「傍観者の罪」幼い依頼人 e-pinさんの映画レビュー(感想・評価)
傍観者の罪
機内にて鑑賞。
実話ベースとのことですが、実際の事件のことは知らずに観ました。
幼い姉弟の元に継母が突然やってくる。優しく微笑む継母に、「お母さんがきてくれた」と喜ぶ様子に、早くも胸が痛む。
虐待をする前に継母がする、ある仕草。静かな動きの中に、これから起こる暴力の予感があり、観ているこちらの胃が痛む思いに。
主人公の弁護士は、最初から正義感に溢れていたわけではなく、冒頭に展開する持論が後半に効いている。
日本でも虐待が見過ごされ、たらい回しにされる事件が後を絶たないが、脚色なのか、はたまた韓国ではそれが普通なのか、とにもかくにも周囲の大人たちの見て見ぬふりには腹が立って仕方ない。
幼い少女ダビンの健気さが、だんだんと大人への失望に変わっていくさまがとてもリアルで、息苦しくなるくらいの素晴らしい演技でした。
直接的に痛い描写はそれほど多くはないですが、抑えた表現が、むしろ恐怖をしみじみと感じさせます。
ぐいぐいと引き込まれる作品でしたが、胸が苦しくて二度は観られないかも。
コメントする