「子役のときからラブーフ観てるから」ハニーボーイ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
子役のときからラブーフ観てるから
父親ジェームズ役で出演もしているシャイア・ラブーフがリハビリ施設で書いたものが元になっているドラマ。
もちろん多少の脚色はされているだろうが(後半は特に)ほとんどラブーフ自身の話といっていいだろう。
なので好きでも嫌いでも、シャイア・ラブーフを認識している程度でも、事前知識がないと楽しめないかもしれない。
ああもちろんラブーフはオーティスだからね。
まず何度も差し込むオレンジ色の光が美しかったね。オーティスが未来のある輝いた子どものように映像的には描かれる。その一方で父親との関係はギクシャクしていくばかり。美しさとのギャップでより悲しみが増すような感覚。
演出的には、ドラマ撮影のシーンと現実が混ざるシーンがあったり、過去と現在が混ざるシーンがあったり、オーティスの心の声を補強し代弁するような演出は中々よかった。
後半では過去のオーティスと現実のオーティスが完全に混ざりあい、世界一勇敢なニワトリの導きにより父との邂逅を果たす。
作品内の父ジェームズはおそらく死んでいるよね。そう感じるように作っていたと思う。
子どもオーティスと大人オーティスが、父と愛の確認をして自分の気持ちを整理する。
個人的には良かったと感じたけど、一般的にはベタでそんなに深くもないありきたりなものだったともいえる。
やっぱりシャイア・ラブーフに対する思い入れの程度が影響するのかな。自分はラブーフ好きなので。
ラブーフの自伝的ストーリーであるにもかかわらず、なぜ名前を変えたのか疑問に思っていたのだが、ラストでラブーフと作品の中のオーティスが別人になることで、ラブーフ自身の最後のリハビリになったということかなと思った。
この作品がシャイア・ラブーフにとっての世界一勇敢なニワトリだったみたいなね。
ちなみにラブーフの実際の父親は南米で存命です。撮影前にラブーフ自身が父親と会い製作に生かしたそうです。