TENET テネットのレビュー・感想・評価
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難解な映画は何度も観る楽しみがある
とても主観的な解釈としての感想を綴っていきます。
◽️この映画の魅力の本質
ノーランの作品のほとんどにいえることだけど、「目眩のする悪夢」を生々しい迫力で具現化した映像がすばらしい。ときどき、ものすごい世界観の頭がぐしゃぐしゃになる混乱した夢を見るときがあるのだけど、これをそのまま映像化したら、とんでもなく面白いのに、と思うときがある。ノーランはまさにそれができる稀有な監督なのだと思う。
◽️この映画を理解するのに、物理学や論理的思考が必要か?
結論から言うと、必要ないと思う。この映画は感性で見る映画だ。ストーリーと設定が極めて難しいのに、それを分かりやすくしようとはしていない。これは意図的なものだと思う。
なぜなら、この映画の世界観はもとから矛盾しており、論理的に理解しようとすればするほど、理解できないようになっているから。
話を分かりやすくしてしまうと、その矛盾性が露骨になってしまい、話に現実味がなくなってしまう。
その根本的な原因は、我々は因果律によって物事を理解しているが、この世界観では因果律が崩壊しているから。
その一つの証拠が、「回転ドア」の効果。回転ドアを使うと逆行した時間軸に入ることができるが、このとき、同じ時間の中に同時に同じものが二つ存在してしまうことになる(だから主人公は自分自身と戦うことが可能になった)。
また、回転ドアをくぐった瞬間、くぐった者は未来の時間には消滅してしまうことになる。
これは、科学の基本的な原理である質量保存の法則やエネルギー保存の法則に反する。
時間の矢やエントロピー云々の話以前に、最も基本的なところで科学的には矛盾した世界観である、ということだ。
◽️この映画のテーマ
ゴヤといえば、「我が子を喰らうサトゥルヌス」である。サトゥルヌスは時間の神であるクロノスのことだから、きっとゴヤを出したのは意図的なものだろう。
自分の子供を喰らうおぞましいサトゥルヌス(クロノス)が象徴しているのは、「現代人を犠牲にしても自分たちだけが生き残ればいい、と考える浅ましい未来人」だろう。
現代と未来の戦争といえば、ミヒャエル・エンデの言葉を思い出す。エンデは確か、こんなようなことを言っていた(うろ覚えです)。「第三次世界大戦はすでに始まっている。それは時間の戦争であり、戦っているのは、現代人と未来人だ。現代人は常に優先にある。なぜなら、現在人は環境破壊などの形で常に未来人に攻撃をしかけられるが、未来人(我々の子孫)はその攻撃を防ぐ手段が無いから」
この映画の「第三次世界大戦」は、エンデの言葉が由来である可能性があるように思う。
TENETの未来人は、現代人を全滅させても自分たちが助かればいい、と考えている、本当に最悪なヤツらだが、それは実は僕ら自身ではないだろうか?
未来人は単に現代人のツケを払わされているだけで、だからこそ、現代人を犠牲にして何が悪い、と考えるようになったのでは?
TENETのタイトルの通り、善悪がひっくりかえる。
◽️この映画の神話性(寓話的象徴性)
インセプションやインターステラー同様に、ノーランのストーリーはSFの体裁をしていながら、とても神話的だと思う。そこが、理屈を超えて無意識の肝にズシンと響いて、その神話的意味を探っていきたくなる。
・自分自身との格闘…
・セイターやキャットが、個人的な人間的な感情で世界の命運を左右するような行動をしてしまう愚かなところ(まるでギリシャ神話の神の振る舞いのよう)
・無知は武器。人間の最大の武器は、その不完全性、無知であることにある…。
・9つのパーツを集めると世界が滅びる…
・この映画全体がはじめから最後まで一枚の絵物語の巻物のように因果を越えた物語として描かれていること
・随所に言葉遊びの要素が隠れていること(TENET、オペラなどラテン語の回文が元ネタ)
◽️各キャラの象徴するもの
それぞれのキャラも深く掘り下げ甲斐がある深みがある。それぞれ、未来に対する考え方が異なる。
特にセイターとニールは、死の運命に対する受け止め方が対比されているように思う。
セイターは、自分が死の運命から逃れられないのなら、全てを道連れにしようと考えた。そこには、結果だけが意味を持つ、自分自身だけが意味をもつ、という考え方が底にある。
対してニールは、「起きたことは仕方がない」が口癖の、達観した死生観を持っている。自分が死ぬ運命を知っていながら、自分のやるべきことを果たそうとする。運命を受け入れ、全うすること、言い換えれば、生き方、プロセスに意味を見出している。そして、生きる意味の中心に、「崇高な義務感」がある。このような態度をもつ人間は、とても気高く、美しいように思う。
キャットも面白い。自由に生きる他人に憧れを持つが、実はそれは未来の自分自身だった、というオチ。自分とはまるで正反対で、憧れの対象になるような人は、実は自分の未来像である、というようなことは実際ありそうに思う。
未来人の考え方は、懐古主義的といえようか。未来を建設的に改善していこうとするのではなく。過去を美しいものとし、過去に限りなく戻っていきたい、という幼児的な幻想。
とりあえず1回目観た感想を書き散らしてみた。もう一度観てみようと思うので、またそのとき新しく発見できるものがあるかもしれない。難解な映画は何度も観る楽しみがある。
どうしたノーラン?
ここまでのキャリアで「時間」を一貫した一つのテーマとし制作してきたノーランの最新作。
ここまでの作品群では、
深く掘り下げた世界観によってもたらされる作家性と
徹底した人物描写によって生まれる重厚なドラマの相乗効果によって
ハリウッドにおけるメジャーな評価を獲得していて、筆者もそこを評価していた。
今作はその点に於いてこれまでの作品群とは一味違うものになっている。
今作は熱力学に基づく「時間」の操作、それによって生まれる新しい行動原理と因果応報を、逆再生を用いた複雑な映像表現によって展開している一方で
人物描写とそれに伴うドラマ性を極力排除している。
主人公には背景が無く、記号化された状態で観客を巻き込んでいくのだ。
一歩下がって考えてみると、(別の意味で)面白いほど人物描写が雑であるとも言える。
現代的な「人種、性別、職業その他とそれに伴うステレオタイプ」を基準の一つとして見てみよう。
主人公はこの映画における唯一の黒人であり、背景は全くと言って良いほど明かされない。まるで「初見ではこの映画についていけないであろう全ての観客」を体現したかのように無個性で、ただ黒人であるという視覚的記号があるだけだ。
分かりやすく敵は一個人であり、典型的悪役的な性格を持つロシア人だ。そしてその妻の描写も含め、90年代のスパイ映画の設定をそのまま借りてきたかのように短絡的であると言える。
この映画で唯一と言っていい、人間的魅力を感じられる程の描写のあるニールは、白人男性で、我々の一歩先を行く「分かっている」人。
こう見るとノーランとしては珍しく、一昔前の小粒なハリウッド作品群に見られる様な、とても短絡的で、その属性が持つステレオタイプ以上の深みのないキャラクターで構成されているのがわかる。
これまで、しっかりと人間を観察し深くドラマを描いてきたノーランであるから、これは意図的なものだと考える。(でなければこの映画に対する筆者の評価は、「拗らせ設定厨の作った公開オナニー映画」位のものになる)
何故ノーランはこの様な映画にしたのか?
あまり政治的観点で映画を論じるのは好まないが、気づいた点が一つ。
映画「ゲットアウト」では、
リベラルな白人コミュニティが
主人公の「黒人」としての特徴をもてはやしながら搾取するという、マジョリティの有様を描いていたが、
果たして我々はテネットの主人公を通して同じことをしたのではないか?
黒人として白人至上主義団体KKKに潜入する映画「ブラッククランズマン」で主役を張ったジョンデイビッドワシントンを使って、
今よりも白人至上主義的であった時代に隆盛を誇った古き良きスパイ映画を楽しんだのではないか?
メタ的な映画の構造から作品を作り上げるノーランが
敢えて登場人物の背景をステレオティピカルで浅はかな人物像に抑え、ドラマ性を排除した理由があるのであれば、
そこにこそ、今この映画を公開した意味が隠されているのかもしれない。
あくまで考察の域を出ないが。
とは言え本作は、作家性と大衆性を併せ持つ「インセプション」や「インターステラー」程の完成度ではないし、
主題を映画の構造のみに絞り、シンプルに表現をした「メメント」と比べても
作りが雑である様に感じた。
少なくともこの人物・ドラマ描写の不足によって人々が混乱しているのは間違いないと思う。
巷では「複数回見ることが前提の映画」等と言われているが、
筆者の様に同じ映画を複数回観るタチの人間からしても、
映画は初見で納得がいく作りの方が良い。
本作においては、初見の観客が置いていかれるであろうシーンは作品側の説明不足な点が多い。
混乱しながらも一生懸命考察し、ノーランについて行こうとするファン達の気持ちも分かるが、
描写不足の映画を作って腕を組みほくそ笑んでいるノーランの姿を想像してしまい、それをどこか滑稽に感じてしまった。
ただ、コロナで世界的な不況と通常営業への圧力があるこのタイミングで、劇場公開を押し通した点はリスペクトする。
「ノーランの奇妙な冒険 ジャンボジェットを砕きたい」
秘密結社「テネット」へスカウトされたCIAの男が、第三次世界大戦を阻止するためにインポッシブルなミッションに挑む!というスパイアクション映画。
監督/製作/脚本は「ダークナイト・トリロジー」や『インセプション』のクリストファー・ノーラン。
主人公である名もなき男を演じたのは『ブラック・クランズマン』のジョン・デヴィッド・ワシントン。
主人公の相棒ニールを演じたのは『ハリー・ポッター』シリーズや『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソン。
ヒロインである鑑定士キャットを演じるのは『華麗なるギャツビー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のエリザベス・デビッキ。
「テネット」の一員で最終ミッションの指揮官を務めた男、アイヴスを演じたのは『キック・アス』シリーズや『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のアーロン・テイラー=ジョンソン。
イギリス情報機関のエージェント、クロズビー卿を演じたのは「ダークナイト・トリロジー」や『インセプション』など、ノーラン監督作品の常連であるレジェンド名優サー・マイケル・ケイン,CBE。
本作のヴィランである武器商人アンドレイ・セイターを演じたのはノーラン監督作品『ダンケルク』にも出演しているイギリスを代表する名優サー・ケネス・ブラナー,CBE。
第93回 アカデミー賞において、視覚効果賞を受賞!
コロナ禍の影響により今年公開予定だった大作映画が次々と延期になるなか、ついに公開された超目玉大作『テネット』!
入場制限が課せられているとはいえ、映画館は満員!本作の期待値の高さが窺えます。
本作ははっきり言ってアイデア一発の作品。
「逆行する時間」の中でスパイアクションを繰り広げるという、映画史上初の試みを実行しています。
「エントロピーが何やらかんやら」「祖父殺しがどうたらこうたら」と、本作におけるタイムコントロールの説明や設定を解説するセリフがだらだら続きますが、はっきり言って無視してオッケー👌
博士っぽい人が「頭で考えるな。感じろ。」と言っている通り、「なんか逆再生ぽいことが出来る世界」と思っておけば良い。
なんか難しい映画だと言われていますが「逆再生パワー」で人類滅亡を図るテンプレ悪役を、こっちも「逆再生パワー」を使ってやっつける、というサイコーに単純でバカっぽい物語です。
そもそもノーランって、ミステリー作家のような「結論から物語を作り上げる」というタイプの作家ではないですよね。
週間連載している少年マンガ家のように、撮りたいシーンをつなぎ合わせて物語を作り上げる作家なんだと思ってます。彼の作品を観るとすごく荒木飛呂彦先生の作品のことを思い出すんですよねー。
「弾丸が銃口に戻ったらカッコ良くね!?🔫」
「ジャンボジェットをぶっ壊したら派手じゃね!?✈️💥」
「消防車でカーチェイスしたらワクワクするダロォ〜!?🚒🚛」
「デッカいお船でセーリングしたらカッチョいいダルォ〜!?🌊🚢」
「逆再生の世界に主人公が入り込むとか、すげぇアイデアじゃね!?⏳↩️」
「炎が氷になる…?これってすげぇかっこいいんですけど!!🔥🥶」
「やっぱり悪役の目的は人類滅亡だな。だってなぜなら悪い奴だから。🌎💀」
みたいな、馬鹿っぽいノリこそがノーラン節!
小難しいことやってケムに巻いているけど、妄想好きな中2がそのまま大人になった男、それがノーランでしょ。
本来なら金塊で目眩しするとか、顔がむかつくという理由で計画無視してラスボス撃ち殺しちゃうとか、ギャグシーンとして描くようなものなんだけど、そこを真面目なシーンとして撮ってしまうんだよなぁ…😓
クソ真面目な作風がノーランの持ち味ではあるんだけど、もっと肩の力を抜いたアクション映画を撮ればいいのに、とノーラン作品を観るたびに思ってしまう。
まぁ、本作も普通に面白かったし、どんなジャンルの映画を撮っても60点は確実に超えてくれる超優秀なクリエイターなんだけどさ。
グダグダ言いましたが、映画館で観るべき作品なのは間違いない!
「逆行する世界」というアイデアはすげぇ面白い!
本当にどうやって撮影したのかわからない、摩訶不思議な映画の世界に案内してくれます!
そしてヒロインのエリザベス・デビッキのビジュアル!
一体何頭身なんだよあの人…。
191cmあるらしく、主人公であるジョン・デヴィッド・ワシントンも小柄ではないはずなのだが、正直かわいそうなくらいちっちゃく見える。
キャットというキャラクターは出来損ないのボンドガールみたいで好きにはなれなかったが、エリザベス・デビッキは本当に素晴らしかった。
彼女が映るだけで映像がスペシャルなものになります。
『GotG2』で金ピカのエイリアンやってた人とは思えない🤣
「逆行の世界」というアイデアは最高に面白い!😆
…なんだけど、この「逆行の世界」に入り込むのは80分過ぎたあたり。
それまでは普通のスパイ映画を観させられる。
…ノーラン、『007』が好きなのはわかった。
でも、本作は「逆行」という最高のアイデアがあるんだから、映画前半からどんどん見せてくれよっーー!😭
この前半が退屈で退屈で…。
この映画の構造上、2回観る必要が絶対にあるんだけど、前半の退屈さを考えるとそのまま2回目に突入するのは無理でした…。
キャラクターの描き方も難あり。
主人公のキャラクター像が薄ぼんやりしているのは、物語の展開上意図的なものだろうし、それは全然オッケー。
問題はポッと出てくる登場人物たち。
「飛行機係」のマヒアとか、司令官のデイビスとか、もうちょっとキャラ立ちさせても良かったでしょう。これじゃあただの便利アイテムだよ。
ニールも初登場のインパクトが薄すぎて、途中までただのモブキャラかと思ってた。
悪役のセイターもなぁ〜。存在を消された村出身の、世界滅亡を企む自殺願望のある武器商人かつ時間操作能力者かつ尻の穴の小さいDV男というなんか凄い盛り沢山なキャラクター。
これだけ属性を盛ればキャラ立ちしそうなものなんだけど、つまらないキャラクターなんだよなぁ。
こんなに面白くなりそうなキャラクターをつまらないテンプレ悪役にしちゃうのは逆に凄い。
アイデアや映像表現に注力している反面、ドラマやキャラクターはかなり疎かにしている、という印象を受けた。
一番の問題はクライマックスの挟み撃ち作戦。
「順行する世界」と「逆行する世界」の挟撃作戦というのは確かに面白い!
…なんだけど、いかんせんアクションが全然面白くなかった。
建物をRPGみたいなのでぶっ飛ばすところ以外、見所となるアクションシーンがなかったんですよね。
スパイ映画なんだから、やっぱり最後は「順行」の世界に主人公、「逆行」の世界ではニールが単騎潜入してアルゴリズムの破壊を目指す。ラストは2人がかりで敵の超強いやつと戦うみたいな、ベタベタの王道展開が観たかったなぁ。
あと、本作で物足りなかったもの。それは「音楽」!
『クリード』『フルートベール駅で』のファンなのでルドウィグ・ゴランソンがフィルムスコアを手掛けると知った時は嬉しかったのですが、ウーン…😥
「逆行する世界」では音楽が逆回しっぽくなってるとか、アイデアは良かったんですけど全体的に地味というか印象に残らない。
『007』の「パラッパラ〜、パ〜ラ〜」とか『スパイ大作戦』の「チャッチャッ、チャッチャ、パラパ〜パラッ」とか、耳に残るテーマソングがあればこの映画の個人的評価は爆上がりしてましたね。
ジョン・バリーとかラロ・シフリンみたいな天才がいればねぇ〜…。
いやぁ、しかし「時間の逆行」という複雑なテーマを扱い、それをここまで視覚的に面白いものに仕上げるとは、さすがクリストファー・ノーラン。
ノーランさん、次の仕事は『ジョジョの奇妙な冒険』の実写映画化は如何ですか?
ノーランの撮る「キンクリ」とか「D4C」が見たい(笑)
これはゲームでやるべき作品だ!
2020年のトップの映画は、これで決まりました。
アクションサスペンスなのに最後は大泣きした。
最後の戦場にニールが2人(現在と逆行を考えると4人)存在しており、もっと未来から死ぬために鍵を開けるために存在しているニールが分かったときに涙が止まらなかった。
初めから逆行を理解するのに頭を使いすぎてわけが、分からない展開に持ち込まれる。
1回目の飛行機のシーンで、ニールが敵のフェイスを剥いだシーンを見て、なるほどこれは未来から来た主人公なのかと考えてからピースがはまり理解が進みだす。
そこからの展開の速さと引き込まれるスピードは、過去に経験したことのない映画であり、2時間半の映画は30分くらいの感覚であった。
最後の戦場が終わった時には、一章完であり、ここから本当の黒幕を足早に倒して、映画が完結する。
主人公がニールに死ぬが世界を救うためにもう一度過去に言ってくれと依頼するのは想像でしかない。
時間軸を動かしたり戻したりするのは、ゲームで作るのが良いのかなと感じた、ニールの視点、キャットの視点で別のストーリーを見てみたい。
まとめるともう一度映画館に、答え合わせと見逃した部分を確認しに行こうと思います。
ターミネーター続編のもやもやが晴れ渡る
タイムトラベル系SF全部のせボリューム増し増し増しの時間延長と言った感じ、見ごたえ充分満足度No.1(笑)
“逆行”はフィリップ・K・ディックの逆回りの世界からの発想か、そうならいいなぁ
序盤から「三次大戦の阻止」だの「人類滅亡の危機」だの結構なお決まりワードが、わぉ!お、王道~
でも思えばノーラン監督てバットマンではクリーンエネルギーが核のメタファーだったりインターステラーのエウレーカ!のシーンだったり、シックな映像とストーリーテリングで誤魔化してるけどテーマ事態はちょっと古いというか、ステレオタイプなこと多いのかも、分かりやすいテーマなのにカッコいいギミックで捻ってある所がオタクに好かれてるイメージ(皆大好きダークナイトジョーカーもラノベの天才系強キャラみたいだしね)
さて、昨今のタイムトラベル系SFは、まずバックトゥーザフューチャーは嘘だよって所から入ります、過去を変えても多元宇宙が増えるだけで“祖父殺し”は成立しないよ、てやつですね
誰もが知る名作を引き合いに出すのはそれだけBTTFが偉大な証拠なので問題なしですが、もうひとつのタイムトラベルの金字塔を忘れちゃあいませんか、
そう、ご存知『ターミネーター』ですよ旦那、もちろんノーランは忘れてなかった、
SF詰め合わせな『テネット』ですが、かなり強めにターミネーターを意識した作りになっていると思います
映画好きでオタクの端くれならばターミネーターの続編が出来れば一応はチェックするのが嗜みてなモンで、それなりに楽しめもするのですが、金曜ロードショーで放送する2を見るたびに(ここで止めてりゃよかったのに、、)と思ってしまいます※個人の意見です
そもそも、こいつさえ殺せばスカイネットの勝利、だから未来からわざわざ殺人ロボットを送り込む、というのが大前提なのに続編が出来てもジョンが全然活躍しない、そりゃあ主役なので飛んだり跳ねたりはしますが、“全滅寸前の人類を勝利の一歩手前まで導く救世主”と結び付かない、でも前提は覆せないジレンマでもやもやしっぱなしです、しかもジェームス・キャメロン監督すら放り投げちゃったからもうどうしようもないです
その解答がテネットにはあると思います、しかもベストアンサー
ノーラン絶対オタクだから(偏見)ノーランももやもやしてたんだと信じてる
散りばめられた伏線がやけにわざとらしいかなと思ったけど(空港のマスク逆行マン、カーチェイスのシーンなど)それすらラストの落ちへの伏線に思える
それまでの入り組んだ時間軸のトリックから一変、携帯電話ひとつで“主役”から“黒幕”に違和感なく移行させた手腕に脱帽しました
100点!と言いたい所だけれど、前半単調なのと、画面が地味(逆行と通常の爆破などで工夫はしてたけど)だったので星3.8くらい
良くも悪くもノーラン作品だった
映画なんてフィクションで作り物なのに本物の爆破にこだわるのは何なのかねえ、それで迫力なくなったら本末転倒だと思うけど、CO2も出るし
まったく解らないのに面白い
「そういえば《インターステラー》もノーランだったか」と観てて思い出したの。《インターステラー》は「なんか相対論の話だな」「時空だから四次元空間を表現してんだな」と思いながら観て少し解った気になったんだけど、この《TENET》は全然わからない。
物理法則には時間の項が含まれないから、時間が逆向きに進んでも成立すんだよね。ただ、エントロピーが増大する方向に僕らはいて……みたいな話があった気がする。そこを使ってるっぽいの。
それで時間を逆行する人と順行する人が、同じ時間に存在すんだけど、そんなの想像できないよ。この話つくった人は想像できたのかな。
それで、理論的なところの理解は放棄して観るんだけど、それでも面白いのね。なんだか解らないことが展開してるのに、観てると面白い。シーンの力で引っ張ってくのがすごいと思ったよ。
エリザベス・デビッキの謎の女感がすごく良くて利いてるね。
あと時々「そうか、あれは未来のアイツだったのか」が解る演出が入ってるのもいい。
撮影は「逆行と順行を合成したんだな」って思うシーンもあるんだけど、たまに役者さんが後ろ向きに歩いてるシーンもあるのね。そこが、なんか、可愛くて良かった。
一つ良く解かんなかったのが、逆光するときは酸素マスク付けるんだよね。『空気が肺を通らない』って説明だけど、だとしたら酸素マスク付けたって通らない気がするんだけど、どうなんだろ。まあ、付けないと、順行の人と逆行の人が解らなくなるから、付けてくれた方がありがたいけどね。
「時間って不思議だなあ」と思ったので、時間のことについて勉強しようと思ったよ。
面白いけど難しい
映像も音楽もストーリーもとても面白かったです。
でもストーリーを人に説明しろと言われたらできない自信があります。。。笑
時間が逆に進んでいる時は音楽も逆再生になっている演出が好きです。笑(単純ですが)
2回目観てもいいなと思っています!!
やはり、ノーラン作品
まずは、洋画の大作が、スクリーンで鑑賞できるようになったことに、喜びを感じる。特に、鬼才・クリストファー・ノーラン監督の作品であるだけに、また小難しい内容になるのは、予告編から了解済み。それでも、期待させるのがノーラン作品。
『インセプション』や『インター・ステラー』のような時間や空間を超越した内容は相変わらずでしたが、やはりそこには、愛するものを守り、地球を破滅から救うという普遍的なノーラン監督のテーマを感じ取ることができた。
今回は、第三次世界大戦を引き起こし、自分の命と引き換えに、地球を滅亡に導く野望を抱く悪党男との対決と愛する女性を救うことがテーマ。しかし、この対決シーンに未来から来た特殊部隊と悪党部隊が入り乱れ、途中、味方か敵かよくわからなくなる。また、時間を遡ってのシーンには、それまでの流れの中で、様々な布石があることに、後になって気づかされ、なかなかついていけなかったのが本音。
最後は、未来からの使者が、そう来たかと思わせる展開に、『ターミネーター』を思い出した。(笑)
主演は、なんとあのデンゼル・ワシントンの息子ということだから驚いた。偉大な父を持つ子供としては、なかなか大変ではあろうが、鍛え上げられた肉体も、アクションもなかなか堂に入った演技だった。今後も楽しみな俳優だ。また、キャット役のエリザベス・デビッキは、惚れ惚れするモデルのようなプロポーションに、観ているだけで魅了された。
冒頭の時間"逆行"の説明はミスリード?
まずそもそもこの映画には大きなミスリードがあってわざとなのかわからないが、それが大きく観客を混乱させている。
冒頭で主人公が時間"逆行"の説明をされるが、そもそも時間が"逆行"してるわけではない。
前へ進む時間のベクトルと180度反対の時間のベクトルが交差しているということだ。
登場人物が同じ空間に二人存在するのもその理由で、一本の時間ベクトルの逆を進んでいるわけではない。
だから観客は弾丸が銃に戻ってくる説明では不十分どころかさらに混乱させてしまうだけで、これはわざとなのかよくわからなかった。
さらにこれを考えてしまうとそもそもアルゴリズムは過去を消滅できるわけではないことがわかる。世界全てが"逆行"するなら人物、物だけが逆行(順行)するトリックが成立しないのでは?
うまく動機付けをしてストーリーを効率よくすすめるのは相変わらずこの監督はうまいが、そのせいか人間ドラマがあまりなく複雑な描写が早いテンポで進むため観客がカタルシスを得るタイミングがあまりない。
あと最後の挟撃作戦は敵がうまく描けてなく、とりあえずロケランで建物ぶっ放しただけなのがちょっと緊張感にかけたかな。
だけど2つの時間が存在する世界で行われるアクションは刺激的で楽しい作品ではあるので余計なことを考えないで見るのが一番いいと思う。
まだ一回しか見てないので浅薄な評価かもしれないが思ったことはこのくらいかな。
I will see you again in the beginning. わからんかった!
これって一回観て全てを理解できる人っているの!?って思ってしまうぐらいわかりませんでした💦映画観てわかんなくって、パンフレット読んで「んー、んんん?あー」ってなってるのが今の状態です。
話が複雑で、さらに場面転換が早すぎてかなり置いていかれたのですが、インパクトあるスゴい場面が多いので何度でも観れるような作りになっているのは流石クリストファー・ノーランって感じでした。もう最初っから複数回観てもらう事を念頭に映画作ってある印象すらうけます。
そう思うと何度でも気軽に観れる配信というかお家向けなコンテンツなのかなって思わなくもないです。迫力があるのは映画館向けでも、ちゃんと理解しようとするとじっくり観れるお家向け?逆にこのコロナ禍でも上映に踏み切ったのは、映画館でロングランやって何度も観てもらう事が前提なのかな?
もう一度チャレンジしたい気もしますが、頭で考える事でいっぱいいっぱいになってて見終わった後にあまり感情が動かされていない自分にふと気が付きました。
ちょっと追記
色々考えて、色んなレビュー読んでそれでもやっぱりスッキリしないんです。例えば逆行人が撃った銃痕がありますよね?順行人には「元々あった銃痕」から弾が銃に戻って行くように見えると。これはわかります。
じゃあ、その「元々あった銃痕」自体は順行人の世界ではいつからあったの?って考えるとわからなくなるんですよね😣建物が作られた時には勿論ないわけですし・・・。うーん、何を調べれば解明されるのやら頭を悩まします。
再観賞
2020/10/17
池袋まで足を伸ばしてグランドシネマサンシャインのIMAX GTで。
日本最大級25.8m×18.9mのスクリーンはホントに大きかった‼️音響もビリビリ響いてきました‼️
内容に関しては考えるのを止め感じるようにしました😅
爆誕!錯綜迷走混乱!時間綾取り
面白かった!
興奮した!
感動した!
もう、何が何やら
行きつ戻りつ訳分からんちん
複雑に織り成す意味不明展開
時間の糸が、最後見事に純愛物語の姿を表した時の昇華
そして何より、副題を付けるなら『タイムボカン 女の一生』
登場した時はスラーーーっとした肢体とツンとすました様、豪奢な生活は囚われの身で飼われる事を失望と無気力で受け入れている、高級室内犬 サルーキみたいだったエリザベス-デビッキが、段々と瞳に抵抗と愛のために炎を宿していく
ラストの、ヤリイカのごときしなやかなフォルムで海に放物線を描いた時の痛快さ!
素晴らしい…
『ダンケルク』で評論家から<女が出てこねぇから、ダメじゃね>を、見事にどんでん返し
女!女!母は強いの!に、ゾッとする最後のあの台詞は本当に…
戦闘シーンも、良かった!
あれ、どうやって撮ってんやろ?!
時間の挟撃作戦とか、どんな智将名将もなし得なかった激熱展開
別視点で同じ場面を描いて、こんなに『うぉっ?!』と感じた映画は無かった!
これは、5回は見ないといけない名作ですわ!(5回は見ないと理解出来ない迷作でもある)
ノーラン好きにはたまらない感覚です。
難しいと、コメントする人が多いのも納得できる。
確かに難しい内容だし、何が何だか分からない時間が多い。
でも、この感覚。
ノーランファンならお馴染みに思う。
私はメメントが、とても好きなので、より馴染みがあった。
メメントを観てから、テネットをと薦める人がいるが、
これは一理ある。と思う。
ノーランデビューは、インセプションあたりという方は、
是非、メメントを見てほしい。時間軸のズレで頭がやられる
訓練と体験をしてから、テネットに向かってほしい。
パンフレットに、すべての説明が書いてあるので、
それを読みながら、みんなで、あーだこーだ言うのが
楽しい映画だと思う。これも、ノーラン作品の醍醐味。
後日、私はブルーチームの気分で、
もう一回劇場に足を運ぶ。
そして、メメント同様、計算された演出、
演技を存分に味わいたいと思います。
コロナの影響で、マスクをしながらの鑑賞でしたが、
逆行してる気分を味わう1つの演出にもなりました(笑)
やっぱり初見では理解できませんでした(笑)
当然といえば当然ですが、クリストファー・ノーラン監督の作品ということで、予想通り1回の鑑賞では理解できませんでした(笑)しかも、今までの作品よりも難解。。。難しかった~
あの時のアイツが俺でみたいに、ピタピタっと嵌って行く展開には驚かされましたが、この作品の本質はそんな「カメ止め」的なことではないだろうし、やはり、この人の作品は2度3度見ないと理解できないですね。
しかも、この人物は今、順行しているのは、逆行しているのか?、この人物の今の行動の目的は何なのか?を都度都度整理しないと置いてけぼりになる、しかも一度脱落するとなかなか戻ってこれない・・・。正直この作品を理解するために、一時停止、巻き戻しがない環境ではツラい(笑)(アホですいません。。)
にしても、時間が順行する世界でしか生きてない僕たちが、逆行する世界で、順行する人物、もしくは、順行する世界で、逆行する人物を切り分けて見ることができるのだろうか。。少なくとも僕には理解できる自信がないです(笑)
順行世界と逆行世界を当時進行するシーン、特に高速道路でのカーチェイスや、ハイポセンターでの作戦は、映像的にかなり斬新で面白かったです。
我ながら、浅い感想。。(笑)しかも、たぶん次見るのはDVD化されてからかなぁ。。
難しい
クリストファー・ノーラン作品の中でもかなりストーリーとして難しい。ただクリストファー・ノーラン作品はギミックのテーマ以外に裏のテーマが存在している。インターステラーは愛、インセプションでは過去と今、未来などがテーマになっていたと思う。
今回は友情、信頼がテーマになっていたと思う。ただ今作はそれが非常にわかりにくかったが最後の挟み撃ち作戦をし、ニールにとっては最後の爆発が終着点であり、すべて名もなき男のために行動していたことになる。
そんな友情のはなしでもあるとおもっている。
もちろん、映像表現、時間逆行の示し方、アクションどれも面白かった。
難しい=つまらない=評価低くするレビューが多くて悲しい。
変わらないもの
通常の時間・『逆行』する時間が同じ画面に同居しているため、どの時間なのかを考えながら観ていたら、映画が終わっていた。時間や思惑が入り乱れる中で、キャサリンの息子への愛情が一貫して変わらなかったことが、結末を導いたように感じた。
ホントのIMAXにて
面白いんだけど、終盤は尿意との闘いだった…
そして、思ってたンとは大分違うストーリー…
ノーランの時間についての探究はまだまだ続きそうだね。
法則性が飲み込み辛いのと、クライマックスは達成条件が不明確だったことで盛り上がりづらかったけど、順行と逆行が混在するあの絵面が欲しかったんだろうな〜、と勝手に納得。
楽しむためにはもう一回観なきゃだけど、次観るときはオチを知ってるのがジレンマですね…
今回はホントのIMAXシーン(上下が正方形くらいまで広がる)で「おおっ!」となるようなところが少なかったのが残念…
知能総動員…時間逆行スペクタクル!
IMAXレーザー/GTテクノロジーで鑑賞(字幕)。
コロナ禍以降、いちばん楽しみにしていた新作映画!―低迷した世界の映画興行の命運を背負った本作は、そのプレッシャーをはね除けただけでなく、映画そのものを遥か高みにまで押し上げていくかのような圧巻の仕上がりでした!
設定について思考を巡らせていると、ストーリーに置いてけぼりを食らいそうになるので、事前に解禁されている情報を頭に入れてから鑑賞されることをオススメ致します(笑)。
タイムパラドックスを扱っていたために、かなりややこしかったです。「今はこうなってるけど、時間軸からすればこれは逆行しているのであって…」と頭がこんがらがりそうになりながらも、なんとか着いていくことが出来ました。
話題に上っていた逆行映像…恐るべきクォリティーでした!―ホントに巻き戻る動きしてんだもんなぁ…。恐れ入りました。正直ところどころ動きのぎこちない点は感じられましたが、これまでに無かった斬新な映像に見入りました。逆行する爆発をバックに正しい時間を進む主人公…みたいな(笑)。
クリストファー・ノーラン監督作品ならではな、CGを出来るだけ使わないで撮影されたスペクタクルシーンに手に汗握りまくり!―本物のジャンボジェットが建物に突っ込むシーンが白眉!―IMAXのド迫力映像と音響によってカラダ中が揺さぶられ、渦中に放り込まれたかのような臨場感でした。
巧妙に仕掛けられた伏線が収斂していくクライマックスが圧巻でした。思いも寄らなかった真相が提示されて、一瞬どう云うことか理解出来ず、目が点に…。うぉ~そう云うことやったんかぁ~!―分かった瞬間はめっちゃ気持ちいい!(笑)。
時間と情報が全ての鍵を握っていました…。徹頭徹尾、感じるのではなく考えることが求められる作品でした…。これはノーラン監督から観客への挑戦状やなぁ…(笑)。「ボーッと観とったらアカンで!」って言われた気がしました。
でも全てを理解しようとするなら、他のレビュアーさんもご指摘されているみたいに、巻き戻し必至だなと思いました。映画館で観るに相応しいかどうか…?―ソフトや配信で、疑問に感じた箇所を巻き戻しながら観ると、より楽しめるかも…
でも映画館と云う空間を愛しているノーラン監督にしてみれば、何度も映画館に足を運んで欲しいと願っているかもしれませんねぇ…。こんな状況だからなおさら、ね。
監督のフィルモグラフィーの集大成と言っても決して過言ではない野心作だなと思いました。映像表現の幅が広がったことで、今後のハリウッド大作の潮流になりそうな予感…。本作はその金字塔として申し分無い傑作!―心して観るべし!
※鑑賞記録
2021/01/16:Amazon Prime Video(レンタル・吹替)
2021/05/03:Amazon Prime Video(レンタル・吹替)
ヤッパリ難解!
不覚にも前半30分ほど寝てしまいました(;´Д) なので後のストーリーがイマイチ頭に入ってきませんでした。
まぁ1回観たくらいじゃ全て理解するのは難しいんだろうけど…。
ただ実は黒幕の正体は主人公でした、とか過去の自分と話しちゃいけない、とかチョット古くさいかな?と思いました。
とにかくなんとも消化不良感ありありなんで今度は寝ないで観ます!
(´Д`)ハァ…
ある瞬間を起点に全てを回収していく爽快感
86本目
期待値爆上げで遂に公開された、ノーラン監督の時間の逆行を扱ったSFアクション。
前評判通りかなり難解で、途中までは一体どういうことなんだ?という展開が続くが、ある瞬間を起点に「ああそういうことね」と全てを回収していく流れが気持ち良かった。
本当に、時間が戻ると共に疑問点が回収されていく爽快感はなかなか普段感じる事の出来ない感覚だったと思う。
「逆行」と「順行」が入り乱れるアクションも見もので、何がどうなってるのかわからなくなりがちな状態でも「逆行状態はサウンドも逆再生風になる」というトラックの作り方で混乱せずに済むようになっているのがとても良かった。
(相変わらずハンスジマーの大活躍かと思いきや、ブラックパンサーのトラックを手掛けた方でしたね。ワカンダフォーエバー!)
このアクションシーンの中でも特筆すべきは、飛行機内で戦う謎の逆行男=自分と分かる中盤の逆行シーン。
つまり最初に見た順行でのアクションを逆側の視点で見せて「あぁこれは自分だったのか」と観客に理解させるシーンなわけだけど、本当にどっち視点で見ても「相手側が逆行している」ように見える映像とアクションが凄過ぎた。どうやって撮ったんだ?
それにしても今回の「逆行」と「順行」が交差する時間の描き方、「ぼくは明日、昨日の君とデートする」にかなり近い。
ノーランファンからするとそんなもの(失礼)と一緒にするなと怒られてしまうかもしれないが、そう考えるととても分かりやすいし、まだ見ぬ未来から過去へと進んでいくワシントンとニールの関係が、 とても尊いものに感じられてくる。
そんなパティンソン演じるニールがとても良くて、まさしく全てをわかっていて語らない、いや語ることのできない「ぼく明日」の愛美状態(違う)。
まだ見ぬ未来でワシントンとニールが遂に「出会う」時のことを想うとなんとも言えない気持ちになる。
これが「尊い」なのか…。
ニールがダイエットコークを勝手に注文するシーンなんかは、きっとニールが知ってる「未来のワシントン」は少し中年太りでもしてるのだろう。それを気にしてダイエットコークを頼んでいるのかと思うとなんとも可愛らしい。
そんなワシントンのキャラもとても良くて、セイターとワシントンの「どうやって死にたい?」「老衰で」という一連のやり取りにもあるように、どこか飄々とした雰囲気のワシントンがかなり好きだった。
あとはエリザベスデビッキ嬢のスタイルの良さたるやいなや。1人だけ異次元の存在かと思わせるほど。
時間だけじゃなく次元も超越するのか?と思った(思ってない)。
そりゃあ自分のものにならないなら誰のものにもしたくないよね。わかるわかる。
そんな感じでしたね。
今回IMAXレーザーとのタイミングがまったく合わず通常スクリーンで観てしまったけど、ある程度分かった状態で改めてIMAXでの上映に臨めると思えば、逆に正解だったかもしれないな。初回は予習ってか。
確認のためにもう1回行かされる、完全にノーランの策略にハマった!
*2020.9.23 追記
池袋グランドシネマサンシャイン
IMAXレーザーGTにて2回目を鑑賞。
物語の全体像を把握しそれなりに考察してからの再鑑賞は、「一体どうなってるんだ?」という気持ちを排してただ映像にのめり込むことが出来、1回目よりも遥かに楽しめた。
ノーランはつくづく体験型の映画を作るな。
TENET観るなら2回は観ましょう!
なるべくデカいスクリーンで!
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