「悲しむだけではない受け止め方」君の誕生日 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しむだけではない受け止め方
セウォル号沈没事故で息子を亡くした夫婦の悲しみと苦悩を描いた家族再生の物語。
息子が亡くなったことの悲しみを乗り越えようとする家族の話だけではなく、補償金がらみの確執、バラつきのある遺族の思い、当事者じゃない周辺の人々の反応も描かれていて、とても深みのある脚本だった。正直、セウォル号である必要があるのかとも思った(事故を思わせる直接的なシーンはない)が、遺族に話を聞いて作った脚本と知って納得。
いろんな確執や葛藤がありつつ迎える誕生日会。あれはもう泣くしかない。耐えられない。久々にボロボロと情けないくらいに泣いてしまった。
メンタル的にもかなりやられてしまっていたお母さんが、誕生日会で見せる笑顔の素敵なこと。夫にも娘にもそして周りにもトゲトゲしい態度をとっていた姿、そして息子のために号泣していた姿とのギャップを感じさせるいい演技だった。あの笑顔だけで救われる。最後も前向きな未来を感じられるいいラストだった。
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