「アルジェリアのパワフルな女の子たち」パピチャ 未来へのランウェイ ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
アルジェリアのパワフルな女の子たち
アルジェリアが舞台の映画は初めて。
どんな風にパワフルな女の子たちなんだろう。
チラシを手にした時から楽しみにしていました。
ただ「女の子」であるだけでどれだけ行動を制限されているか。
日本も無縁の話じゃありません。
私自身は70年代生まれの40代ですが、10代の頃いつも窮屈さを感じていました。
「女の子」というだけで、有形無形の制限がたくさんあるのです。
スカートの丈は短すぎないように、奔放な振る舞いをしないように、一人で遠出しないように、言葉遣いに気をつけるように・・・などなど。
女の子だから大学じゃなくて短大で充分、という考えの女友達もいました。
ところがアルジェリアの場合、そうした圧力に抵抗しようとすると命がけとなってしまいます。
劇中、宗教を理由にヒジャブを強要する人たちに対し、「あの人たちは無知でそう信じているんだ」というようなセリフがあり、ヒヤリとしました。
そんなにハッキリ言っては、アルジェリアで上映禁止になるのもさもありなんですね。
女性への暴力や抑圧に対し、力強く抵抗し立ち上がり、折れかけ、そしてまた雑草のように立ち上がる。少なくとも、この女の子たちは10代だった私よりもずっとずっと勇敢です。彼女たちのその後が見たい。
そして、自分の出自を生かして母国の現実をあぶり出し、世界へ提示してくれた監督にエールを送りたいという気持ちを込めて星4つ。
日本の女の子たち、男の子たちにも見てほしいです。
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