TENET テネットのレビュー・感想・評価
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野心作ではあるが、肝心な部分を欠いた失敗作
これが本当にメメント、インセプション、インターステラーを撮った監督の作品なのか?
そんな疑問が噴出するような出来で、手放しでは褒められない作品となっていることに愕然とした。
インセプションでは一見、複雑そうな夢のルールを描写しながらも(暴走した)亡き妻の存在と決別しようとする主人公の苦悩を描いて見せ、インターステラーでは一見、小難しそうな特殊相対性理論などの専門用語を散りばめながらも、娘を想う父親の姿を描いて見せた。監督の名を世に知らしめたメメントでも特異な体質により、まるで時間が遡るかのような不思議な映像体験を演出しながらも、その実は妻殺しの犯人探しにのめり込む主人公の姿を悲しくも哀れに描いていた。
特異な世界観を演出しながらも、そこに等身大の人間ドラマを挿入することで、観る者の感情を揺さぶってきたクリストファー・ノーラン監督が最新作のテネットで描こうとしたドラマは一体、何だったのだろうか?
はっきり言って、肝心の“人間ドラマ”の部分がまったく伝わってこなかったことが、この作品が抱える根本的な失敗の原因だったと断言できる。
本作の主人公は善人ではあるが、何を考えているのかほとんどわからない。だから、感情移入がしにくい。それは劇中に登場する敵役やヒロインの存在についても同様だ。主人公の相棒となるニールの存在が無ければ、本作はかなり歪な出来になったのではないだろうか?
また、映画の世界観のルールについても、エントロピー云々と謳われてはいるが、単に物体の動く矢印が反対方向になる程度の意味合いしか無いため、そこに注力させるのは無意味と言えよう。むしろ、逆行中はすべての物体の動きや作用が反対になるというルールだけが重要で、順行中の状況下でわざわざ逆行する銃弾の説明を入れたのは混乱を招くだけではなかったかとさえ思える(もちろん、ニールのキャラクターにフォーカスさせるという意味では必要だったことは否めないが……)。
インセプションでは、新入りのアリアドネに夢のルールを説明するくだりが、映画の世界観を説明するチュートリアルとして上手く機能していたが、今回はチュートリアルの時点で説明に失敗している(むしろ、説明を放棄しているような「考えないで、感じろ」という台詞さえある)ため、余計に観る者を混乱に陥れることになってしまっている。順行状態と逆行状態を色分けしたり、音楽を逆再生させるよりも、この映画は導入部分が不親切な作りとなっているため、鑑賞者が乗れない状態のまま、気が付いたらエンディングを迎えることになってしまっているのだ。
本作はお金も掛かっており、映像面などは確かに見応えがあるが、技巧に凝り過ぎてしまった結果、肝心要となる部分を欠いてしまい、響いてくるものが何も無いため、手放しでは褒められない作品となっているのである。
コロナ禍で劇場公開に踏み切ったことは称賛に値するが、インターステラーの境地に達したノーラン監督の会心の作としては、残念な出来になってしまったと感じずにはいられない。
未来すら過去
伏線が至る所に隠されていて楽しい。
サラッと流しちゃうから、あれ?今の…って思ってるうちに回収される。楽しい。
ボートから飛び降りた謎の女性が彼女だったんだって気づいた時、泣いた。あ、この作品って泣けるやつなのかってびっくりした笑笑
「彼女は自由でうらやましい」って言っていたのが“ぐっ”ときた。
そして考えさせられるのが、「本当の自由ってなんだろう」と。人は時間からは逃げられないんだな。
「時間」を敵と捉えるか「味方」と捉えるか…。
面白いのは、この作品では本当の意味で過去に遡ることは出来なくて、単に「過去に行くという未来」しかないこと。過去に行こうが何しようが、それは未来で、「起こったこと」を無かったことにはできないんだ。
オスロに戻った時にはっきりしたのがそこで、3人目の自分が誕生していたことで、未来から来たという自分すら過去になっていたことで、いろいろと整理することができた。
要は一本の軸に沿って戻ったり進んだりしているのではなく、ジグザグと未来に向かって人は進み続けているだけなのだと。
はい、難しいだな笑笑
人生の主人公は、「今」の自分ただ一人だ!!
まとめの名言考えました笑 ださい笑笑
次はIMAXで観たいな。
余談だが、祖父殺しの理論、あれも泣けるよな
涙腺きた
クリストファー・ノーラン meets ミッション・インポッシブル
クリストファー・ノーランはこれまでも「時間」をテーマに作品を作ってきたが、本作もその系譜に連なる。
映画は時間芸術である。こうした映画の特性を活かした優れたアイディアには脱帽するしかない。
そして本作は、クリストファー・ノーランによる「ミッション・インポッシブル」のよう。
組織の一員に過ぎない主人公が、いつの間にか世界を救う闘いに巻き込まれる。派手なアクションシーン。そして敵か味方か分からない美女が登場する、というのも似ている。
まったく飽きさせないし、かつ、何が起こるか分からないので、一瞬も目が離せない。
娯楽性は十分で、たっぷり楽しめる。
加えて、特筆すべきはメッセージ性。
主人公たち3人は、それぞれ異なる背景を背負っていたが、ラスト、それぞれが自分の人生を自ら選び取る。
はじめは誰が自分の雇い主か分からなかった主人公「名もなき男」は、この闘いが自分自身が始めたものだと理解し、自らの意思で動き始める。
ニールは、死ぬことになると分かりながら、「名もなき男」を助けに行く。
「船から飛び降りた女性の自由さがうらやましい」と話していたキャットは、自らの意思で夫を殺し、そして、過去の自分がうらやんだ「船から飛び降りる女性」となる。
このように3人とも、それが自分や世界の破滅につながる危険性があっても、自分の意思による選択をおこなう。
ここにクリストファー・ノーランの自由精神が感じられる。
娯楽性とメッセージ性を両立し、かつ、誰も見たことがない映像を見せてくれた。
すさまじい傑作である。
テネットって結局何よ。
まず、観終わって最初の感想「かっこいい」笑
そして、難しいけど楽しい!!
主人公の名前いつでるんだろう?と意識しながらみてたけど、最後まで名前でない!
今、逆行なの?元の時間軸なの?ってなるシーンも多々。
そして、亡くなったはずのニールが何故おるんと。
パラレルワールドの中の生き延びたニールが過去に戻って助けたってこと?
そして、その運命を知っているかのようにニールはまた過去へ戻ると。
かっこいい...。
未来のニールはどのルートで生き残ったか気になりました。
てか、過去も未来も現在も同じ平行線で今を動いてるのがもう楽しくてしょうがない。
私の中でメタルギア の世界観とちょっと共通するものがあるのではないかなぁーと感じました!
全然理解ができてないので他の皆様のレビューを参考にしたいと思います。
インセプションほどではない、が。
インセプションほどではない、が1回目の感想。
ただ、インセプションは壮大すぎてリピートしようとは思わなかったけどこちらは謎が多すぎて、2回目見に行く気満々に。きっと評価が上がると予想。
初の4dx鑑賞、最初こそ、うおー銃撃の度にこんなに揺れるのか、酔いそう。。と思ったけど、そのあとは自然に楽しめてた。首元を風が掠めて銃撃に合わせるのはひやっとして楽しかった。IMAXの方がオススメという記事もあったので2回目はIMAXにしたいなあ。
その他の感想と解決してない疑問
-主人公に名前がないことに終わるまで気づかなかった。
-逆行してるのに普通に会話できるのが謎で、よくわからなかった。
-キャット、背たかっ!
-主人公がなんと言ってキャットに携帯渡したのか忘れて気になってたけど、ただなんかあったら、だけだった模様。そしてその記録をどう使うのかよくわからなかった。逆行して助けに来たなら、順行に戻しても未来には戻れないんだよね?すると、自分が二人いる世界にとどまるしかないんじゃないの?
-逆行してオペラハウスの時間まで戻ったってことは1週間くらい?逆行で過ごしたってこと?その間酸素供給しながら飛行機乗ってロシアまで行ったの?できるの?
-未来の自分がボスなら、ニールが死ぬと分かってて送り込んだの?なんかアドバイスなかったの?
分かったようで、分かってない…
観る前から難しいとは聞いていたが、やっぱり分からない。パティンソンはこの先どうなるの?死んだのに未来はあるの?、撃たれたデビッキは死ぬはずなのにこの先生きられるの?未来を変えたってこと?等等。。しかし、全部分からなくても良い位、ノーラン監督の今まで見たことないド迫力映像、大音量、冒頭から息つく暇ない展開にやられた。ストーリー自体の緊張感と、分かろうとし、映像を汲まなく見ようとする緊張感で疲れました。何となく、未来から指令を出したのは本人だとは感じていましたが。もう一回見てもわかるだろうか。。デンゼル・ワシントンとはあまり似てない、ケネス・ブラナー久々に見た、デビッキはデカイ。
ノーラン監督の怪物作品
まず、難しい。
時間を進んでいる人と逆行している人が入り混じっていて混乱する。
さらに、逆行の逆行?をして時間を進んでいる人もいる。(未来人的な)
ニールが死んだのは逆行の逆行の逆行中ってこと?
初めの方に出てくる黒いマスクが自分達である事はすぐに予想がついた。
黒幕が未来の自分であること、キャサリンがセイターの浮気相手だと思っていたのが自分であったこと、ニールが未来の自分が雇った者であることなど、最後まで見なければ分からないことが多い。
私はすんなり仲間になったニールがずっと怪しいと思っていた。謎の仲間を連れていたし。ごめんよ、ニール。
最後まで見ても理解できない部分が多く、見終わった後に「?」が頭を巡る。
これは最低でも3回ぐらい見ないといけない。
映像の綺麗さ、リアルさは言うまでもなく最上級。
時間を進んでいる人と、時間を逆行している人が戦闘しているシーンなど、両方の視点から2度映像を流している。つまり、どちらかが逆再生なのだろう。撮影がいかに大変であったか計り知れない。この映画を作ったノーラン監督はやはり凄いとしか言いようがない。
1度見ただけではまだ完全に理解できていないので、評価は4.5としておく。
3回観てようやく納得?
初見はなんか、ノーランらしい凄い画と音を楽しんだような。取り敢えず、ノーラン監督がビッグバジェットならではの映像体験。なりほど、コンサートホールの観客全員が眠り込んだ中での銃撃戦、画になる海上の風車に逆バンシー、大型飛行機大爆発に大型クルーザーにヨット。これでもかこれでもかの楽しみ詰まった画面に拍手喝采!無論、007のようなことは言うまでもありません。それに加えて、時間のなんたら…。
初見では全く理解できませんでした。しかし、2回、3回と観ると…。なるほど、あれはそもそもそのために空港に行ったのか、あの伏線はこれで回収されるのか、と言った具合に少し理解出来ました。あとの辻褄は…。
もうどうでも良いです。合うはずもないのですから。どうせフィクション、映画なんですから。
でも、3回観てもあれこれ矛盾点等、考えて楽しめるとってもお得で楽しい映画でした。ノーラン監督はインターステラーのドッキングシーンが大好きだったのですが、これでもか、これでもかのケレン味たっぷりな楽しい映画、ありがとうございました。
ところで、これまでずっと一緒にやっていたハンス・ジマーとは決別してしまったのでしょうか?
時間の概念
「メメント」はちょっと違うかな
「僕はあす昨日の君とデートする」に近い感じ
それを100倍くらいに濃縮して、物理をこれでもかと詰め込んで、ある男の原点を現していくという、エンディングにしてスタートの物語
面白いけどインターステラーやインセプションのような、見た後に???が残って、二回目に見た時に色んなヒントが散りばめられてることに気付く
アクションシーンを同じシーンで逆視点で逆再生のように表現して、なおかつそれが本編の重要なシーンなんだから、本当にこの監督の頭の中身を見てみたい衝動に駆られる
とりあえず見た後は「フッー!」とひと呼吸置いてから考察開始してください笑
時間が兵器
「時間が逆行する」という言葉が印象的で興味を持ちました。逆行が兵器っていうのが怖いと思いました😱過去から来た敵なのか未来から来た敵なのか…未来の自分と知らずに戦ってたり。
ニール役の人かっこいいと思ってたら、トワイライトの人だったんですね。人類滅亡とか、そんな知らない所で使命受けてるとか申し訳ない気持ちになりました。
残酷なシーンはなかったけど、残酷なシーンを想像できる場面が多々あって、ドキドキしました。
ちょっと理解につまづくと、容赦なく置いていかれる。
面白いし、設定や発想が凄い!!
と思うんだけど、すぐに理解できないやつは置いてくから、って感じで話が進んでいくので、あんまり考えすぎない方がいい。
映像もスタイリッシュだし、やっぱりノーラン監督のリアリティ、凄い。
反面、これを面白く思えないとバカ、理解できないとバカ、みたいな空気がある気がする。
観る人を選ぶ。
冷静に考えると「それってどうなの?」というところもある。
あのスピード感と複雑さで、細部の設定をけむに巻かれてても分からなそう。
怒涛の展開なので疲れたし、音楽もうるさくて、あんまり好きじゃなかった。
俳優陣は若手からベテランまで演技派。
デッキに塗られた日焼け止めで、ぬるっと海に落とされるケネス・ブラナーに笑ってしまった。
「悪魔はいつもそこに」という映画でのロバート・パティンソンがイヤな役を怪演してて、あまりに上手いので嫌いになりかけていたけど、今回の不思議な淡々とした独特の空気感、とても良くて、いい役者だな、と思う。
難しい
冒頭から内容の難しさに頭を抱えていました。
始めの部分から誰が悪いやつでいいやつのが分からず、困惑していました。
時間を行ったり来たりする事が出来る兵器によって世界が壊滅の危機襲われる。
それを食い止める為に主人公達は、ボスを倒しにいく。
ざっくりとした内容は、こんな感じなのですが、
誰が?どのタイミングで?今いるのは、どっち?
と考えさせられる事が多い映画かなと思いました。
ただ、一つ印象に残っているのは、主人公の相棒が言った「起きた事は、仕方ない」というセリフです。
変える事が出来ない事に対して考えていても変わらない。なら、これから先を作っていけばいいじゃない。
そんなポジティブなワードに聞こえたからです。
物事の見方を変えて見れば今まで違った見え方があるそんなメッセージ性を感じさせられました
出会えてよかった
心の根底を揺さぶられるような興奮!
どうやって作ったの?と思わせる映像、気持ちが高ぶる音楽、そしてエリザベスデビッキの美しさ。
アクションが凄かったですが、私が一番好きなのは、キャットが船から飛び込む女性を見て、あの人のように自由になりたいと嫉妬して、その伏線が回収される場面です。努力して闘えばなりたい自分になれるんだと勇気をもらいました。
壮大な物語ではあるが、ラストシーンがキャット親子の後ろ姿で終わるのが素敵だと思いました。
この作品に出会えてよかった‼️ノーラン監督、コロナに負けず、また素晴らしい作品を届けてください。私たちノーランファンは絶対映画館に行きます。日本の映画館に届いた直筆の手紙も粋過ぎます。本当にありがとうございます。
説明不足を楽しむファンタジー映画(ハードSFではない)
やっと時間がとれて、公開3週目に観ることができました。
間違いなく、観て損しない快作でした。
前評判で囁かれていた、小難しさも感じませんでした。
「時間を逆走できたらどうなる?」がテーマのワン・アイディアSF。
主人公(Protagonist)が、対消滅のリスクを伴いながら、過去の自分と格闘するシーンは、めっちゃハラハラしました。
キャット(Kat)が羨んできた女性の正体が明かされる終盤も、お洒落でした。
ただ、ミステリなら本格派、SFならハードな展開を期待しちゃう性としては、結構大事な設定の説明不足ぶりには、少し戸惑いました。
2点に分けて記載します。
1. 回転ドアの使用タイミング
世界観のルール説明がほぼない本作ですが、その詳細が次第に明かされていく(忖度していく?)過程もサスペンス感を高めることに貢献しています。
ただ、回転ドアを使って時間を逆行している最中は、外気で呼吸できず、動きも言葉も逆行してしまう事は明示されています。
ですが、1度回転ドアを通った主人公やキャットが、野外でマスクを付けず、過去の住人と普通の会話してるシーンがいきなり展開する。
どう考えても、再び回転ドアを使って、時の流れを戻しているんでしょうが、その説明が言葉としても画としても全く無い。
「分かるよね」ってことなんだろうけど、1度でいいから、その説明が欲しかったです。
そうとしか忖度しようがないので省略したのかもしれないけど、世界観の厳密なルールを知らないこちらとしては、今遡ってないの? それても会話してる相手も遡りちゅうなの? と困惑させられました。
2. 空気の供給源の謎
前述の通り、回転ドアを通り、時間を逆行してう最中は、外気で呼吸できないことは、明示されています。
これは、通常なら肺胞で血液に溶ける酸素が、分子運動が真逆の血液と酸素では噛み合わないからでしょう。
なので、マスクが必要。
あるいは、密閉された室内には、時間逆行してる空気が充満しているようで、マスク無しでも大丈夫?
ただ、その空気はどうやって供給されるの?
空気も回転ドアを通せば、呼吸につかえるでしょう。
ただ、何日も何週間も逆行しつづけるなら、相当量の酸素が必要。
それに最も胡散臭いのは、マスクこそつけるけど、大きな酸素ボンベを背負ってる気配がないこと。
ってことは、これまた都合よく忖度すると、おそらく空気や酸素だけは、回転ドアなしで時間を逆行させらるフィルターのようなものがあり、しかもその装置がめっちゃコンパクトだということ。
これも、できれば1カットでいいから説明が欲しかったです。
ちゃちいマスクつけときゃそれっぽいでしょという感じの処理が、若干情けなかったです。
と、杉下右京のように細かい事が気なる悪い癖がある自分は多少困惑しましたが、そこら辺は"Don't think! Feel."の精神で、充分愉しめます。
それ以上に問題だったのは、直前に「ナイル殺人事件」のテザーがながれたので、序盤 Kenneth Branagh がポワロにしか見えなかったことです。
映画は映画館がやはり良いですね!
久々の久々にIMAXでの鑑賞!
うん。この没入感。時間逆行ものと聞いてどうせ混乱するなら映画の中に入り込んで翻弄されたいがためにIMAX。結果正解!
通常の時間軸に時間を逆行して進んでいるやつがいる。
まずこの一見だれでも一度は考えそうな内容で世界規模の危機がからんでてと設定だけとったら思いつきそうなもんですが…これを荒唐無稽に落とさないで話に引き込ませるのってすごいと思うんですよ。映像技術が進化したとはいえ実際にやろうとすると相当練り込んで作らないと観客を混乱させるとこまで持っていけない。ちゃんと前後が成り立っている脚本と映像がまず凄い。
そしてそこに魅力的なキャラクターにハマりまくったキャストがいて心理描写もしっかりして、スパイものとしての命がけの脱出劇やカーチェイスを大掛かりなミッション込みで挑んで…こんだけ盛り盛りで話に寄り道間も出さず緊張感キープしつつで集中力を切らさない展開で…ほんとにこの監督妥協がないのか???こりゃもうお腹いっぱいです。
時間ゲートの出入りのところ、片方に自分が映っていなければ生きて帰って来られない設定すごく効果的でした。
始めた時には結果が見えていて起点と終点が同じところで前後入れ違っているシンプルなトリックだからこそ同じ時間に同じ人物が入り乱れて次に何が起こるか分からない面白さと2度見たときに混乱がスッと解ける面白さがあると思います。時間はイレギュラーだけど始まる場所が縛られている事で混乱させつつも分かりやすい流れが出来ているのが凄いし物語の進行に合わせて段々複雑さが増していくところもめちゃくちゃ上手いと思います。
俳優陣もめちゃくちゃ魅力的でしたね。
主人公と相棒のニールもお互い謎めいてるのに信頼にたる雰囲気が出ていて何ともカッコ良いし、ヒロインの恐怖に向き合う美しさは抜群でした。そしてあの悪役…背景がしっかりしているからか迫力と揺るがない冷徹さが存在感抜群でこの地に足ついてる感が見えない敵の存在を確固たるものに変えていると思います。
勢いで褒めすぎた。でもスクリーンで久々に新作を見たのだから良いのです。
映像を楽しむ作品か、と。
もう公開からだいぶ経っているので、ネタバレでもokですかね。
ストーリーを簡単に言えば、007シリーズです。ボンドはポリコレの関係で黒人が演じます。ボンドガールは初の子持ち人妻です。しかも敵キャラの奥さん。でもポリコレなのでボンドはプラトニック。フリンはいけませーん。
007なので当然、敵は共産主義の末裔でテロリストです。あ、アストンマーチンの協力が得られなくて、ボンドカーは無しね。で、当然ボンドは国と世界を救うのですが、何故かCIAです。で、Mはインド人のおばさんになっています。やっぱ世界最大の映画大国ですからね。
ここまでは簡単で、今回の赤いお友達は、時間の流れを変えることが出来るんです。さー困った。けど、ボンドが知らないところでちゃんと研究されていて、こちら側も時間を操ることが出来るんです。途中から味方になる金髪イケメンが黒人ボンドを助けてくれます。
で、最後は地球を滅ぼそうとする赤いお友達をボンドガールがやっつけて、赤いお友達の陰謀も金髪イケメンと黒人ボンドが未然に防いで、ハッピーエンド。
という基本線を抑えて、あとは時間逆行の映像を楽しんで観れば良い映画でしょう。物語も前半は時間に順行して、その時に?って部分が後半の逆行部分で伏線回収される、という組み立てになっています。繰り返しているとか、ループしている、と思う人がいるかもしれませんが、そうではなく、主人公たちは未来へ進んでいるのに、周りが過去に遡っている、という世界観です。
あまりたいしたSF設定がある訳でもないので、何故時間逆行が起きるのか、どういうルールで逆行するのか、といった設定を掘り下げても仕方ない。途中までは回転ドアみたいなので順行と逆行が入れ替わる設定だったが、ラストバトルは「赤チーム順行、青チーム逆行」って勝手に選択でき、「途中で逆行から変わってきたわ」とかいう奴も出てくるので、その設定も反故になっていたり、です。
じゃあ何を楽しむかと言えば、映像。順行と逆行が同じ画面で展開したり、カメラを逆回転にしているだけでなく、演技で逆行を表現したりしている映像を楽しむ映画ですね。こんな映像撮りたいな〜、じゃあストーリー作ろう!って順だと思います。
こういう設定やストーリーが楽しみたければ、数年前にやった邦画で「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」をお勧めします。本作のようなリアルタイムで時間逆行ではないのですが、とても綺麗に騙されます。なかなか良くできた話ですよ。
まあ本作で考えさせられるとすれば、あの金髪イケメンは、人妻ボンドガールの息子でしょ?で黒人ボンドが「俺が黒幕だ」と言っているように、未来の世界で過去改変を阻止すべく、大人になった金髪イケメンを過去へ送り込んだ訳だ。
それって、未亡人になったボンドガールと結ばれて義理の父親になっていたとしたら「母親と俺を救う為に過去へ行け!」と言ったのかな〜。
若しくはボンドガールとは結ばれず、偶然、大人になった金髪イケメンがCIAに入り黒人ボンドの部下になる。で、テメエのキチガイ親父の始末を息子のお前がとってこい、と送り込んだのかな〜。
いずれにせよ金髪イケメンの顛末を知った上で送り込んだ訳だから、黒人ボンドも非情だよね、と。
出来の悪いマトリックス
出来の悪いマトリックス(=人間ドラマがなくて、映像が面白いだけ)。
出オチ感が半端ない。始まりはスピード感があって、どうなるんだろう?とわくわくしたけど、「祖父殺しのパラドックス」と言っていた通り、時間遡航?が出てきだすと、つじつまが全く合わず面白くないし、話を複雑にしすぎて分かりづらくつまらない。
筋はわかるし、伏線やニールと主人公の関係もわかるけど(自分の理解が及ばな過ぎてつまらないのかと思ったが、説明や分析をしてくださっている方の解説を読んだところ理解はあっている)、ストーリーや仕掛けはめちゃくちゃ。
人間ドラマもない。主人公がキャットに惹かれてるのか?も分からんし(なので、主人公がキャットを助けるためだけに危険を冒すのも分からん)、悪役も未来で天災などがおきまくり自分の余命が短いからって何で過去を全滅させるとこまでするのかもわからん。
ネタ(時間遡航&挟撃作戦、逆戻し映像)と小ネタ(TENETが回文だとか、その石碑に記されている文言が全部出てるとか)の謎解きをオタク的に追及するのが楽しければいいけど、映像が面白いネタ映画。
クリストファー・ノーランは「ダンケルク」で映像すごいな、と思ったけど、本作も映像面白いのとニール役のロバート・パティンソンがカッコいいくらいかなあ。
IMAXで見た映像が面白いから金返せとまでは思わないけどつまらない。
難しい!けど楽しめた
一度見ただけでは何が起こっているのか全てを理解することはできませんでした。
しかし、冒頭のオペラハウスでの戦闘シーンで一気に引き込まれ、その後の逆行する人との戦闘シーンや、順行する人達と逆行する人達が入り混じる戦闘シーンなどは今までに見たことがなく、十分楽しむことができました。
何が何だか??
大分、公開から経ちましたが、漸く鑑賞。
IMAXで観たので迫力は最高。
内容は、???
「一回観ただけじゃ解らない」との評判通りで、進行と逆行が同時の為、観たシーンに戻っていくというややこしさ。
なのでさっきのあのシーンの?の部分は「こういう事か。」となるわけです。
が、しかし!(理解しきってない前提です。)
字幕だから理解し切れてないのか、最初第3次世界対戦防ぐとか言ってましたが、ラストは、末期ガンで自暴自棄になったセイターが世界巻き込んで自爆するのを防ぐ戦いとなってません?しかも「戦争か!」と言うぐらい激戦に、何故?。
要するに肝心要の部分をセリフでパッと流し、舞台となる場所で大アクションとなるので(しかも進行と逆行を同時で。)
概念の難しさと映像のややこしさで、大雑把にしか把握出来ない。
それが売りだと言われればそれまでですが。
時間が、逆行する装置(回転ドア)が都合よく有りすぎる気がするんですよ。
後、進行する時間の中を逆行するという設定ではあるんで、どの程度まで遡っているのか、遡れるのか?どうやって元の時間軸に戻るのか?。
時間の逆行とタイムトラベルが、ごっちゃになってません?
ヒロインのキャット、自分が不倫して夫に贋作売り付けて弱味握られ、嫉妬に狂ったDV夫に子供の為に耐え忍ぶ?
同情出来ないと言うか、そもそも人物描写が全体的にあっさりなので、主人公のキャットへの愛情?とかニールの友情とか弱く感じる。
解りづらいのが、核と逆行物質の関連。
核は、逆行物質(バラせる鉄の棒みたいなヤツ)へのミスリードでいいのですかね?
個人的な感想ですが、時間の進行と逆行を同時に見せる事に注力し、設定の詰めの甘さがあるように思えます。(理解出来ていないだけ?)
アクション無しのサスペンス主体のスパイものでやった方が良かったかと。
長尺の映画、理解するために2度も3度も観れませんよ。お尻が痛い(笑)
タイトルの意味
全体的にはまだ理解できていない!
ネタバレもレビューも読んでない。
ただタイトル TENET が意味することはわかった気がする。
ten minutes と ten minutes の挟み討ちということね。
知らないことが武器だ、的な意図もざっくり理解した。最後とか特に知ってるときれいに挟み討ちできないのね。
しかし記録と記憶と知識がそれぞれ時空の中でどう残って残らないのかの区別がしきれなかった。特に記録は意思がなくて客観的で、それが時間の地図的な役割になってるのかな。
解けてない謎
・最初のホール襲撃後のこの男じゃない、的なセリフの意味。
・歩きながら街道を話しているときにつけていた車。
・高速道路逆行から爆破後助かったのは凍ったからであってる?セイターなぜそれを放置した?
・3時間後に死んじゃいそうな状態で逆行したらなぜ助かる?
・場面の時系列→向きと←向きの場面で戦場がちょうど真ん中?
・逆行の時どうやって演技してるん????
これだけざゃなさそうだけど、この話を考え切れて作りきれるクリストファーノーラン恐ろしや。制作にあとから加わった人はどうやって理解したんだろうか。理解せずにただ役割を果たしたのかな。
映画館出た時に下界が逆行してないか不安だったし足取りおぼつかなくなった。
これからネタバレ、考察読んでいろいろわかったら評価上がりそう。
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