「体育会系清貧」新喜劇王 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
体育会系清貧
シャウ・シンチー作品はいくつか見てきたが、苦労と貧乏の表現が好きである。
悲惨でみじめで大変なんだけれど、どこか安心して見られる温かさがある。
落ち込みはするのだけど、卑屈にならないというか
むしろ爽やかな登場人物像が浮かび上がってくるところが印象的で好きだ。
これ、体育会系、清貧とでもいおうか。
本作もその清々しさが波状攻撃。存分に味わえてよかった。
物語りはまったくひねりのない王道で、
コメディーというよりヒューマンドラマである。
ただし、それでも退屈することなく、それ以上、楽しみ感動してさえしまうのは、
上記のような人物の描き方によるところが大きいと感じて止まない。
(だから他の監督さんだったら、こうはまとまらず大変な事にもなりそう)
もちろん本作は純然たる夢物語だし、ていのいい占いのようなものではあるが
だからして落ち込んでいる時こそ観ると、
ものすごくデトックスできる作品なのではなかろうかと感じる。
ひねりのない物語の中でも、往年のスターと主人公のお父さんはちょっと見ごたえがあって、
気に入ってしまった。
それにしても「白雪姫」の筋書き、オモシロ過ぎないか。
見たいわ逆に。
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