TENET テネットのレビュー・感想・評価
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複雑に見る事なく感じながら見ると
期待通りの見応えある作品で非常に興奮する時間だった。
ノーラン作品らしく作品の世界観、ルールといったあたりに細かい説明などはない為あまり深く考えすぎるとストーリー展開に追いつかず残されてしまう恐れがある。
冒頭でポエジーの説明にあったように逆行の世界観を頭で理解しようとするのではなく感じながら慣れていく、これはこの作品を観る際にも言えることのような気がした。
作品内容としては個人的には当初予想していたよりは見やすいかったかなという印象。一度で全てを理解できたかと問われればもちろんそれはできなかった。そもそも何度見ても全てを理解できるのはノーランくらいしかいないのではないか。
全ては理解できない上でも、自分なりの理解や脳内修正はまぁできる展開が多かったように思える。
150分と時間自体は長めだがあっという間に時間は過ぎ、常に何かある裏切る展開があるのではないかという空気を漂わせ時間を感じさせない点は過去の作品と同様さすがといったところだった。
内容としては個人的には意外と予想できた展開が多かったといったところか。特に序盤から中盤までのワシントンとパティンソンに立ちはだかる逆行する者が早い段階で未来から来た彼らというのは読めてしまう。
その彼らが逆行する事で何か深い意味があるのかというとその辺は特になかったのは少し物足りなさは感じた。
加えて悪役のブラナーのキャラクターもイマイチ魅力に欠けてるようにも感じてしまった。
個人的にはストーリー展開よりもこの世界観に没入し観てる側も謎に挑み続けるいわば体験型のような作品であったように思えた。自然とそういう見方をしていた自分にとっては非常に楽しい映画ではあった。
もちろん初見では見落とした部分もあったかもしれない。それらをもちろん補う為にもう一度見たいというのもあるが、それ以上にこの逆行する世界にもう一度没入したいと鑑賞直後にも思わせてくれるそんなクセになりそうな作品であった。
ある意味『ダークシティ』?複雑怪奇な展開の向こうに透けて見える作家性に圧倒される150分
キエフの国立オペラハウスをテロリストが占拠。館内に特殊部隊が突入、ある人物を救助しようとした隊員の一人がテロリストに捕らえられてしまう。彼が昏睡状態から目覚めるとそこにはフェイと名乗る男がいた。フェイから告げられたミッションは未来からやって来た敵が時間を逆行する装置を使って第3次大戦を引き起こして人類を滅亡させようとするのを阻止するというもの。この不可解なミッションのキーワードは”TENET”、何から何まで訳の解らない状況でミッション遂行できるのか?
これはとにかく難解極まりない。予告でも告げられていた通り「理解しようとするな。感じろ」の燃えドラ主義で鑑賞するのが正解。理解しようとすると物語に置いてけぼりを食らってしまいます。ただ目の前で起こることに身を委ねるとぼんやりと作品の全体像が掴めます。何を書いても野暮ですが、かろうじて言えるのは数日前に『インターステラー』を再鑑賞しておいたのが功を奏したということ。主人公クーパーの娘マーフィーの部屋にあったある書籍の背表紙を見つけた時にピンと来たことが本作のバックボーンにあるのは間違いないかと。『メメント』、『インセプション』、『インターステラー』等で追及されていたテーマをまた新しい視点と複雑怪奇な展開で繰り返すクリストファー・ノーランの揺るぎない作家性に圧倒されました。
とにかく実写に拘るノーランをがっつりサポートする撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマがエストニア、ノルウェー、デンマーク、イタリア、英国、インドといった国々で捉えた映像はどれも優雅で美しく、とにかく出来る限り大きなスクリーンで鑑賞するのが吉。一度の鑑賞で全てを把握するのは困難、鑑賞中に疑問に思ったことを憶えておいて何度も鑑賞することで補完していくような作品だと思います。個人的にはエリザベス・デビッキの凛とした美しさが魅力的。全然作風もあらすじも異なりますが、アレックス・プロヤス監督の『ダークシティ』のヒロインを演じたジェニファー・コネリーを思い出したことも申し添えておきます。
(2020/9/27 2回目鑑賞)
4Dxで再鑑賞。やはりIMAXと比較すると映像が圧倒的に物足りない。水や熱風噴射他の演出はライド感覚で楽しむ分にはいいですが初鑑賞でこのフォーマットを選択すると気が散って仕方がないかも。疑問点を整理して答え合わせをしに来ましたが、ロータス社の名前の由来等気になっていたことがすっきりした半面、オペラハウスの座席下の銃痕、BMW右サイドのドアミラー、予告にも登場する上下で爆発が前後する廃墟ビル等一体どうなってんだ!?とさらに気になってしまう点も多々出てくる始末。とはいえ主人公がのび太だと思えばほぼ劇場版ドラえもんだし、ある意味劇場版クレヨンしんちゃん的とも言えるシンプルな話ではあるので、まずは1回IMAXで観てあとは適当にフォーマットを変えながら繰り返し鑑賞するといいのかなと思います。結構混んでるかもと思って警戒している人もいるかと思いますが杞憂です。今回の鑑賞は日曜午後なのに6人しかいませんでした。
想像を遥かに超える映画体験がここにあり
グランドシネマサンシャインで鑑賞。IMAXレーザーで!最速上映鑑賞ですよ!
オペラハウスでテロ事件が勃発。特殊部隊として館内に突入した主人公の任務は『プルトニウム241』だった。しかし彼は仲間を救うために身代わりとなり捕らわれる。拷問を受け自決カプセルを飲む主人公だが、目を覚ますとある組織に保護されていた。そしてそこで未来からの敵が人類を滅ぼそうとしていることを知る。人類を救うために、時間を逆行する。キーワードは『TENET』。
ついに公開となったTENET!待ちに待った“天才”クリストファー・ノーランの最新作。冗談抜きで前作のダンケルクから3年間、この日を心待ちにしてました。コロナ渦で、ほぼ全ての大作が公開延期してる中、無事日本で公開してくれたこと、ノーランには感謝としかいいようがないですね。
さて、満を持して公開となった本作ですが、正直にいうと過去最高レベルで難解です。クリストファー・ノーランの作品は面白いって噂だけで、例えば普通の作品の面白さを求めて見ちゃうと火傷しそうなくらい難解ですね。インセプション見た時も、わけわからんかったのを強く印象に残ってますが、本作はあれを軽く超えました。
今回ノーランが挑戦したのは、『時間の逆行』。この時点でわけわからんですよね。祖父殺しのパラドックスのように、過去に行き、タイムトラベルやタイムリープの世界で物語が進む。ってのはよくある映画のパターンです。しかしノーランは、時間を順行する世界と時間を逆行する世界、これを平行で描くという凡人には絶対理解できないことをわかりやすく(人がなんとか理解できるレベル)映像化したんですわ。何書いてるかわからないって?そりゃそうですよ。見たボク自身、たぶん半分も理解できてないですから。
理解できないんじゃつまんないんじゃないの?って。普通の作品じゃそうでしょうね。でも違うんです。半分も理解できてない。でも映画の世界に引き込まれるんです。いや、ノーランのトリックに少しずつ気づいていく楽しさ、快感が半端ないというべきかな。
これもノーラン作品の特徴なんかわからないが、基本難解なので特に冒頭とか何やってるかさっぱりわからんのですよ。これはインセプションもそうだったし、メメントも、インターステラーも、ダークナイトも、ダンケルクも。でも徐々に気づいていく。本作をトリックに気づいていくっていう快感に近い作品はやはりメメントとインセプションかな。途中から話の構造、あるいは世界観のルールを理解していく様は凄かったですね。
中盤もだけど、終盤なんかは逆行と順行がどう入り混じってるのかもうパニックだし、これを初見で理解知ろなんて無理な話。解説をつけて欲しいレベル(笑)それでも、あっ、そういうこと?え、もう一度時間を意識して見たい!あのシーンってどういうこと?話がわかったようで、理解できなかったところをまた見たいと思わせるんですよね。これ絶対3回観に行っちゃうな(笑)
ただしこの満足感は、理解できてなくても理解しようとする人にしか味わえないでしょうね。上に書きましたが、理解しようとしない人には火傷レベルの案件で全く面白ないと思いますね。少し見逃すだけでチンプンカンプンというか。長いけどトイレ禁止ですw一瞬でも油断して見逃したら痛い目あう。でもホント、ボクがそうなように、ノーラン好きには釘付けになってしまう作品です。逆行する時間と順行する時間を平行で描くなんて、そんな発想なぜ出てくるんだろうか。スゲーの一言だわ。見終わった瞬間、思わず拍手して絶賛してしまったし、すぐもう一回見返したい思いで一杯になりました。連休絶対見返しに行こう。
本来5点満点で映画の感想は書いてますが、こんなの見せられたらたまったもんじゃないですね。10点でも足りないくらい。それくらい僕らが見てきた映画を遥かに超えた作品がここにあります!住んでる場所によって見れる見れないがあるのは仕方ないことかもしれませんが、グランドシネマサンシャインのIMAXレーザーで見れたという感動は格別ですわ。だってフルサイズのIMAX画面だもんな。
さぁ、ノーランは次、どんなマジックで我々を驚かせてくれるのか。前作から3年間心待ちにした本作ですが、今日からまた次作に向けて心待ちにする日々が始まります。きっと数年後、今日のような感動体験がまたそこにあるはず。
最後に、ホント映画界のために、公開に踏みきってくれたこと本当に感謝します。映画界のために動いてくれたノーランの素晴らしい言葉でTENETの感想を締めようと思います。皆さん、是非映画館で映画を見ましょう。映画はそのためにあるものです!
『映画館は闇に包まれてしまった。だが、決して映画がその価値を失うことはない。この危機を乗り越えた時、人々の集まりたいという想いや、ともに生き、愛し、笑い、泣きたいという願いは、かつてないほど強くなるだろう。映画館はそのすべてを、私たちにもたらしてくれる。だから、私たちには映画が必要なのだ』by Christopher Nolan
見所満載だが難しい
銃撃戦、カーアクション、大型貨物機の爆破、などなど、見所満載だが、とにかく難しい。
時間が進むのと逆行するのが入り混じり、1回の観賞では何がなんだかさっぱり理解出来なかった。
ヒロイン役のエリザベス・デビッキって大きい女性だなぁ、って調べたら身長191cmらしい。それで高いピンヒール履くんだから2m超えてたんだろう。どうしてこんな高身長の女性をヒロインに使ったのか、ちょっと疑問だった。
綺麗な人だとは思うけど。
ともかく、パンフレット買って内容確認して、もう一回観に行こう、って思った。
ノーラン映画の極み
テネット、初見で見たら何がなんだかわからないと思う。
逆行世界?未来に過去にと、とにかく観客は置いてけぼりを喰らいます。
なんだかよくわからないけど映像がめちゃくちゃすごい金をかけてるな〜とかよくわからないけどまあ面白かった〜。と星3つ程度の評価はあると思います。
色々調べてみたら本当に内容が凝っていてあーなるほどなるほど、理解していくとこれはすごい!!
となりました。もう少しわかりやすければよかった。
物理関係のこうしたらこうなるのがわたしには訳わかめでした。
おそらく2回目の鑑賞で内容が補完されるだろうと思います。
無知なままテネットを見て、2回目にまた見させる!
まさに監督の思うツボです。
しかし相棒ニールいつもいいとこ持ってくね!
そこにもしっかりと理由があるわけで、、
色々謎だったけどラストはグッときました!
2度見たら楽しみは2倍です。
新進気鋭の新人監督?
コレ撮ったの今まで数々の超大作を監督したクリストファー・ノーランですよね?ここから映画界をのし上がってやるとか考えてる、やる気バチバチにキメた新人監督じゃないですよね?
と、思うくらいトガった映画だった。こんなややこしい映画を撮ろうと思って、それを脚本で仕上げて映像化しようなどと正気の沙汰ではない。
よくこの脚本で予算を集められたなと思うくらい、とにかく難しい。
だが、それでも面白かった。観賞後の疲労と満足感がすごい。
時間の逆行がテーマで、予告の時点でかなりややこしそうなので覚悟はしていたが、まさかこんなに難しいとは…。
印象としては「メメント」と「インセプション」を足して2でかけた感じ。割ってすらくれない。
最初のルール説明の時点でもう頭がパンクしそうになり、諦めに近い笑いが出た。プロモーションで「考えるな、感じろ」との文言があり、本編でも同様のセリフが登場した。要は「どうせ理解できないから早めに割り切って、感覚的に楽しめ」ということだと思う。最初から観客の理解を得ることを放棄するのはどうかと思ったが、確かにこの作品に関してはそれが正解だと思う。
初見時は設定を完璧に理解しようとするより、とにかく画面で起きていることを楽しむのが得策かと。もしくは物語の大筋、その時点でのキャラクターたちの目的を理解さえしていれば、ややこしくとも楽しめるようになっていると感じる。
そして設定の難しさはあっても、スゴいことが起きていることはわかる。冒頭のオペラのシーンはダークナイトの銀行強盗シーンを思い出すほど圧倒されたし、主人公が逆行し始めてからの伏線回収には思わず唸らされた。飛行機の爆発シーンも、クライマックスの順行と逆行いりまじったゴチャゴチャアクションも凄まじい。
そもそもの設定がかなり魅力的なことは間違い無いし、キャラクターが何をしてるのか1ミリもわからないというわけではない。大筋は理解しているが、画面でなにが起きているのかをその場で理解するのにかなりの集中力を要する。
ここまでのレビューを読んでもらえればわかると思うが、正直1回目の鑑賞で語ることはあまりない。だって理解できていない部分が多すぎるから。笑
かなり能動的に鑑賞しないと置いていかれて嫌になってしまうハズ。だからかなり好き嫌いが分かれる作品になると思う。そこまで観客に要求するのもどうかなと思うところも、正直少しある。
とにかく言えるのはメチャクチャに難しいこと。それでも魅力あふれる作品であること。そして理解して2回目を見たら恐ろしいほどの完成度だとわかるようになっているのではないかと思う。
私は絶対にこの映画のパンフレットを買うし、考察を読みふけってから絶対にもう一回観に行く。そう思わせるだけの迫力と魅力が本作にはあった。鑑賞してからすっかりテネットの術中にハマってしまった。
なんにせよ、この難しい状況下で公開まで踏み切ってくれた配給会社と監督には感謝したい。久しぶりに洋画の新作の超大作を大画面で見られて、こんなに幸せなことはない。やはり映画館は特別な場所であることを実感させてくれた作品でもあった。
眩いばかりの謎がいっぱい
ストーリーは
ウクライナのオペラハウス。盛装した紳士淑女たちがオペラの開始を待っている。突然そこに、ガスマスクを装着したCIAの特殊部隊が突入、空機構から催眠ガスを流して聴衆を眠らせたあと、一つ一つのボックス席のドアを蹴破り一人のアメリカ人を探し始める。特殊部隊の目的は、このアメリカ人と彼が敵から盗み出したプルトニウムを、保護、奪還することだ。特殊部隊の一員、主人公(彼の名前がなくてプロタゴニストとされているが、仮にワシントンと呼ぶ) も、ガスマスクをつけて、アメリカ人を救出するために激しい格闘を続ける。ワシントンは、寸でのところで敵の銃弾に倒れるところだったが、赤い糸のタグのついたバックパックを背にした覆面の男に命を救われる。アメリカ人は救出され、プルトニウムは獲得できたが、しかしワシントンは敵に捕らえられ両手両足を拘束され列車に牽かれる脅しを受け拷問されるが青酸カリカプセルを飲み込んで自害する。
ワシントンが目を覚ました時、CIAの幹部に、「これはテストだったんだ。君は合格だ。」と言われ、科学者のところに行かされる。そこで世界を第3次世界大戦による滅亡から救うために「時間を逆行」する任務に就くように命令される。キーワードは、「TENET」。ワシントンは、相棒としてニールを紹介される。二人はインドに飛び、ムンバイの武器商人スーザンの屋敷に忍び込む。スーザンは、セイターというロシアの大富豪に特殊な銃を売ったという。その銃は撃つと前進せずに逆行する銃だという。
ワシントンとニールは、そのロシア人についての情報を得るためにロンドンに行き、英国情報部幹部のサー マイケルに会う。そこで、ロシア人セイターは寒村で育ったが、子供の時に大爆発があって立ち入り禁止だった地中からプルトニウムを見つけ、それをもとに世界を破滅させる時間を逆行をさせる装置を作ったらしい、と聞かされる。そしてセイターに会うために、まず妻のキャットにアプローチするように提言される。
セイターの妻キャットは、美術鑑定士だが、アレポという男から手に入れた偽のゴヤの絵をセイターに売ったために、弱みを握られて子供を人質に取られて、セイターの言われるままになっている。小学校に息子を見送るキャットをとらえたワシントンは、キャットに偽の絵を取り返す約束をして、セイターに引き合わせてもらう。大型ボートで会ったセイターは、キャットを深く愛していて嫉妬深いので、ワシントンを敵と認識する。セイターとキャットは、ワシントンをボートの競艇に誘い、スピードを出している最中に、キャットは、セイターの命綱を切って殺そうとして海に落とす。ワシントンはそこでセイターの命を救う。プルトニウムを奪うまでは、セネターを殺すわけにはいかない。
ワシントンとニールは、セイターがオスロのフリーポートの倉庫にゴヤの絵を隠している事を知り、オスロ空港でボーイング747を乗っ取り、飛行ごとセイターの倉庫に突入する。しかしゴヤの絵はなかった。倉庫の中にはガラスの特殊な部屋があり、そこにいくつもの銃痕があった。そこで突然ワシントンに襲い掛かってきた二人の男のうち、一人の男は前に進むが、もう一人の男は後ろに動く。激しく乱闘するうちに、ニールは「相手を殺すな」、と言ってワシントンを止める。二人の男たちは、このガラスの時間逆行の部屋の中で、一人の同じ人間なのだった。そしてそれは未来世界でのワシントンだった。ガラスの部屋は、時間を逆行させるために作られた部屋だった。
ワシントンとニールは、その後エストニアのタリンで、一組のプルトニウムを盗み出す。プルトニウムは9つ、3組あって、それを組み立てると地球の半分が吹っ飛ぶ。彼らを追うセイターと激しいカーチェイスが繰り広げられる。プルトニウムを取り返すためにワシントンの車と平行して走るセイターの車には、キャットが両手を縛られ後部座席に拘束され爆走している。ワシントンはあきらめて窓からプルトニウムを敵に投げ渡し、爆走する車からキャットの命を救う。しかしワシントンは、捕らえられる。怒ったセイターは、オスロの時間逆行のガラスの部屋で、妻のキャットを殺そうとする。ガラスを隔てて、未来の部屋でキャットが撃たれるのを、今の時間のワシントンとニールは、無力で見ている事しかできなかった。そこで、ワシントンは逆行装置の部屋から未来に戻って、カーチェイスでプルトニウムを受け取った銀色の車(時間逆行車)に乗って、後ろ向きで走り、再びセイターを追う。しかしセイターに捕らえられ車は大破、燃え上がるが未来社会では火は氷になるので、ワシントンは、凍って低体温状態になった体で、ニールによって助けられる。キャットは未来の世界で普通の銃で撃たれたので、ワシントンとニールは、瀕死のキャットを、オスロ空港にボーイング747で突入した日の1週間前に戻って、「時間逆行部屋」に連れて行き、ニールがキャットの傷を手術、銃創を治療する。ワシントンはそのあいだ逆行時間から現在に戻るまで敵と戦う。
キャットは、セイターは膵臓癌末期で、自分が死ぬときは世界もすべて破滅するべきだと考えて、死んだらプルトニウムの地球破壊装置が発動するようにしている、と告げる。しかしキャットは昔はセイターとベトナムで仲良く幸せに暮らしていたので、本当は彼は楽しい思い出に浸りながら死にたいはずだという。キャットは時間逆行の未来世界で、夫を殺す決意をする。
ワシントンとニールは、TENET軍事部隊を連れて、未来のロシアの大爆発のあった街に向かう。核爆発で破壊され封鎖されていた街でセイターたちとの戦闘が始まる。そこにセイターは、9つのプルトニウムを持っている。9つのプルトニウムが、すべて組み合わされ発動する時、地球が滅びる。
ワシントンは前進する現在の世界で赤チームを率い、ニールは逆行する世界の青チームを率いる。激しい戦闘が行われ再びワシントンが危機一髪、敵に襲われたところで逆行世界から移ってきたニールによって命を救われる。そして赤チームはロシアの核爆発を食い止めることができた。ワシントンは、赤い糸のタグのついたバックパックを背負った男が倒れている姿を目にする。
キャットの現在の夫セイターは、ボートからすでにヘリコプターでキエフに向かった。キエフのオペラ劇場を襲撃するためだ。
しかし未来世界のセイターは、キャットの横に居る。キャットは夫を殺し処分する。そして自分が小さなボートで息子を一緒にやってくる自分たちの姿を確認して、海に飛び込んで、未来世界から自分は姿を消す。
セイターの仲間だったインド人武器商人スーザンは、キャットを殺そうとするが、ワシントンがスーザンを処分する。9つのプルトニウムを組み合わせて地球を破壊する装置を開発した科学者は、自分の行為を後悔して自殺したが、死ぬ前に9つのプルトニウムを3つに分けて地中深くに隠した。それを見つけて地球破壊をもくろんだセイターも死んだ。
ワシントンとニールは、「現在」に戻る。そこでワシントンは、ニールが赤い糸のタグがついたバックパックを背負っていることに初めて気が付く。何度も危機一髪で死ぬところだった彼の命をずっと助けたのはニールだったのだ。ニールは、「お前が知らないだけで俺たちはうんと長いこと親友同士だったんだぜ。」と言い去っていく。ワシントンがいまだ知らない未来の世界で、ニールは自分の命と引き換えに、自分を守ってくれたのだった。ワシントンは未来の世界で、チームTENETの指導者になる。
というおはなし。
クリストファー ノーランは自分が作った映画の中でこの映画に一番お金をかけたそうだが、その額、2憶ドルほど。子供の時からアクション映画が大好きで、自分が夢中になったようにすべての観客を大規模なアクションのなかに引きずり込みたい。自分がまるで主人公のように興奮する渦に巻き込みたいと言っている。それで、普通映画は35ミリフイルムを使うが、ノーランは終始IMAX、70ミリ、カメラで撮影している。その分だけ画面が広く撮影範囲が広がって撮影規模も大きくなる。臨場感があって良いが、見るほうはそれだけ大変だ。戦場場面など画面の端から端まで見ている余裕がないほど、画面が早いスピードで移動するのでどうしてもとらえきれないで見逃す部分が残る。ノーランの映画は特に、画面ごとに独特の「こだわり」があって、一瞬映される画面に後で深い意味がこめられていたりするのだが、それを見逃すと、見なかったことになってしまう。作っている側にとっては、面白くて仕方がないだろう。ここにも、あそこにも秘密の鍵が埋め込んである。そんな複雑化されたストーリーを、本人は面白がって遊んでいる。しかし秘密探しと、謎解きがわからないと見る側にとってはなかなかタフだ。
時間を逆行させた世界で未来の自分と今の自分が触れ合うと消滅してしまう、未来では熱が反転するので氷になる、時間逆行世界で言葉も音も逆さになる、未来世界では酸素マスクを着けていないと生きられない、、、物理が苦手で自分にはわからないけれど、いちいちつまずいていると先に行けないので、科学者が映画の中で言っているように、「理解するな、体で感じろ!」ということでやり過ごすしかない。
TENETとは信条とか原則とかの意味で、映画では地球を救う組織名。
古代都市ポンペイで発掘されたセイタースクエアとか、ロータススクエアといわれる2000年前の回文で、5つの言葉が書かれた石板があるそうだ。上下左右どこから読んでも同じ文字になって、SATOR、AREPO、TENET、OPERA、ROTUS これらが この映画にでてくるキーワードになっている。すなわち、SATOR、はロシア人セイターの名前。AREPO はキャットにゴヤの絵を売った男。 TENETは、テロリストと戦う組織の名前。OPERAはアメリカ人スパイがプルトニウムを隠した劇場。そして、ROTUS はセイターの経営する企業の名前だ。謎っぽい5つの言葉を、ノーラン監督が人や組織の名前に使ったわけだ。
役柄で得をしているのはニール役のロバート パテインソンテ。「トワイライト」で狼になったり、「ハリーポッター」でセドリックになって、いつも憎めない。ワシントンの命と引き換えに死んでしまって、その分だけワシントンよりも良い人に思える。ワシントン主演、スパイク リーの「ブラック クラインズマン」を見た時も感じたけど、主演のワシントンよりも相棒役のアダム スコットのほうが冴えてい見えて仕方がなかったのも偶然ではないのかもしれない。
世界を救うTENETという組織の未来の親分が、ワシントンということで、とてもシリアスな役なのに、なぜか彼自身の持ち味なのか、彼独特の「おかしみ」がある。セイターに、妻と寝たのか、と問われとっさに「まさか」と答えるが、ちょっと間をおいて、「まだだけど」と言うところ、笑わせるし、「どうやって死にたいか」と脅されても即座に、「OLD」(年を取って老衰で死にたい)と答えるところなどとても素敵。ロンドンの高級レストランにサーマイケルの席にどかどか入り込んで、「僕にも同じものを」とガードマンに料理を注文してみたり、とてもお茶を飲んでいる余裕がないところで「エスプレッソを」とねだったりユーモアがあって、こういう会話ができる人って好きだ。
見た人の感想に、DAZZLING、PUZZLING!(眩いほどの謎ばかり!)と言っている人が多いたけど、本当に謎ばかりだが、スピーデイに展開する場面とストーリーの意外さに全く3時間近い間、飽きることがない。呆気に取られているうちに時が経つ。全編IMAXカメラで撮影、250人のクルーを使って、7か国飛び回り、ボーイング747を壊すだけのために購入するといった予算に制限をつけないで、湯水のように製作費を使って。3時間近い映画を作れる太っぱらな監督って、いまはもうこの人以外には見つからない。アメリカ映画の娯楽性を徹底的に追求したゴージャスな映画。
Neilのリュックのチャームが悲しい。
「起こることは起こる」ということは、ネイルは...。
1度目で理解できないことが多すぎて、連続で二回観ました。
それでもまだわからないことが多い...。
紛争シーンは特に、どっちが未来?と混乱しました。ビルが元に戻ったと思えば、現在の攻撃で壊れたり。先入観ありすぎて、なかなか頭が受け入れようとしません。
日本語であと3回くらい観たら理解できるかな...
予告編にて
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