「導入のみ素晴らしいが、蛇足感は否めない。」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)
導入のみ素晴らしいが、蛇足感は否めない。
オープニングはとにかく素晴らしかった。
開始10分で日常が一気に失われる展開をこれでもかと見せつける。スピルバーグ版宇宙戦争を思わせるパニック描写は身が竦む程恐ろしい。この導入は単なる続編にとどまらず、前作をうまく補完出来ている点でも見事だった!
が、良いのはここまで。
全体の感想としては「残念」というのが本当のところ。
素晴らしいのは導入のみで、中盤から後半にかけてはストーリーが大味すぎて興醒めしてしまった。
ぶっちゃけてしまうとラスアスを薄味にしたようなストーリーに、パニック展開が連発すると言った感じ。蛇足と言ってしまえばそれ以上でもそれ以下でもない。
まず本作。
邦題のサブタイトル通り、沈黙が破られるのである。
否、容赦なく破りまくるのである!!w
お前らちょっとは自重しろよ!
ギャー!!
ほーら、言わんこっちゃない。
とにかくこの展開の繰り返し。
正直言って萎えます。
パニックシーンを起こす為にキャラクターが何かやらかすという映画的予定調和。
そこから何も学ばず、次のスリリングな展開の為にまた別キャラクターが何かやらかす。
この構造が透けて見えてしまうので、全く緊張感がないどころか。リアリティのある素晴らしい導入がゼロになるくらい、フィクション感満載のB級な展開で上書きされていきます。
そして何だかんだでハッピーエンド(?)
いやいやいや、あんたらの勝手な行動のせいでどんだけの人が犠牲になったと思ってるんだ。恥を知れ俗物が!
正直。
終盤の展開は面白い面白くないという以前に、主要キャラクターに胸糞悪さすら感じてしまいました。
キャストの演技が素晴らしいだけに、脚本のお粗末さでキャラクターの魅力が損ねられてしまうのは非常に残念。
やはりビジネス先行で無理やり続編作ると大抵こうなってしまうんだな…としみじみ。前作が素晴らしく、本作も前評判が良かっただけに残念。
次回作をスクリーンで見る事はないでしょう。