TENET テネットのレビュー・感想・評価
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これ・・・まじか・・・
まじで訳分からん作品。
正直、分からな過ぎて眠くなってしまった。吹替があればより深く理解ができたと思うが、複雑でついていけなかった。
もちろん2回、3回観てしっかり理解しながら観れば、面白い作品なんだろうと思うが、1度観ただけでは正直半分も理解できなかった。
過去のインセプションや、ダークナイトは複雑ながらも分かりやすかっただけに、かなり期待外れだった。
上映中もずっと頭を使う作品
難解さはインセプションやインターステラーなど比ではなく
「これは逆行だから、こうなるんだっけ?」
と、上映中もずっと考えておかなければ流れについていけない。
順行と逆行の交差に慣れ始めたところで、今度は主人公たちが過去に遡り始め、さらに難解さは増す。ここでも考えながら流れについていこうと試みるが、正直クライマックスの戦闘シーンはまだよく理解できていない。あと、なんであのインド人の女性は殺される必要があったんだっけな?「黒幕は俺だ」ってのも、たぶんこういうことかな?程度にしか理解してない
いろいろと考えた上でもう一度見直したいが、正直に言ってノーラン自身もこの映画を観た客の半分も内容を理解できると思ってないんじゃないだろうか。
1010
TENETって
前から読んでも後ろから読んでも「TEN=10」
と友人が言っていたのだけど、
10は特に意味が無いですかね。内容的には。
映画を見ながら、起こっている事象自体は分かるけれど、
このシーンは何の意味を持つのか判らなくてなくて、
???の連続で、
私ってそんなに頭が悪かっただろうか、と不安になりながら見る。
唯一、感情移入出来るのは、夫の支配から逃れて息子と安穏に暮らしたいキャットに、のみ。
主演の名のない男もニールも、今いち、言動理由が分からない。
唯一、受け取ったメッセージが序盤に出てくる白衣の科学者の
大切なのは、何をするのか、ではなく、
どうやるのかと話していた事。
何が行われているかじゃなく、どう、やっているのか観るって事なんでしょうか。
とりあえず、例に漏れず
ポカーン状態で終わってしまったけど、
解説サイトを読んだので、もう一度は見たいです。
やはりIMAXで。
なんとなくは理解できるがスッキリはしない
最後がオシャレ!!!???(笑)(笑)
ストーリーが良くわからない。(笑)(笑)
なんかあんまり映画に集中できなくて。(笑)
カーアクションシーンが多くて。(笑)(笑)
ロケ地が海外。(笑)
ノルウェーとかイタリアとか、デンマークとかおしゃれ。
最後の終わり方がおしゃれ。(笑)(笑)
なんか逆まわしが個人的には印象的で。(笑)
なんかとりあえず、かけておく感じで。(笑)(笑)
面白くなかった
逆回転!!!???
逆回転で。
なんか、ストーリーについていけませんでしたが。(笑)(笑)
とりあえず。
なんか、深夜のプールバーで流れてそうな。今後流れてそうな。(笑)(笑)
けっこうおしゃれな感じの。
ストーリーはわかりにくい、映画でした。
なんかおしゃれだったので。(笑)(笑)
快感の悪夢の世界へようこそ
2度観て、理解できたような
一度観ただけで理解できる人は少ないのではないかな。
最初は、色んなロケ地で撮影した上質なスパイ映画で始まるのですが、中盤以降、今作の肝である壮大な仕掛けが明らかにされると頭が混乱してくるのです。
「インセプション」を観たときに、こんなにややこしい映画がヒットするとは意外だなぁと思ったものですが、今作の難易度は数段上といった感じ。
とりあえずの感想としては、セリフと比べてBGMの音量が大き過ぎ。マイケル・ケインが痩せてさらに歳取ったなぁ。エリザベス・デビッキの役回りが「ナイト・マネージャー」そっくり(今作で彼女のファンになった方は、ナイト~と「コードネーム U.N.C.L.E.」をお勧め)。衣装がイイ。格闘シーンの動きがよく判らんといったところ。
明かな駄作であれば二度と観ないのですが、断片的に強い印象を残した場面が脳裏に浮かび、謎で頭がモヤモヤするので、再度、映画館へ。
時制の逆転が始まる辺りから頭が混乱し始めて、特に、理解できなかったクライマックスのアクションシーンも含めて、2回目だと大体理解できた気がします。
もう少し分かりやすくできなかったのかと思いつつも、ノーラン作品ファンであれば楽しめる作品かな。個人的には、ダンケルクよりは上だけど、インターステラーとインセプションの方が好きといったところです。
単純に楽しかった!!
もう一度観るしかない
シンプルな物語!新しい映画体験!
第三次大戦を防ぐスパイの主人公の目的は物語的には物凄くベーシック。
主人公が突き動かされる「爆弾」となるファムファタール役キャットとの「分不相応」の恋心とミッションの狭間で揺れ動く主人公の姿もベーシックなスパイもののセオリーではあるが、
彼らのビジュアルが背の高いモデルのような美しい女と背の低い黒人のスパイとして、そのつり合いの取れなさがまた新鮮な主人公とヒロインの形に思えた。
とにかく、キャットの固い氷の心を溶かした者にのみ見せる人懐っこい笑顔に惹きつけられた。
あの笑顔が主人公の「爆弾」となったのには納得だった。
時間やタイムパラドクスの仕掛けは、かなり、難解。。
それを紐解こうとしても、自分にはとうてい無理だし、紐解く必要もないように感じた。
必死に頭を回転させ、眼をかっぴらいて、そこでこれから起きる出来事や、過去に起きていた出来事を、目撃し、体験していくうちに、あの世界に必死に食らいついている感覚が、名もなき主人公と同化して、ぐるぐると引き込まれていく感覚になっていった。
そして映画が終わる頃には、現実に引き戻される。
きっと監督は全ての時間軸や難解な部分を紐解き、解釈した上でのカタルシスや作品の評価を期待していなかったのではないか?
難解な事象、時間軸を、凄いスピードで展開して、観客が咀嚼する時間を与えないまま、作品に引き込む時に起こる作用を狙っていたのではないだろうか。
なんて、都合の良い事を考えつつも、たしかに、ある時間のパラドクスの世界から生還した気持ちで、満足しながら、劇場を出たのであった。
ノーランの難解な挑戦状!凄すぎて震えた…ここ数年で一番興奮した映画!また観たい!
これは視聴者に対するノーランの挑戦状かと思うくらい内容が難しすぎて、1回で到底理解できない。でも決してつまらないワケではなく、2~3回は観たいって思わせてくれる濃厚な内容でした。最近のヒット作はアメコミとかディズニーとか単純で万人受けするようなモノが多かったので、これぐらい難解な映画が出ると興奮してしまいます!
パラレルワールドネタの映画は過去にもけっこうあったが、それが同時に進行する映像を観たのは初でとても斬新だと思いました。伏線回収もエグいくらいにすごくて、BGMもかなり煽ってくるので手に汗握るシーンが多々ありました。
あと、絶対最後に裏切ると思ってたロバート・パティンソンだったが、『最後の最後までイケメンかよ!』って思った。ラストのシーンは特に最高で、確実にファンが増えたと思います。トワイライトとは違って泥臭い役でかっこよかったです!
エリザベス・デビッキもラストの復讐劇が最高でした!母強しですね!
劇中で車内に拘束されてバックで爆走するシーンはマジで心臓停まるかってぐらいヒヤヒヤしました(^^;)
飛行機を実際に暴走させて倉庫に突っ込むシーンも『どれだけ金かかってんねん!』って感じで最高でした!
今回から映画館内の人数制限もなくなって、隙間なく席が埋まっててエンドロール後、明るくなってからみんなザワザワ。。。『すごかったー』とか『おもしろすぎ』とかこんなにみんながザワついた作品ってホント久しぶりかも?
とにもかくにもみなさんには観てほしい1作です。
追記----------------
誰かの考察読んだんですけど、ニールが実は未来から来たキャットの息子って説があったんですけど、マジですか?だとしたら2回目観る時に序盤から号泣しそうなんですけど😭
しかも、最後義理の父(未来では主人公とキャットが結婚してる?)の身代わりとなって頭撃ち抜かれるとか悲しすぎる。。。
たしかに、身内じゃないとあそこまで体張って自分を犠牲にはできなかったかも!?
物語はともかく、画から溢れ出るワクワクがすごい
本編を観終わった現時点で、おそらく私は物語の半分程度しか理解できていない。
しかし、映画開始から4分の3ほど終了した時点では8割〜9割は理解してなくて、「もういつ帰っても後悔しないぞ」って感じだった訳で、伏線回収と「お前だったのか!」の怒涛のラストのおかげで観終わった感じはそれほど悪くない。
ノーラン作品は個人的にあまり得意ではなく、今回も「まあ、気楽に眺めるくらいで丁度いいだろう」ってスタンスで臨んだのが正解だった様だ。
映画館で隣の男性客は、クライマックス前で帰っていった。
その時は「訳わかんないもんね。わかるよ、その気持ち」という感じだったが、おそらくあの人は多分2回目の観賞だったんだろう。伏線回収が始まるまでの流れを確認したんじゃないかな(ザックリ言って「折返して同じ道を帰ってくる映画」なので)。
私も気持ちは分かるし、これを2回以上観る価値を否定はしない。
ただまあ、少なくともこれだけ中身を理解できてない私が、それでも帰り道ではソコソコ満足している。
それだけで作品の意義は十分現れている。
内容はともかく、私に言わせると終始訳の分からないこの作戦、メインのキャラクターがお世辞にも「立ってる」と言い難いこの物語に対して、最後まで観客の興味を途切れさせかった『画』や『シーン』の視覚的な魅力。この凄さが際立っているなあ、と。
もちろん話題の「逆行」や「ジャンボジェット」もさることながら、冒頭のテロや、暗雲立ち込める中、無数の風車が突き出る海上での不穏なスタートなど、映像として「何かが始まるワクワク」に溢れていた。
そしてエリザベス・デビッキの美しさ。
観た人にはわかるはず。あの飛び込みのシーンだけで何杯でもご飯が食べられる。
ストーリーについて、いろいろ論じたい人はしてくれれば良い。
「面白いかどうかはよく分かんない。でも、最後までワクワクした」
私にとってはそういう作品だった。
難解な映画は何度も観る楽しみがある
とても主観的な解釈としての感想を綴っていきます。
◽️この映画の魅力の本質
ノーランの作品のほとんどにいえることだけど、「目眩のする悪夢」を生々しい迫力で具現化した映像がすばらしい。ときどき、ものすごい世界観の頭がぐしゃぐしゃになる混乱した夢を見るときがあるのだけど、これをそのまま映像化したら、とんでもなく面白いのに、と思うときがある。ノーランはまさにそれができる稀有な監督なのだと思う。
◽️この映画を理解するのに、物理学や論理的思考が必要か?
結論から言うと、必要ないと思う。この映画は感性で見る映画だ。ストーリーと設定が極めて難しいのに、それを分かりやすくしようとはしていない。これは意図的なものだと思う。
なぜなら、この映画の世界観はもとから矛盾しており、論理的に理解しようとすればするほど、理解できないようになっているから。
話を分かりやすくしてしまうと、その矛盾性が露骨になってしまい、話に現実味がなくなってしまう。
その根本的な原因は、我々は因果律によって物事を理解しているが、この世界観では因果律が崩壊しているから。
その一つの証拠が、「回転ドア」の効果。回転ドアを使うと逆行した時間軸に入ることができるが、このとき、同じ時間の中に同時に同じものが二つ存在してしまうことになる(だから主人公は自分自身と戦うことが可能になった)。
また、回転ドアをくぐった瞬間、くぐった者は未来の時間には消滅してしまうことになる。
これは、科学の基本的な原理である質量保存の法則やエネルギー保存の法則に反する。
時間の矢やエントロピー云々の話以前に、最も基本的なところで科学的には矛盾した世界観である、ということだ。
◽️この映画のテーマ
ゴヤといえば、「我が子を喰らうサトゥルヌス」である。サトゥルヌスは時間の神であるクロノスのことだから、きっとゴヤを出したのは意図的なものだろう。
自分の子供を喰らうおぞましいサトゥルヌス(クロノス)が象徴しているのは、「現代人を犠牲にしても自分たちだけが生き残ればいい、と考える浅ましい未来人」だろう。
現代と未来の戦争といえば、ミヒャエル・エンデの言葉を思い出す。エンデは確か、こんなようなことを言っていた(うろ覚えです)。「第三次世界大戦はすでに始まっている。それは時間の戦争であり、戦っているのは、現代人と未来人だ。現代人は常に優先にある。なぜなら、現在人は環境破壊などの形で常に未来人に攻撃をしかけられるが、未来人(我々の子孫)はその攻撃を防ぐ手段が無いから」
この映画の「第三次世界大戦」は、エンデの言葉が由来である可能性があるように思う。
TENETの未来人は、現代人を全滅させても自分たちが助かればいい、と考えている、本当に最悪なヤツらだが、それは実は僕ら自身ではないだろうか?
未来人は単に現代人のツケを払わされているだけで、だからこそ、現代人を犠牲にして何が悪い、と考えるようになったのでは?
TENETのタイトルの通り、善悪がひっくりかえる。
◽️この映画の神話性(寓話的象徴性)
インセプションやインターステラー同様に、ノーランのストーリーはSFの体裁をしていながら、とても神話的だと思う。そこが、理屈を超えて無意識の肝にズシンと響いて、その神話的意味を探っていきたくなる。
・自分自身との格闘…
・セイターやキャットが、個人的な人間的な感情で世界の命運を左右するような行動をしてしまう愚かなところ(まるでギリシャ神話の神の振る舞いのよう)
・無知は武器。人間の最大の武器は、その不完全性、無知であることにある…。
・9つのパーツを集めると世界が滅びる…
・この映画全体がはじめから最後まで一枚の絵物語の巻物のように因果を越えた物語として描かれていること
・随所に言葉遊びの要素が隠れていること(TENET、オペラなどラテン語の回文が元ネタ)
◽️各キャラの象徴するもの
それぞれのキャラも深く掘り下げ甲斐がある深みがある。それぞれ、未来に対する考え方が異なる。
特にセイターとニールは、死の運命に対する受け止め方が対比されているように思う。
セイターは、自分が死の運命から逃れられないのなら、全てを道連れにしようと考えた。そこには、結果だけが意味を持つ、自分自身だけが意味をもつ、という考え方が底にある。
対してニールは、「起きたことは仕方がない」が口癖の、達観した死生観を持っている。自分が死ぬ運命を知っていながら、自分のやるべきことを果たそうとする。運命を受け入れ、全うすること、言い換えれば、生き方、プロセスに意味を見出している。そして、生きる意味の中心に、「崇高な義務感」がある。このような態度をもつ人間は、とても気高く、美しいように思う。
キャットも面白い。自由に生きる他人に憧れを持つが、実はそれは未来の自分自身だった、というオチ。自分とはまるで正反対で、憧れの対象になるような人は、実は自分の未来像である、というようなことは実際ありそうに思う。
未来人の考え方は、懐古主義的といえようか。未来を建設的に改善していこうとするのではなく。過去を美しいものとし、過去に限りなく戻っていきたい、という幼児的な幻想。
とりあえず1回目観た感想を書き散らしてみた。もう一度観てみようと思うので、またそのとき新しく発見できるものがあるかもしれない。難解な映画は何度も観る楽しみがある。
ロバート・パティンソンに惹かれる
どうしたノーラン?
ここまでのキャリアで「時間」を一貫した一つのテーマとし制作してきたノーランの最新作。
ここまでの作品群では、
深く掘り下げた世界観によってもたらされる作家性と
徹底した人物描写によって生まれる重厚なドラマの相乗効果によって
ハリウッドにおけるメジャーな評価を獲得していて、筆者もそこを評価していた。
今作はその点に於いてこれまでの作品群とは一味違うものになっている。
今作は熱力学に基づく「時間」の操作、それによって生まれる新しい行動原理と因果応報を、逆再生を用いた複雑な映像表現によって展開している一方で
人物描写とそれに伴うドラマ性を極力排除している。
主人公には背景が無く、記号化された状態で観客を巻き込んでいくのだ。
一歩下がって考えてみると、(別の意味で)面白いほど人物描写が雑であるとも言える。
現代的な「人種、性別、職業その他とそれに伴うステレオタイプ」を基準の一つとして見てみよう。
主人公はこの映画における唯一の黒人であり、背景は全くと言って良いほど明かされない。まるで「初見ではこの映画についていけないであろう全ての観客」を体現したかのように無個性で、ただ黒人であるという視覚的記号があるだけだ。
分かりやすく敵は一個人であり、典型的悪役的な性格を持つロシア人だ。そしてその妻の描写も含め、90年代のスパイ映画の設定をそのまま借りてきたかのように短絡的であると言える。
この映画で唯一と言っていい、人間的魅力を感じられる程の描写のあるニールは、白人男性で、我々の一歩先を行く「分かっている」人。
こう見るとノーランとしては珍しく、一昔前の小粒なハリウッド作品群に見られる様な、とても短絡的で、その属性が持つステレオタイプ以上の深みのないキャラクターで構成されているのがわかる。
これまで、しっかりと人間を観察し深くドラマを描いてきたノーランであるから、これは意図的なものだと考える。(でなければこの映画に対する筆者の評価は、「拗らせ設定厨の作った公開オナニー映画」位のものになる)
何故ノーランはこの様な映画にしたのか?
あまり政治的観点で映画を論じるのは好まないが、気づいた点が一つ。
映画「ゲットアウト」では、
リベラルな白人コミュニティが
主人公の「黒人」としての特徴をもてはやしながら搾取するという、マジョリティの有様を描いていたが、
果たして我々はテネットの主人公を通して同じことをしたのではないか?
黒人として白人至上主義団体KKKに潜入する映画「ブラッククランズマン」で主役を張ったジョンデイビッドワシントンを使って、
今よりも白人至上主義的であった時代に隆盛を誇った古き良きスパイ映画を楽しんだのではないか?
メタ的な映画の構造から作品を作り上げるノーランが
敢えて登場人物の背景をステレオティピカルで浅はかな人物像に抑え、ドラマ性を排除した理由があるのであれば、
そこにこそ、今この映画を公開した意味が隠されているのかもしれない。
あくまで考察の域を出ないが。
とは言え本作は、作家性と大衆性を併せ持つ「インセプション」や「インターステラー」程の完成度ではないし、
主題を映画の構造のみに絞り、シンプルに表現をした「メメント」と比べても
作りが雑である様に感じた。
少なくともこの人物・ドラマ描写の不足によって人々が混乱しているのは間違いないと思う。
巷では「複数回見ることが前提の映画」等と言われているが、
筆者の様に同じ映画を複数回観るタチの人間からしても、
映画は初見で納得がいく作りの方が良い。
本作においては、初見の観客が置いていかれるであろうシーンは作品側の説明不足な点が多い。
混乱しながらも一生懸命考察し、ノーランについて行こうとするファン達の気持ちも分かるが、
描写不足の映画を作って腕を組みほくそ笑んでいるノーランの姿を想像してしまい、それをどこか滑稽に感じてしまった。
ただ、コロナで世界的な不況と通常営業への圧力があるこのタイミングで、劇場公開を押し通した点はリスペクトする。
「ノーランの奇妙な冒険 ジャンボジェットを砕きたい」
秘密結社「テネット」へスカウトされたCIAの男が、第三次世界大戦を阻止するためにインポッシブルなミッションに挑む!というスパイアクション映画。
監督/製作/脚本は「ダークナイト・トリロジー」や『インセプション』のクリストファー・ノーラン。
主人公である名もなき男を演じたのは『ブラック・クランズマン』のジョン・デヴィッド・ワシントン。
主人公の相棒ニールを演じたのは『ハリー・ポッター』シリーズや『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソン。
ヒロインである鑑定士キャットを演じるのは『華麗なるギャツビー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のエリザベス・デビッキ。
「テネット」の一員で最終ミッションの指揮官を務めた男、アイヴスを演じたのは『キック・アス』シリーズや『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のアーロン・テイラー=ジョンソン。
イギリス情報機関のエージェント、クロズビー卿を演じたのは「ダークナイト・トリロジー」や『インセプション』など、ノーラン監督作品の常連であるレジェンド名優サー・マイケル・ケイン,CBE。
本作のヴィランである武器商人アンドレイ・セイターを演じたのはノーラン監督作品『ダンケルク』にも出演しているイギリスを代表する名優サー・ケネス・ブラナー,CBE。
第93回 アカデミー賞において、視覚効果賞を受賞!
コロナ禍の影響により今年公開予定だった大作映画が次々と延期になるなか、ついに公開された超目玉大作『テネット』!
入場制限が課せられているとはいえ、映画館は満員!本作の期待値の高さが窺えます。
本作ははっきり言ってアイデア一発の作品。
「逆行する時間」の中でスパイアクションを繰り広げるという、映画史上初の試みを実行しています。
「エントロピーが何やらかんやら」「祖父殺しがどうたらこうたら」と、本作におけるタイムコントロールの説明や設定を解説するセリフがだらだら続きますが、はっきり言って無視してオッケー👌
博士っぽい人が「頭で考えるな。感じろ。」と言っている通り、「なんか逆再生ぽいことが出来る世界」と思っておけば良い。
なんか難しい映画だと言われていますが「逆再生パワー」で人類滅亡を図るテンプレ悪役を、こっちも「逆再生パワー」を使ってやっつける、というサイコーに単純でバカっぽい物語です。
そもそもノーランって、ミステリー作家のような「結論から物語を作り上げる」というタイプの作家ではないですよね。
週間連載している少年マンガ家のように、撮りたいシーンをつなぎ合わせて物語を作り上げる作家なんだと思ってます。彼の作品を観るとすごく荒木飛呂彦先生の作品のことを思い出すんですよねー。
「弾丸が銃口に戻ったらカッコ良くね!?🔫」
「ジャンボジェットをぶっ壊したら派手じゃね!?✈️💥」
「消防車でカーチェイスしたらワクワクするダロォ〜!?🚒🚛」
「デッカいお船でセーリングしたらカッチョいいダルォ〜!?🌊🚢」
「逆再生の世界に主人公が入り込むとか、すげぇアイデアじゃね!?⏳↩️」
「炎が氷になる…?これってすげぇかっこいいんですけど!!🔥🥶」
「やっぱり悪役の目的は人類滅亡だな。だってなぜなら悪い奴だから。🌎💀」
みたいな、馬鹿っぽいノリこそがノーラン節!
小難しいことやってケムに巻いているけど、妄想好きな中2がそのまま大人になった男、それがノーランでしょ。
本来なら金塊で目眩しするとか、顔がむかつくという理由で計画無視してラスボス撃ち殺しちゃうとか、ギャグシーンとして描くようなものなんだけど、そこを真面目なシーンとして撮ってしまうんだよなぁ…😓
クソ真面目な作風がノーランの持ち味ではあるんだけど、もっと肩の力を抜いたアクション映画を撮ればいいのに、とノーラン作品を観るたびに思ってしまう。
まぁ、本作も普通に面白かったし、どんなジャンルの映画を撮っても60点は確実に超えてくれる超優秀なクリエイターなんだけどさ。
グダグダ言いましたが、映画館で観るべき作品なのは間違いない!
「逆行する世界」というアイデアはすげぇ面白い!
本当にどうやって撮影したのかわからない、摩訶不思議な映画の世界に案内してくれます!
そしてヒロインのエリザベス・デビッキのビジュアル!
一体何頭身なんだよあの人…。
191cmあるらしく、主人公であるジョン・デヴィッド・ワシントンも小柄ではないはずなのだが、正直かわいそうなくらいちっちゃく見える。
キャットというキャラクターは出来損ないのボンドガールみたいで好きにはなれなかったが、エリザベス・デビッキは本当に素晴らしかった。
彼女が映るだけで映像がスペシャルなものになります。
『GotG2』で金ピカのエイリアンやってた人とは思えない🤣
「逆行の世界」というアイデアは最高に面白い!😆
…なんだけど、この「逆行の世界」に入り込むのは80分過ぎたあたり。
それまでは普通のスパイ映画を観させられる。
…ノーラン、『007』が好きなのはわかった。
でも、本作は「逆行」という最高のアイデアがあるんだから、映画前半からどんどん見せてくれよっーー!😭
この前半が退屈で退屈で…。
この映画の構造上、2回観る必要が絶対にあるんだけど、前半の退屈さを考えるとそのまま2回目に突入するのは無理でした…。
キャラクターの描き方も難あり。
主人公のキャラクター像が薄ぼんやりしているのは、物語の展開上意図的なものだろうし、それは全然オッケー。
問題はポッと出てくる登場人物たち。
「飛行機係」のマヒアとか、司令官のデイビスとか、もうちょっとキャラ立ちさせても良かったでしょう。これじゃあただの便利アイテムだよ。
ニールも初登場のインパクトが薄すぎて、途中までただのモブキャラかと思ってた。
悪役のセイターもなぁ〜。存在を消された村出身の、世界滅亡を企む自殺願望のある武器商人かつ時間操作能力者かつ尻の穴の小さいDV男というなんか凄い盛り沢山なキャラクター。
これだけ属性を盛ればキャラ立ちしそうなものなんだけど、つまらないキャラクターなんだよなぁ。
こんなに面白くなりそうなキャラクターをつまらないテンプレ悪役にしちゃうのは逆に凄い。
アイデアや映像表現に注力している反面、ドラマやキャラクターはかなり疎かにしている、という印象を受けた。
一番の問題はクライマックスの挟み撃ち作戦。
「順行する世界」と「逆行する世界」の挟撃作戦というのは確かに面白い!
…なんだけど、いかんせんアクションが全然面白くなかった。
建物をRPGみたいなのでぶっ飛ばすところ以外、見所となるアクションシーンがなかったんですよね。
スパイ映画なんだから、やっぱり最後は「順行」の世界に主人公、「逆行」の世界ではニールが単騎潜入してアルゴリズムの破壊を目指す。ラストは2人がかりで敵の超強いやつと戦うみたいな、ベタベタの王道展開が観たかったなぁ。
あと、本作で物足りなかったもの。それは「音楽」!
『クリード』『フルートベール駅で』のファンなのでルドウィグ・ゴランソンがフィルムスコアを手掛けると知った時は嬉しかったのですが、ウーン…😥
「逆行する世界」では音楽が逆回しっぽくなってるとか、アイデアは良かったんですけど全体的に地味というか印象に残らない。
『007』の「パラッパラ〜、パ〜ラ〜」とか『スパイ大作戦』の「チャッチャッ、チャッチャ、パラパ〜パラッ」とか、耳に残るテーマソングがあればこの映画の個人的評価は爆上がりしてましたね。
ジョン・バリーとかラロ・シフリンみたいな天才がいればねぇ〜…。
いやぁ、しかし「時間の逆行」という複雑なテーマを扱い、それをここまで視覚的に面白いものに仕上げるとは、さすがクリストファー・ノーラン。
ノーランさん、次の仕事は『ジョジョの奇妙な冒険』の実写映画化は如何ですか?
ノーランの撮る「キンクリ」とか「D4C」が見たい(笑)
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