TENET テネットのレビュー・感想・評価
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う〜ん。もったいない!
う〜ん。とにかくアイデアはいい。斬新な映像体験もいい。
しかしSF的な設定が諸々と中途半端。
ストーリー展開も途中までイイ線いってたが、結果イマイチ物足りず。
残念なことに傑作とはいえない。
色々と複雑に作り込んだプロットを独自の決定論的な世界観でフィックスさせたように見えるが、諸々ツッコミどころも多すぎて、結局は最後「う〜ん。もったいない!」となってしまう映画だった。
アイデアはとてもいいが、脚本の詰めが甘いのは「メメント」の頃からなので、今に始まったわけでもないが。
結局、未来の人類(現在ではなく未来がポイント)は、壊滅したのか?それとも意外にも救われたのか?
主人公のミッションの本来の起点は何だったのか?
どれも明示させない終わり方だった。
主人公たち「TENET」のとった行動が、時間を逆行させたい未来人にとっては、やはり余計な事だったのか?意外な展開へ繋がる布石だったのか?
これがオープンエンドでクローズだと、結果、ストーリーとしては物足りなくなってしまう。
ノーランとしては、まさに「ここから先は、観たあなた方が考えてくれ」という事かもしれないが。
だとすると例えばの話。
映画の中では「マクスウェルの悪魔」について語られてないが、エントロピーの減少によって時間の逆行が可能になったのであれば、「マクスウェルの悪魔」が存在した事になり、つまり未来の科学者が「永久機関」を発明した事にもなる。
であれば「永久機関」により、エネルギー問題は解決されて、地球環境は健全な状態となるはずだ(しかし、未来では地球は壊滅的な状況らしい)。
仮説としては、エネルギー産業が不要となっては困る支配者たちが「永久機関」を動作させないよう封じ込め、最高機密としてきたが、とうとう終末が近づいて来た為「永久機関」は使わずに、時間の逆行のみをセイターに指示した。
しかし「永久機関」を動作させたい連中もいて、彼らが「主人公」にミッションを与えた。よって、そんな経緯もあっての未来人による代理戦争であった。
といった辺りは考えられるので、
最後の方で理不尽な死に方をしたプリヤも実は、セイターの後継者として敵側に寝返っていた(後々の子孫が支配者階級になっていた)という事であれば、割とシックリきたと思う。
とまあ、色々と妄想する事は出来るが、
実際、主人公のミッションの本来の起点において、一体何が起こっていたのか?
ほぼ誰でも類推できるくらいは明示して欲しかった。
主人公が相棒のニールと別れるシーンも結構いい線いって泣けるのだが、
決定論的な世界における「意志」をテーマにしている以上「予め決定された世界における各々の自由意志とは何ぞや?」という明確な問いかけが必要というか、
暗示的な問いかけに対しては、ニールも答えてはいるのだが、
口癖だった「What happened is what happened」や、別れの台詞における「カサブランカ」のパロディだけでなく(またセイターの妻のキャットが嫉妬した自由な女は、実は自分だった件だけでもなく)主人公たちの主意主義的な行動の必然性は何だったのか?
それをまさに「Tenet」本来の意味ともリンクさせて、
あるいは、ニーチェの永劫回帰の世界、終点のない円環世界ともリンクさせて、もっとビカッと明示的に踏み込んだ方が、観ている方もスッキリ分かりやすくなって、映画としてもカッコよくなった気がする。
暗示的な方が、いくらでも深読みは出来るので、観る側にとっては楽しみが続くと言えなくもないが。
そしてノーランは、ストーリーとしてのカタルシスにも興味はないようだ。
何故なら彼自身が日頃から、小説などはラストから逆行して読んでいくからだ。
まるで「メメント」のように。
当然これでは、カタルシスは体感できるわけもない。そんなことより「何故そこに至ったのか?」その経緯や理由を知ることによって、より深く作品を味わっているらしい。
まさに今回の映画も、そんな男が作った内容で、人類の滅亡を危機一髪で救う話なのに、カタルシスが物足りないというか、そもそも重要なのはカタルシスではなく「何故そこに至ったのか?を知る」ことになっている。
つまり時間の逆行(或いは順行)を繰り返す事によって、最も重要なポイントが「何処にあったのか?」を知り、最悪の事態を未然に防ぐ為に主人公たちは行動する。
敵も時間を逆行できるので、「敵が何をしたのか」出来るだけ多くの出来事を知っていた方が勝ちとなる。
結果には必ず「その前に」原因があるからだ。
そして「本来あるべき事」をなぞるように行動することによって「本来あるべき世界」を「過去の連続によって」現実に作り出し、歴史は破綻を起こさず、今の世界(未来でなく今!)を救うことになる。
それは結果「何故そこに至ったのか?を知る」ことになり、それは冒頭のシーンにも繋がり、時系列がループ状態で循環している。
この設定自体は、とても面白いのだが、そもそも、時間の順行と逆行が行き交うストーリーの為、頭の中が混乱する内容となっている。
よって重要なポイントは、もっと分かり易くすべきだが、敢えて一回観ただけでは分かりにくい編集で仕上げたようだ。
その術中にすっかり嵌まって、二日連続で観に行ってしまった。この作戦で収益は単純に2倍あるいは3倍なのかと思うと、ちょっとイラついてもくる。
冒頭の方で主人公を助けるシーンから、リュックにぶら下がっていたストラップのコインにしても、もっと分かりやすく比喩的なモチーフにすべきだ。
逆走のカーチェイスで、車3台が並んで、順行の主人公が逆行の主人公の車へアルゴリズムを投げ込む(フィルム上では逆行の車の後部座席から順行の車の方へピョンピョンとアルゴリズムが戻る)シーンにしても、敢えて極端なスローモーションにした方が、異次元の世界を効果的に演出できて、観る側の方も随分と分かりやすくなったはずだ。
ただでさえ複雑なストーリーゆえ、こういった直観的な分かりやすさは重視して欲しかった。
最後の方で、逆行のニールが鍵を開けるシークエンスも不自然だったが、
結果ボルコフに撃たれるとしても、鍵を開ける直前に暗がりからボルコフは撃てたはずだ。
それに鍵を開けた直後も撃てたはずなのに、主人公とボルコフが必死の格闘中の最中、アイブスが入って来るのを待って扉を開いて突っ立ているだけだ。これじゃ、まるでお笑いコントだ。
それに立ち去る(ニールとしては助けに向かう)シーンも逆行なのだから、背中を見せて走り去ってしまっては、演出として明らかに手抜きにしか見えない(スタッフかキャスト誰か一人くらい気づけよ!)
ここはニールが死ぬ運命であるがゆえ、最も重要なポイントなので、不自然には見えないよう、ここでのシークエンスは手を抜かず本気を出して欲しかった。
時間の逆行と順行の色分けも「マクスウェルの悪魔」の説明などで使用される配色そのまま流用しているようだが、
順行は赤でなく、グリーンの方がピンと来た筈だ。
グリーンは「本来あるべき状態」や来るべき世界への前進性(若葉や新緑など)のイメージもあり、道路の信号機の青の色も実際はグリーンだ。
赤は、突破力や推進力もイメージさせるが、緊急事態や攻撃性のイメージの方が強い(それくらい『順行』は人類にとって危機的という暗示かもしれないが)
逆行の方も、ブルーよりオレンジの方が良かった。グリーンと対称的な補色関係にあるとも言えるが、夕焼け色は郷愁を誘うので、時間の逆行にも合っていたはずだ。
ブルーは逆行というよりも、停滞や内省または深層心理などをイメージさせる。
そして、色々と考え抜かれて基本設定を作りこんでいるようで、所々で詰めの甘さがあるのも興醒めだった。
あの逆走カーチェイス直前のルール説明のとおり、順行の世界の粒子との衝突により、対消滅の危険性もあるという設定であれば、いかなる場合も防護服&フルフェイスのヘルメットを装着しないと対消滅は起こるはず(逆行物質=反物質であれば)だが、主人公もセイターも酸素マスクしか身につけていない。
あれでは、逆行状態で歩き出した瞬間、水爆以上の大爆発だ。
というか、最初の方の研究室のシーンで逆行弾を撃った瞬間、いや逆行弾が剥き出し状態であれだけ雑に大量にストックされている時点で、既に原爆の千倍以上の爆発で吹っ飛んでいる。
正体不明の逆行物質を解明中の研究室であれば、対消滅が起こらないように強力な磁場エネルギーで反物質を閉じ込めているなどの設定にしないと、これでもう「子供騙しかよ」となってしまう。
これも中途半端に対消滅なんて科学用語を出すからだ。
そこで、ふと気付いたが、あの研究室は本当は研究室ではなく、未来の主人公が過去の主人公に逆行の世界を体感させる為に作ったショールームという設定なのかもしれない。そうでも考えないと本物の科学者が、あんな無防備な環境(片手だけゴム手袋!→たぶんコクトーのオルフェのオマージュ)で反物質かもしれない逆行弾の研究などするはずもない。
もし仮に逆行の状態において、逆行物質が、反物質でも正物質でもなく、中間の物質となって、対消滅が起きないというマンガみたいな設定であったとしても、逆走行に利用したSaabは、順行世界の車なので、爆発の後に車ごとの氷漬けはありえない。
というかエントロピーの減少であれば、炎は収束して元の温度に戻るだけだ。炎が氷となる設定自体がヘンテコすぎる。
中途半端な似非科学な設定などしない方が、よっぽど良かった。
知識があれば論理破綻が起きてシラケてしまうし、知識の無い人にとっては難解か不可解になるだけだ。
似非科学でも破綻が起きないように架空の設定を徹底できれば良かったのだが、それが出来ないのであれば、潔く科学的な設定など放棄して、もっと荒唐無稽に徹すれば良かったのだ。
つまり、この映画にとって重要なのは、量子力学を完全に無視して、完全に決定論的な世界、それは完全な時間の対称性が成り立つ世界、そんな荒唐無稽な世界さえ出来上がれば良いのだから、ヘタに物理理論を振りかざした中途半端な設定はせず、せいぜいエントロピーの減少を匂わす程度にしておけば良かったのだ。
エントロピーにしても、研究室のシーンで、あの科学者は丁度コーヒーポットを持ってたのだから、カフェ・オ・レでも作って、エントロピー増大の話でもして小学生でもイメージ出来るようにすれば良かったのだ。
あと、逆行の会話が逆さまに聞こえるのであれば、テープの逆回転のようになる筈だが、不鮮明に聞こえるだけで、そうには聞こえなかった。
他にも色々とツッコミどころはあるが、所詮は子供騙しに、いちいち取り上げるのも不粋というものだろう。この映画の本質とも殆ど関係ないし。
そもそも物理学的に全く荒唐無稽な設定なので、シラケること自体がナンセンスかもしれない。
それにノーランは昔から、007が大好きなので、アクション映画に御都合主義は付き物と思っているのかもしれない。
もう10年前の「インセプション」も007大好き&御都合主義な映画だったし。
しかし、所詮は娯楽とは言え、似非科学だろうが、荒唐無稽な与太話だろうが、フィクションとして首尾貫徹した物語を始めたのであれば、その虚構が崩れ落ちるのは絶対に避けるべきだ。
せっかく今どき徹底的にCGを嫌って、リアルなスペクタクルを作り出せる稀有な映画作家なので(あんな飛行機の爆破シーンを全て実写で撮れる監督なんて、もう他にいない!)今後も派手な映画は作り続けて欲しいが、色々と作り込んだ設定が途中で綻んでしまうくらいなら、もう複雑プロットのSFモノは一旦休止して、もっとシンプルな設定の方が良いと思う。
出来れば「ダークナイト」のジョーカーみたいなイカれた男の話が良いと思うが、もうヒース・レジャーのような末路はやめて欲しいので、ちょっと微妙なところだ。
何はともあれ、CGが大嫌いなノーランには今後も期待したいので、もうこの先、子供騙し&御都合主義だけは、絶対に避けて貰いたいのである。
予想通り難解な映画
観る前から期待する半面、嫌な予感もしてたんですよ。ノーラン監督だし、予告観る限りどうせ理解するのが難しい話なんだろうな~と思って観たら予想通りでした。
タイムスリップものは数あれど、「逆行」という今までにない斬新な切り口で時間移動を描いてるのには感心しました。ただ、全体に説明が少なすぎて、今何が起きているのか、これから何をしようとしているのかを理解して話についていくのに精いっぱいで疲れました。1から10まで説明しろとは言いませんが、もう少しやりようがないものか。
逆行にしても、なんだかすごいことが起きてるのはわかるけど、完全に理解できなくて終始もやもやしました。なんか勢いに騙されてる気がするというか、疑問点があっても理解が追い付けていないからうまく言葉にできないというか...(ヒロインが撃たれた時、逆行して傷が治ったのはなぜ?傷が治るってことは肉体年齢も逆行するってこと?主人公の相棒は未来から逆行して現代にやってきたわけよね?現代の主人公に出会うまでの数年間(数十年間?)ずっと逆行の世界で待機してたわけ?どうやって順行に戻ったの?逆行中は酸素マスクがないと空気が吸えないみたいだけど、逆に酸素マスクの空気なら吸えるのはなぜ?とか。高評価をつけてる人はこのへんもちゃんと理解できてるってことですよね?尊敬します。)
主人公もエージェントとはいえ、あらゆる事態に冷静すぎ。時間の逆行、タイムスリップよ?もうちょっと驚こうよ。
インターステラーやインセプションは面白かったのでノーラン監督の次回作に期待します。
これは細かな設定作り込みが為された?実験映画
見ている時は??で、見終わったじわーっと面白みが伝わる映画ですね。あたかも自分も映画の記憶を遡って時間逆行しているような?
ただ、わからないのは①セイターの若い頃に契約書渡したのはどうやった?何十年も時間逆行し続けた物や人がある前提?
また、セイターが悪役になりきれない良いおじさん笑顔で、キャットが美人だが復讐顔でない感じがなんだか気になった。
面妖な007もの
ターミネーターやバック・トゥ・ザ・フューチャーなど時間操作をテーマにした娯楽大作はもはや出尽くした感があるので新しいアイデアをひねり出さなくては気のすまないノーラン監督には気の毒に思えます。そこで思いついたのがアナログ的な逆回し、TENET(信条)は謎の組織名、逆から読んでもおなじ逆さ言葉・・・。
エントロピーが何とかと言っていましたが所詮SF、視覚的には逆回しだしマシンも回転扉もどきと極めてシンプル、ノーラン監督定番の人の心の闇問題も今回は控えめだし、別人のような作風の変化に驚いた。
プロットは過去を消滅させる未来人の陰謀を元CIA工作員の主人公をスカウトしたTENETのメンバーたちが必死で阻止する活劇だが、過去を壊滅させたら未来は再生できるのか素朴な疑問、劇中でもパラドックスとかパラレルワールドとかはぐらかしていましたね。
未来人が出てくる訳では無く手先となったロシアの武器商人が敵役、その妻が味方するあたりも往年の007と似たようなティスト、訳の分からないセリフで煙に巻くのはいつものことなのでさして気にならなかったが2時間半の長尺は流石にかったるい。
まあ、派手な爆破シーンやカーチェイスなど予算タップリな視覚効果なのでそこは見どころでしょう。
映画の見方が変わる作品
近年,連続ドラマやゲームといった競合メディアの発達によって,映画はそのアイデンティティをどう持つかが問われているのではないかと感じます.
言うまでもなくクリストファーノーランはその命題に対しての挑戦し続ける素晴らしいクリエイターで,TENETはその情熱が滲み出る作品だと思います.
おそらくこの先映画は,早送り的作品もしくは続編前提での作品といった商業的作品と,俳句や短歌のように尺を美しく用いる芸術的作品に二極化してゆくのではないかと感じていますが,クリストファーノーランは商業性と映画の尺を活かした芸術性の両立を目指すイノベーターなのではないかと思います.
時間的挟撃がテーマの本作品はまさに2時間30分を双方向的に利用した作品で,例えるならゲルニカのような大きな絵画のごとく,隅から隅まで舐め回すように鑑賞することができる作品です.
そもそも映画ファンの方の中ではそうした映画の楽しみ方が一般的なのかもしれませんが,自分にとっては改めて映画の楽しみ方の気づきになりました.
その観点ではメメントからクリストファーノーランのやりたいことは一貫しているように思えますが,最新の映像技術でエンターテイメントとの両立がどんどん進歩しているように思えます.次の作品が楽しみです.
追記:本作品,音楽がハンスジマーじゃないんですね,Ludwig Goransson,若手なのにすごい…!
これはわからない、でいい
しょっぱなからわけがわからない映画だった。
ノーラン監督作品は初期の
メメント
もさっぱりの内容だったが、これはそれ以上でしたね
だいたいにおいて、単なるタイムトラベルでなく、逆行している物や人それが普通に動いているのと同時?に見せているという
あまりに意味不明な状況が感覚として、把握できないという感じで、想像しずらい。
よく、ミュージックビデオや作中で逆回しにしてる場面はむかしからあるが、それが物理的に実際にある状況というのはみたことがない。
そういう意味では、斬新と思えるけど
なんのためにこんなことすんの、ノーラン?とも思った。ちょっとやりすぎというかさすがについていけなくなる
ラストも迫力あるけど、なーにやってんだかさっぱり
はーい青チームは逆行で赤チームは普通の動きですよーってなんだそりゃ?
では、突入!どこへ?
人間はみたことないものみると、思考が停止することがある
そうなりかけた、かなり挑戦的な作品とは思うがやりすぎ(笑)
YouTubeとかに考察してるのがいくつもあがってるが、いくつかみたけどピンとこない。ほんとにわかってるのかね?おれはわかってるアピールじゃないの
この映画、逆行している物や人がいる環境を経験したことがない奴には本質的に理解できないはずだ、でそんな奴はこの世にいない
だいたいノーラン自身も理解して作ったのかもあやしい
三回みたけどまるで理解がすすまない
もういいや、と思った
繰り返すけど、今までにないものに挑戦し続けるノーラン監督の姿勢は評価したい
実際
インターステラー
はすごいと思ったしね
純度の高い「わからない」という感覚
タイトル「TENET」という「TEN」の回文のように、時間がぐるぐるまわる…ではなく時間が「行き来する」ことを感じさせてくれました。
「時間が行き来する」という発想、思い出にふけったり(過去に戻る)、夢を描いたりする(未来へ思いを馳せる)人間の脳内そのもの。
リアリティでいて、ファンタジックなストーリー。時間がどこへ向おうとも「未来のため」に、時を超えて人は団結もするし、欲望を満たそうとする、いびつな強さとたしかな強さがあるのだなと。
難しいけれど、映像はとんでもない緻密さ。新しい世界観を見せてくれる映画。
純度の高い「わからない」という感覚が、愉しめる。
既視感は否めないが満足
タイトルの通り、時間逆行のモチーフはメメントで既出だし、インセプションを見たとき程の衝撃はなかった。
個人的には、初回視聴後にパンフレットを見たことでようやく理解できたことが多くて、「それって映画としてどうなのよ」と言いたいが、自分の理解力がないだけとも言えるので黙っておく。(書いてるけど)
おそらく主人公の出自や背景が不明瞭過ぎて感情移入しきれなかったのがモヤモヤの要因であろう。「名もなき男」って。。
ちょっと和訳がいけてないのでは。
ここは好みの問題だと思うが、私は映画にストーリーやメッセージ性を求めるので、ダンケルクしかり最近のノーランは超絶技巧を極めることに傾いている気がして、前ほどときめかない。
確かにニールの最後の仕事としてやったこと(直接描写はなかった)はあまりにも崇高で心打たれる。
しかし、なぜそこまでの自己犠牲をさらっとやってのけるのか、背景があまりにも足りなかった。ニールがキャッツの息子説は私も個人的に賛成だけれど、根拠がベトナムのチャームや髪の色、セイターのセリフなどどれも弱くて、「それっぽいけどそうでないかもね」位しか言えない。
それを観客一人ひとりに委ねると言えば聞こえはいいかもしれないが、私は監督が「腹をくくってない」と受け止める。
そして、最後に、セイターに装置を見つけさせた黒幕についてはサッパリわからん。
まさか主人公じゃないよね。あーモヤモヤ。
とはいえ、こうやって色々言ってる時点でこの映画にはまってしまっているのは否めない。
なんだかんだ言って好きなのよ。
新しい
物理学に明るくないのでタイムリープしようと酸素は吸えるだろう、SF感出したいのか?と首を捻ったものの、話が進むにつれてマスクの存在を心の底から有難く感じた。もしあれが無かったら、私の頭ではいよいよ状況理解に苦しんでいた筈。特に初回カーチェイスシーンとセイターがキャットを撃つシーン。逆行が誰かパッと見で判らないと絶対理解らないよ。
過去へのワープじゃなく巻き戻しって所が斬新で楽しかった。あの10分の輪を完成させる、過去を作る為にこれからも未来へ向けて現在を生き続けていく気持ちというのはどんなものだろう。なんて事、この映画を観ていなければ考えもしなかったに違いない。
最近退屈していて、思考するのが好きな方には非常にオススメ。
間違いなく2020で一番すごい映画
断言します
間違いなく2020の作品の中で一番すごい映画でした
すごいの意味としてはその内容の面白さであったり、スタントやCGなしの撮影方法であったりと多くありますが
わたしがその中でも特にすごいと感じたのはこの作品への発想力です
様々な映画の中でタイムループや、過去に遡りやり直す映画はありましたが
ここまで逆行という存在を主軸に圧倒的なクオリティを使った映画は他にはないと思います。
物語の前半は逆行のルールを理解するためにながらあまり理解できずみていましたがこうはんにかけてからの大逆転、だいどんでん返しがすごかった、、
久々に映画を見て心から打ち震えるほどの鳥肌が立ちました
この映画は一回では完璧に理解できないと思います。二回目、あるいは考察を読んで
全てを知った時思わずすごいという言葉と、鳥肌が立つこと間違いなしの映画でした
ノーランらしい、複雑映画
オープニングの特殊部隊突入シーンで始まり、これは来たかと興奮するも、複雑なノーランらしい展開となり、もやっとしたまま終わりました。話が理解できないなーと見ていて不満を感じたりもしましたが、ノーラン映画は映像体験をするもんだという発想で見れば、やはり凄いです。
洋画好きな彼も、難しい話だって言ってた
なので、私が理解できないのは無理もない。
元々過去に戻ったり、フラグ回収したりというような話は好きやけど…。
途中からフラグ回収(過去に戻ったり)したから、そこから面白かったけど、最初の方も「未来から来たんやろな〜」とか読めたものの…最初は眠い。難しい。
キャッチコピーとして「考えるな!感じろ」らしいね。それなら納得。
わからない
全然理解できなかった😅
世界を破滅させる理由もわからなかったし、
逆行させると世界が破滅になることもわからないし。
逆行ありつつ過去へのタイムトラベルもできて逆行させずに
普通にタイムトラベルだけじゃだめだったの?
もっと言えば最初からクライマックスのシーンにより前にあそこに潜んで
待ち伏せして襲撃すればよかったのでは?
逆行させることで何が得なのかわかりやすくしてほしかった。
鑑賞中???がありすぎて集中できなかったし。
逆行も一部のものだけしてるってのも理解出来ない。
影響は弾丸だけに起こってるとか、過去から⇨未来またはその逆でも
間に別の事象が挟まれるっていうのもよくわからないし。
も少し説明をわかりやすくしてほしかったな。
これみんな一回見て全部頭に入ってきたのだろうか?😱
順行と逆行が入り混じる戦闘シーン、最高に見応えがある!
未来人から世界を救う話です。
大まかな話は単純なんだけど、細部を理解するのは難しい映画だった。
この映画は『逆行』という設定が面白い!
特別な回転ドアを通ると、時間が逆に進んでいくようになる。
順行と逆行の人が入り混じる戦闘、カーチェイス、そして銃撃戦。
とても素晴らしい。
何が起こってるのか迷子になるけど、目が離せなくなる。
ここから少しネタバレ。
ニールがマックスだという説。
自分はラストシーンで「もしや……」と察したのですが、実際はどうなのでしょうね。
ニール=マックス説。自分は信じています。
全てが解明された時..
鑑賞してまず思ったことは、情報量と圧倒的な世界観に脱帽。
1回目だと全ては理解できず、考察解説等を見て重要なポイントを抑えることによって、膨大な情報量の中から驚きや発見、感動が押し寄せてきて衝撃。ようやく理解することができました。
時間軸の流れ、伏線回収、登場人物、アクション、どれも濃密で魅了されました。
主人公に協力し、常に任務を支えていたニールに感動。良いキャラすぎて凄く好きでした。
逆に言えばそのあまりにも難解で濃密な世界を理解するのに時間が掛かる上に気軽に楽しむことができない、万人向きではないところが難点だと感じます。
彼女というひと
憧れた「自由な彼女」が他の誰でもなく、実は自分だったというのが、自らへの憤りを物語っている。自立した人であればあるほど、何よりも不甲斐ないのは自分だと責める。「His yacht」と言い直した所も、自戒を込めているのかもしれない。
3度目の正直で自分の意思を貫いて(名もなき男には「自殺を遅らせろ」と指示されていたのにも関わらず、だからこそ「貴方は貴方の仕事をして」と言った)光を受けてヨットの縁に立つ彼女の姿は、最高にエモーショナルで美しくて、最も共感した人物だった。
気高い彼女に対して、名もなき男は助力したいと思った。この流れに、ロマンスが始まらなくても、何の違和感もない。
SF映画史において重要な作品になるだろうが
時間を逆行するという概念がどうにも分かりにくく、多くの人がついて行けない箇所が幾つもあったはず。
どうにもその辺ばかりが話題になっているようだけど、この画期的な(?)舞台装置を除けば、正直、毎度お馴染みの格闘、カーチェイス、銃撃戦が続く、007かダイハードの焼き直しである。
企画・脚本執筆段階でよくよく練られたであろう肝心な舞台装置も、画にしてみればただのビデオ逆回しの「後ろ歩き」にしか見えない点は、何とも物足りない感が残る。
何より、インターステラーやインセプションでみせたような登場人物のメンタリティを語る力強さが足りず、見終わった後に残るものが少ない。
とにかく難解。とくに終盤。
終盤に近づくほど文字通り時間軸が交差するんでこいつどの時間からどの時間にむかって移動してるんだっけ?とか、こいつの今持ってる情報ってどの時点まで知ってるんだ?とかになる。
未来から物やら情報を持ち込みまくってるんで、どの時点で時間軸を入れ替えたかどんどんわからなくなる。最後のあの親父ってどの時点のどいつだ?奥さんが船から降りたのは体験してるんじゃないか?あれ?誰かの過去が誰かの最新だったりで行動の先読みされまくりでどっちも最善を目指すんだけど根本的に無駄だったりする。改めて整理してみてもやっぱりわからんところが残る。
この手のSF物ってちゃんと科学考察入ってるようでガバガバだったりしますけど、無理に説明しようとすると余計に胡散臭くなったりします。だから陽電子が時間軸戻るとか変なこというなや、あれは単に方程式の時間対称性なだけだよ。そもそも陽電子なんて電子と対消滅「したがる」から巨視的時間に存在するなんてなあ。
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