「【自分の周囲の女性に”いつも有難う。そしてご苦労様。”とキチンと言おう(少し恥ずかしいけれど・・)。そして自分の言動が女性を傷つけていないかを今一度考えなおそう、と改めて思わされた作品。】」82年生まれ、キム・ジヨン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【自分の周囲の女性に”いつも有難う。そしてご苦労様。”とキチンと言おう(少し恥ずかしいけれど・・)。そして自分の言動が女性を傷つけていないかを今一度考えなおそう、と改めて思わされた作品。】
ー日本の女性が働きながら子育てをする環境整備や制度制定の遅れ、管理職比率の低さ、未だ残る男尊女卑思想は、どうも隣国、韓国でも同様らしい・・。-
■印象的な事
・ジヨンに対する父親及び周囲の人々の”無自覚な”男尊女卑思想の描き方。
それは、英国出張に行った際に文学系の仕事を望むジヨンではなく、弟だけに高級万年筆を買ってきたり、食事の際に”古臭い、腐った言葉”をジヨンに投げつけるシーン。だが、母がそれ以上の剣幕で父の愚かしき言葉を罵倒するシーン。
ーここの母親の言葉は、当たり前のことを言っているだけなのだが、自分の夫に対してキッチリと母として娘の人間性、人生を支える気概が現れており、沁みた・・。
そして、何故、母があそこまで夫の言葉を罵倒したかが、この後の哀しきシーンで明らかになるのだが・・。実に上手い。-
・ジヨンが義母に対し、イロイロと気を使うシーン。義母も”無自覚に”それが、当たり前だと思っている。
後半、ジヨンが元上司の女性が立ち上げた会社で働く決意をした際に、息子デヒョンが育児休暇を取ると知った際の態度。
ーデヒョンを演じるコン・ユに”お前、愛した女をしっかり守れよ!”と軽く突っ込む。-
・幼き娘を抱え、頑張るジヨンの姿。
ー男には、分からない世界である。申し訳ない・・。-
■だが、実はデヒョンは妻に起きていた異変を察知していた・・。
そして、彼はジヨンのために”産後鬱”や”憑依”をネットで調べ、精神科に深刻な顔で相談していた・・。
・ジヨンが本当にキツイ状態になった時に”現れる人たち”。それは、彼女が且つて尊敬していた人たちであった・・。
特に、ジヨンの祖母。
ジヨンの母の腕の傷が、かなり前からクローズアップされるのだが、その理由が明らかになるシーンは沁みる・・。
”お前は、頑張ってきた。家族のためにミシンで生計を支えてきた。怪我をしたときは心配したよ・・。そんなお前が育てたジヨンなんだから大丈夫。強い娘に育てただろう・・”と祖母が憑依したジヨンが母に語るシーン。驚く母の表情。
ーこのシーンはイロイロな見方があると思うが(娘の異変に母が気付くシーンである・・)私は可なり、心に沁みてしまった・・。-
・ジヨンが子供から徐々に一人の女性として成人していく過程で経験する、女性であるが故の理不尽な出来事の数々の描き方。
・ジヨンの元上司の女性チーム長の毅然とした姿の陰に隠されていた悩みを、会社を辞め、新しい会社”春風”を立ち上げたチーム長がジヨンに語るシーン。
ーこの元上司の女性の顔付が柔らかくなっている・・。会社名も・・。-
<ジヨンの周囲の人々が無自覚にセクハラ、パワハラまがいの事をしていたことを徐々に知る過程の描き方。
ジヨンを守るために奮闘する母と、デヒョンの姿。
いつの日か、日本でも働く女性、専業主婦、独身女性・・が胸を張って”自分の人生”を生きれる社会になっていると良いのになあ・・。
その社会の実現のためには、まずは私を含めた男達の意識改革なんだろうなあ・・、(失礼ながら、年配の方程、男尊女卑思想を持つ人が多いと思う・・)と思わせてくれた作品である。>
コメントありがとうございます。
他にも邦画では蜷川実花やタナダユキ、横浜聡子らが活躍していますが、やはり西川美和と河瀬直美の二人が特筆してますね。
『ザ・ライダー』まだ未見です。
Netflixで配信してるので近々見ようかと。
クロエ・ジャオはMCU作品『エターナルズ』の監督にも抜擢され、大躍進!
おはようございます!
この映画はたしかに圧倒的に女性が多かったです。
男性も見たほうがいいと思ってる方も多いようですし、NOBUさん一人だとしたらそれなりに良かったかもしれませんよね。と思いたい。
ママ友ソサエティも気になるところでした・・・
コメントありがとうございます。
今、私の最大の課題が〝アウトプット〟
映画や本から色々学んでいるはずなのに、実生活では何も発揮できず、進歩してないことが情けないような気がしてます。
NOBUさん、おはようございます!キムさんのレビュー、かなり書き直しました。いつも書きながら考えるのでよく変わります。特にキムさんはテーマがテーマだけに頭がやっぱりとっちらかってしまいました。
NOBUさん、おはようございます。レビューを拝読して、映画見ようかな、どうしようかなと考え始めました。原作は読んでいて、韓国も日本も同じだなと思いました。この類の映画(小説)は心をザワザワさせるので覚悟が要ります。それぐらい心と脳味噌が痛がって怒り全開になってしまいます。NOBUさんのレビューが気持ちを落ち着かせてくれました。