劇場公開日 2020年7月18日

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「一人で死ぬのはいやだ」ぶあいそうな手紙 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5一人で死ぬのはいやだ

2020年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 今年は手紙をテーマにした映画が多い気がする。しかも、タイプライターを打つよりも温かい手書き文字がいい。視力も低下して手紙も読むことができなくなった78歳の老人エルネストに、ある時、ウルグアイ時代の友人の妻ルシアから手紙が届き・・・という展開だ。

 隣人のハビエルが妙に仲良しで楽しくなるのですが、この作品の中では最も好感の持てるキャラクターでした。週に1回来るだけの家政婦よりも、もしかして孤独死してるんじゃないだろうな?と部屋の前に置かれた新聞でチェックする日常生活。チェス仲間でもあり、彼の孤独を癒してくれる存在でもあった。

 23歳の女性ビアと知り合い、手紙の代筆など身の回りの世話もしてくれるようになり、家政婦をクビにしてしまったエルネスト。ビアに金を盗られたというより、わざと持っていくように仕向けたというほど信頼していたのだ。

 ビアとの心の交流よりもさらに信頼していたのは隣人ハビエルなのだと感じた。孤独死しても世話をしてくれるだろうし、だからこそ金にも執着しないし、ビアをも信頼できたのだと。だからこそ、最後の英断が成り立ち、若き頃の恋が再燃できたのかと・・・やはり持つべきは信頼できる隣人なんだと感じてしまった。

kossy