「補いあうこと」ぶあいそうな手紙 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
補いあうこと
若者と年寄り、ましてや異性だとなかなか交流することはないし、交流のきっかけもないですよね。エルネストとビアの関係が素敵だったのは、お互いに足りないものを補いあっていることと、友人であること。羨ましかったです。
ビアの若さは、エルネストに未来を生きる想像力を与えてくれたと思います。逆にエルネストの思慮深さは、ビアに安心と落ち着きを与えた。お互いを補いあったからこそ、エルネストもビアも人生をただやりすごさずに、前を向いて新しい道を歩きだせたのだと思います。
劇中のLGBTの集会が、過去にエルネストが関わっていた社会運動を連想させました。それは、未来を良くしたいと夢見た当時の若者と現在の若者の言葉を代弁しているようでした。そう、未来を良くしたいと考えて生きることの他に、生きる意味はあるのでしょうか。
哲学的だしフィルムも美しくて私好み。素晴らしい作品でした。
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