも自分のことも考えていないと思っている。そんな私からするとこうも変革に向かって突き進んでいこうとする情熱は羨ましいとすら思う。
三島の本もほぼ読んだことないし、断片的にしか知らなかったけど、なんか一気に実在したんだ、という存在感をリアルに感じられた。

ちょっと前までは本当にこんな一人間が何かを思っていたとしても変化は起こせないと思っていたけど、最近はSNSがきっかけで少しずつでも声が届いたりするシーンも見たりする。案外まだこの時代も捨てたものじゃないのかも、まだ真剣に世の中を変えようと考えてくれる人がいて力もあるのかも。そしてその動きの根底には熱と敬意と言葉があって、それってこの全く知らない時代と共通しているんだと知った。

分かり合えなくても、頭ごなしに否定するんじゃなくてまずは熱と敬意と言葉でもって対話して知ろうとする。知ってもらおうとする。そばにいる人との関係においても、大切なことを学んだ。

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みーこ

3.0三島由紀夫こと、平岡公威は、面白い奴だ‼️❓

2021年8月1日
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三島は目立ちたがりで同性愛者で、ええかつこしいだ、そんな先入観がありました。
この映画を観て、気づいたこと、再認識したこと。
全共闘や民青の東大版はクイズ王とあまり変わらないこと、東大のブランドを利用してるけど、さほど大したことない、こと。
みんな、人生を舞台のように感じて、演じて、生きがいを求めて、いること。
三島由紀夫の死は、心中の小細工である、それは再認識した。
でも、活き活きとした、表情は、素晴らしい人生なんだろう、とも思う。
全共闘の人たちも、楽しそうでした、今も昔も。
お祭りみたいなもんです、それが人生、それだけわかりました。

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アサシン5

4.0三島由紀夫のカリスマ性に脱帽

2021年7月8日
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敵をも話だけで惹き付け、笑わせるユーモアがある。

討論の内容は必死で考えるのだけれど理解が追いつかなくて汗たぶんほぼ理解できてない(><)頭が本当にいい者同士の会話だったな…

それでも彼の話し方は本当に魅力的だ。分からなくても聞きたくなる。

「諸君の熱情は信じます。これだけは信じます。」
いい。
思想は違えど日本を思う心の強さが同じだと認め合う。素晴らしい討論会だった。

「言葉は言葉を呼んで言葉は翼を持ってこの部屋を飛びわまわった。」
彼は小説家であり、言葉を言葉の力を本当に大切にしていたと分かる一言でもある。
もう一度、三島作品を読み直したくなった。

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つぶちょこ

4.5三島かっこいい

2021年6月29日
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観念的で美意識高すぎて文章も見た目も三島は苦手でしたが、なんとなんとものすごくユーモアがあるのに理論的理知的でいかした男じゃないですか。熱くなりがちな東大生を笑いで抑えながら、ごまかしたり逃げたりせずに受け止める。いやカッコいい!けど高尚すぎて話してる内容はさっぱり分かりませんでした。あと東大全共闘の人たち現代はそこそこ良さそうな暮らしなさってますね。やっぱ腐っても東大ですね。

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三毛猫泣太郎

4.0本作では三島を一人の等身大として描いているのに好感が持てた。政治的...

2021年6月21日
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興奮

知的

難しい

本作では三島を一人の等身大として描いているのに好感が持てた。政治的な主張は感じられず、三島を批判するわけでも、過度な肯定感で味付けするわけでもなく、共に生きた人たちから見てどのように映ったのかをいろんなライトで照らし合わせていく。

俺が好意を抱いたところは三島は一人の人間として1000人以上の学生と対峙したところにある。決してねじ伏せるわけでも、説教にし来たわけでもなく、学生と話したいからきたのが男らしいと思った。と同時に意外だったのが、あの安田講堂内では哲学を題材にした三島と学生の討論が行われていたというところにある。

これは憶測にすぎないけれど、もしかしたら学生側は東大の先生とこういう難題の話をしたかったのかもしれない。しかし東大の先生の頭脳より学生側が上回ったからこそ話を聞いてもらえなかったのかもしれない。まともに話ができないからこそ、こういう議題に飢えていたのかな、と鑑賞しながら思った。

学生側の鋭い質問にも三島はたじろぎもせず答える所がこの人のすごいところなんだな。

三島はテレーズ・デスケルウ の小説を引用し、亭主を毒殺した妻は夫の目の中に不安を見たかったからと説く。それを反体制側の人間が大衆の目の中に不安を見たかったからに違いないと語っていたところが好きだし、全共闘は知性主義の東大を壊したという点で評価してたのも興味深い。

後半では三島の天皇論にも言及しており、三島は天皇を日本社会の救済概念・日本の文化伝統が集約されるもの、すなわち無意識的エネルギーの源泉として捉えている。天皇というものを現実を積極的に批判する根拠として読み返して天皇を代表とする日本文化が戦後社会の堕落に対して批判としての力を持つ。もし現実を批判するなら君たちは天皇の名においてやらなければならない、という考えは学生側が意表を突かれて笑ってしまったというエピソードも好きだった。

もしかしたら三島は初代ゴジラのように戦後の日本に喝を入れたかったのだろうと思う。

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マルホランド

3.0理解不能な言葉の応酬にただ引き込まれていく

2021年6月20日
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三島由紀夫という人物に興味があったこと
東大全共闘とはなんぞや?ということで
観てみた。
昔の学生さんは熱かった
でも何が言いたいのかさっぱりわからない。

その学生を三島由紀夫は怒りもせず
タバコをふかし
笑いながら眺めてる
でも決して学生とは目を合わせようとしない

何か憐んでいるのか?
それとも三島由紀夫の演出なのか?

最後まで引き込まれて観てしまったが
決して映画として面白いものではなかった。

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つかちん

4.0親切設計

2021年6月2日
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鑑賞方法:VOD

アマプラで鑑賞。
69年に行われた東大全共闘と三島由紀夫の討論を撮影したテレビ映像に、現在の関係者のインタビュー映像を交えて構成したドキュメンタリー。
何せ東大生と三島由紀夫というインテリ同士の討論なので、油断するとすぐに会話から振り落とされそうになるんだけど、丁度いいところでインタビューに切り替わってそこまでの討論内容を“解説”してくれる非常に観やすい親切設計だった。
三島を論破しようと狙う若き論客たちを、時には真正面から受け止め、時にはいなしながら自分のペースに引き込み相手する三島の話術はさすがだし、人間的にも魅力的な人物だと思った。

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青空ぷらす

3.0暴力権

2021年5月30日
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序盤は良かったが芥氏の討論の所で混乱する。彼は全共闘と一致していたようには見えなかった。そのため全共闘が結局何を目指したのか理解に及ばなかった。双方とも国家観が滲み出ている。戦後の意識なのだろう。今は右傾化などと言っても、その実、個と国をそこまで重ねることは難しい。

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Kj

5.0駒場にて

2021年5月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1969年に駒場で行われた、三島由紀夫と東大全共闘の討論集会の模様を中心に描いているが、天才ミシマの壮絶な生き方に見入ってしまう。
私は当時、大学生で東京に居たので、この空気感はよく覚えていて、市ヶ谷事件もリアルに思い出された。
連続した時の流れには勝てない。

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いやよセブン

4.5不器用な天才

2021年3月21日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

原作の本が実家にあったので、本は20数年前に読んだことがあります。本を読んでもその熱気が伝わってきましたが、映像で観た方がその当時の空気感が良く伝わってきました。

日本の作家の中で私が一番好きでハマったのが、三島由紀夫です。まずは、文体の美しさ。文体から目に浮かぶ情景。私は、太宰でも川端でもなく、三島です。

本作を鑑賞して一番感じた事は、三島は1945年8月15日で、生きる意味を見失っていたのではないかということです。第二次世界大戦中は、身体共にまともな男であれば戦争に行き、まともでなければ戦争に行けません。三島は後者であり、非日本男子という烙印を国から押された訳です。この『美しくお国の為に死ねなかった』という虚無感が、後の三島文学、例えば金閣寺に投影されていると思います。身体を鍛え上げたのも、若い肉体のまま美しく死ぬ為だったのかもしれません。三島の最期を知っているからかもしれませんが、画面に映し出された三島から現世に蹴りをつけた様な清々しさを感じてしまいました。

三島を観ていて私は「ゆきゆきて神軍」の奥崎を思い出してしまいました。三島と奥崎は、全く異なる主義主張、思想ですが、戦争によって狂わされてしまった人間という意味では同じなのではないかと。いや、ほとんどの日本人が戦争によって実は戦後も狂っていたのではないか?という恐ろしいことを想像してしまいました。

意外にも討論は和気藹々としていて、三島も余裕綽々な感じがしました。討論というよりもリラックスした語り合いに近い感じです。最近のレベルの低い国会で自民党議員や官僚を見ていたからか、レベルの違いに二度びっくり。三島も東大全共闘も思想の違いはあれど、お互いにお互いを敬っているのでは?と思えたほどです。いや、本当、今の親米の自民党連中や竹中平蔵氏を見たら、三島は何て言うのでしょうか。

『政治の時代』と言われるほどに、世界中で価値観の転換が起きた時代だからこそ、自由に能動的に生きた人も多かったのでしょうね。若者も生意気で血気盛んで勢いがありますしね。日本が、大きな経済成長を遂げたのが分かった気がします。

三島の『永すぎた春』の中に『幸せというのは、どうしてこんなに不安なのだろう』という台詞がありますが、私はこんな不安定な三島、狂気な三島が好きなのだろうと思います。

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ミカ