劇場公開日 2020年6月12日

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「法廷ミステリーに収まらない秀作」コリーニ事件 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5法廷ミステリーに収まらない秀作

2021年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

実業家を惨殺した老人を弁護することになった国選弁護人の奮闘を描く物語。

想像以上の秀作でした。
黙秘を続ける犯人、「謎の動機」がサスペンスの面白さを掻き立てます。そして、意外性のある壮大な動機には驚きを隠せませんでした。
法廷シーンは勿論、動機に絡む回想シーンも緊迫感があり迫力十分。
ストーリー展開のテンポも良く、物語に引き込まれた2時間でした。

少し残念だったのは、「恩人が被害者」の設定が余り効果的でなかったこと。もう一つ踏み込めば、「恩人の仇」を薄給の国選弁護人がなぜ必死に弁護しようとしたのか・・・ここの描写が甘かったように思います。
凶器の判明が一つの転機なのでしょうが、メリハリが不十分のように感じました。例えば、弁護人を引き受けたことへの煩悶、後悔、辞退する具体的な行動、犯人に怒りをぶつけるシーン、無気力な弁護・・・等々、そんなシーンの後に凶器が判明し、子供の頃の記憶が蘇り・・・なら転調が明らかで物語も映えるように思えました。

評価は4.5。4にしようかとも思ったのですが、自国の黒歴史をしっかりと描いたその姿勢に0.5点だけプラスです。

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よし