「暴力は誰の心身にも宿っているのだろう。」コリーニ事件 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
暴力は誰の心身にも宿っているのだろう。
ドイツと言う国はやはり大人なのだろう。これ程時が流れ去ってもあの戦争について語り伝える力を持ち続けている。時の流れが全て忘れさせてくれるなど論外なのだ。それほどに過酷な時代を乗り越えようとしている。暴力を人間の中に存在することを否定せずにこの映画は作られた気がする。
死者は復讐を望みはしない。と心で分かっていても身体は言うことを聞かない。殺さずにはいられない。それほどまでに人は人を憎んだりできる生き物なのだ。法廷で権威に溺れ、しがみついた人間の正体を暴いたとしても、被告人の心は晴れないだろう・・・・再生する気力は殺人を犯した瞬間に失せてしまっていただろうに・・・・どんな戦争にだって勝者などいないのだ。
人を殺す。その理由を世間が知ったところでどうなるわけでもないのだ。
哀しみと言う感情は、人それぞれに異なるからだ。
しかし、いつか消え去る時が来るはずなのだ。
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