TENET テネットのレビュー・感想・評価
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2時間半が一瞬。2度目でやっと見た!と感じる映画
一度ではこの映画を見たとは言えない、2度見てやっとテネットみたよ、と言っていい気がする。
そのくらいの情報量だし、挑戦的な映画でワクワクした。
1回目は、imaxで迫力の映像と重低音の音響を直感的に楽しんで。
2回目は、順行逆行の世界にどっぷり浸かって奥行きを噛みしめて頭をフル回転させる。
スパイものベースのストーリーだからそれ自体はシンプルです。
順行逆行の概念がとても複雑で緻密に計算されているので、どのシーンも見逃せないほどの情報量で圧倒される。
(その分、ドラマ感は控えめであっさりしていたので、私はインセプションのほうが好き)
2度見てやっとすっきりできました。
すっきり、といっても、まだ自分が満足する程度なので、見逃しはたくさんありますが。
2回見ても本当に2時間半があっという間に過ぎていたことに驚き。
これから2度目を見る方は、ぜひパンフやネットで情報補って行って下さい!!
順行が赤、逆行が青、だけでも頭に入れていくと1度目から楽しめるかも。
難しい!壮大なSF
時間の「逆行」?
パラドックス?アルゴリズム?
エントロピーの減少???
所見で理解するにはとても無理な、壮大な設定。
また話の展開も早く、 組み込まれたストーリーに追い付くもの大変で、さらに長編ということにとても疲れました。
ただ、観終わったあとには、新たなSF映画を体験できたことに身震いしました。
時間を遡ることに対する、新しい解釈。とても面白かったです!所見では所々で頭が?になってしまい、掘り下げ甲斐がある映画です。
「過ぎてしまったことはしょうがない」
科学的な理論で固められた緻密なこの映画内で、劇中のこの言葉が、設定を理解できてないジブンに、「まぁ、しょうがないさ」と少しやさしく語りかけられてるように感じました(笑)
同じパターンが過ぎる。
映画あまり見ない、ノーラン監督なんてよく知らない、という人向け。勿論、知的情報ベースのは無理という人は、アクションだけ楽しめばいいんだけど。
世界救済物語は、正直ウンザリしてるので、またそれかと入りから多少へこみつつ鑑賞。期待していたので、反動もあるかな。のっぽ女があまりに見た目だけのフツーなので、守ろう精神にもイマイチ身が入らず、途中から飽き気味でした。
ターミネーター以降の?使い古された第三次世界大戦とか、プルトニウムとか、アルゴリズムとか……。そして、時間を制するものが世界を制する的エントロピー。未来との挟み撃ちですか。マーベルでまたなんかやれば良かったのに。既視感が多くて、伏線回収も、これといって驚く様な展開もなし。極めつけが未来の自分からのプレゼントという。同じパターンが過ぎます。
逆行というか巻き戻し同時進行の映像は見応えがあるものの、カメラが奥行がなくて退屈さを助長した感じ。ミッション・インポッシブルをしたいのかなんなのか、大したテーマも無く、難解な娯楽作品という二番煎じはいただけなかった。何しろ相手がただのクズマフィアなので、こちらも全く魅力が無く、自分の命と道連れに世界を消すってかなり小さい話。未来と取引してるなら、治療でもして来いよ、機械人間でもいいしとシラケる話。
インターステラーの矮小版にして、骨無しぜい肉だけの作品という印象。アクションは、マッチョですが。主人公が外に出るとなった時は結構期待したんだけどな。w 鳥が戻ってる。気にするな。的な、のっけからタイムリープを受け入れ過ぎ。リアリティが消失し過ぎてつまらない典型になった。未来との取引なんて、みんなやってる事よ、だってさ。富豪達の脱税は、マイケル・ムーアに頑張ってほしい。ww
ただ、またもう1つのサイエンス・フィクションを金かけて作ってくれた事に感謝しての3。もう一回見て、理解度が深まったところで、という作品。エンタメとして、料金分楽しみました。
時間のパラドクス
今来た道をムーンウォークする話。
鑑賞前に難しいと言う声があったので、伏線を逃すまいと画面を食い入るように見つめ続けました。
クリストファーノーラン作品では、難しい専門用語が沢山出てきて混乱することがあるけど、台詞や小道具、伏線から状況整理できるように工夫されているので、見慣れてくればキーワードやキーパーソンに気づくことができる。
今回も登場人物一人ひとりにとっての時間の流れ方が回転扉をくぐるたびに変わるので、順行しているのか、逆行しているのかをキャラクターごとに理解しながら鑑賞する必要があった。
けど、過去作よりも丁寧に色分けされていたり、音楽が裏打ちになったりととても分かりやすく概念を視覚化していたので、迷子になることなく完走できた。
ただ、クリストファーノーラン作品初見の人には見にくい映画だろうなと思いました。
映画を見た後に考察する楽しさがあるので、是非、映画を語るのが好きな方と一緒に劇場でご覧ください。
とても見応えのある作品でした。
珍しくもう一度観たくなった
自分は、同じ映画を何度も観るということをあまりしないのですが(その分観たことのない作品を観よう、と思いがちなため)「もう一回観よう」と思った作品でした。
前評判から「最初から最後まで分からない」「意味不明」といった感想を見かけていたので、観客おいてけぼりのとっちらかった退屈な映画だったらどうしよう、などと思っていたのですが杞憂でした。
開幕からほんのり続く居心地の悪さ。
何かあるだろう、でもよく分からない。
いつのまにかパズルのピースが揃っていて、後半はなるほど!の連続でした。
考察や解説を見て気づいたこともたくさんあり、それを見たからこそもう一度観たくなる、個人的には珍しい映画でした。
思えばシャッターアイランドでも同じような感想を抱きました。
すべて紐解けばきちんと理由があり、調べれば筋が通る。意味のないことはない。こういった形の難しさは大好物でした。
考えるな!感じろ!
クリストファー・ノーランの最新作!
2回観てきましたが、2回目観たときは結構理解出来て良かったです。
コロナ禍の中で久々にハリウッドの大作映画が公開されるということで、彼の作品としては今までで以上にSNS上で話題になっていてお祭り騒ぎです(笑)
さぁ、そんな本作ですが…
またしても凄い映画です!
彼はこれまで、
ダークナイト3部作、インセプション、インターステラーと数々の革新的で素晴らしい名作を作ってきましたが、これだけの作品群を作ってきてまだこんな革新的な映画が作れるのかと思うと本当に凄いです!
今回のあらすじは、第3次世界大戦を阻止するべくジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公がミッションに挑むSFスパイアクション。
内容的には007の影響が強いインセプションに近いですかね。
ただ、今回は話が世界規模であること、テーマが「時間」であることが大きなポイント。
ノーランの作品はこれまでも時間を自在に操る演出方法や、劇中で時間の流れが変わったりする作品を色々と撮ってきましたが、本作では「時間の逆行」という、遂に時間そのものを主軸とした作品を作ってしまいました!
時間を逆再生させる映画は演出法のみで言うと「メメント」を彷彿とさせますが、今回は登場人物をタイムリープさせて逆行させるというクレイジーかつ野心的な設定がアクション要素を盛り込みながら展開されていました。
タイムリープものの有名な代表作を全て観てるわけではないのですが、自分はハリウッド大作の映画でここまでタイムリープを深く描いた映画は観たことが無いです。
そのタイムリープ(時間の逆行)を、陽電子という量子の理論を用いているので、本作における科学的な考察をするとキリが無いほど出来そうです。
そんな興味深い「時間の逆行」を主軸としながら、かつ迫力あるアクションを盛り込んでいるので、本当に面白い!
中でも、主人公と逆行してる人間が戦うアクションシーン!
時間が正しく進んでる人間と逆行してる人間が戦ってるので正直2回観てもわけが解らなくなりますが、わけが解らないからこそ、非常に奇妙で不思議な動きをするので、非常に興味深くてただただ映像に釘付けです!
また、消防車を使った中盤のミッションシーンも個人的に凄く好きです。
また、この映画において一番興味深いキャラクターは、ロバート・パティンソン演じる主人公の相棒ニールです!
準主人公として素晴らしく援護射撃をしているし、相棒のキャラクターとしてこれ以上無いくらい素晴らしい活躍をしていて頼もしいです。
はっきり言って、主人公はニールがいなければ確実に死んでます(笑)
彼の信条もとても興味深く、本作で一番好きになれたキャラクターでした!
演じたロバート・パティンソンも、良い役者になったなぁ。
また、本作における伏線の回収もお見事!
この映画、前半のあらすじは後半の伏線回収のための内容にほぼなってるので初め観たときは若干退屈に感じる部分もありましたが、伏線が何ヵ所も張っているので、それが後半に一気に回収されるので、本当に圧巻です!
ちなみに、初めて観たときは後半に物凄く熱が 入りましたが、2回目を観ると前半がより面白くなるので、また違った視点で楽しめました。
ただ、今作は設定の興味深さと映像センスに比重を置いたからか、エモーショナルなストーリー展開はインターステラーやダークナイトに比べてそんなに無かったように思えます。
ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公は好きではありますが、主人公が何者かというのもそこまで明かされないからか、映画見終わった後も相棒のニールほど好きになれたわけでは無かったです。
個人的にはそこが物足りなかった所であり、そこに関しては賛否解れてます。
また、クリストファー・ノーランの映画はただでさえ情報量が多い上に設定も複雑なので、単純なストーリーを望んでる方は正直他のノーラン作品以上に苦手かもしれないです。
しかし、自分のように情報量が多くて1回で理解出来なくてもどんどん引き込まれる方には本当に素晴らしい傑作映画です!
自分はインセプションで映画を何度か観る楽しさを教わりましたが、久々に何度も観たくなる楽しさを新作映画で味わえました!
ありがとう、ノーラン!
エンタメの快作だが奥深い感動はない
この映画を観てわかったことは、
シンプルに発想力がすごかった
物語の最初は難しく感じるかもしれないが、中盤から終わりにかけて一気に加速してとても面白かった
とくに、時間の逆行の表現の仕方がよく思いついたなと思えた。
個人的にニール役のロバート・パティンソンと、アイブス役のアーロン・テイラー・ジョンソンは好きな俳優だったので活躍が見れてよかった
何回見ても楽しめる映画だと思う
その深い因果性に、思考のループに陥る中毒性のある作品
※初見、パンフ買えず。考察に見当違いがあるかもしれないが、最初の感覚を忘れたくないので書き記す。
※※※※※
待ちに待ったノーランの新作、お預け食らわずに公開してくれて嬉しい限りだが、うーん、これは確かに難解。難解というか、めくるめく時間の流れに自分が迷子にならないよう、ついて行くのに必死。
だけど予想の範囲だった箇所も多々あるし(マスクの逆行兵士やニールやテネットのボスの正体など)、核となるストーリーの大筋は理解できた。
言い換えれば、既視感のあるSF作品の範疇を超えてはいなかったともいえる。
王道のストーリーだが、時間が戻る様子を可視化したという点で新境地。
手垢にまみれたSFタイムパラドックスものが溢れる中、まったく新しい描き方ができるのかと脱帽。
しかし考えてみれば、今までのタイムトラベル・スリップ・リープの時間の飛び方の方がご都合主義だったのではないか?
新作ごとに作品を超えてくるノーラン。難解すぎると批判する前に、こんな世界を幾人が可視化できるのか考えてみて!と言いたい。
また、物理の法則ばかりに囚われると映画の主題が見えなくなってしまう。
不思議なもので、思い返せば思い返すほど人物の関係性に因果の業を感じるし、〈名無し〉が〈主役〉に転じたラストのメッセージ性も深みを増す。
ちょいと乗り切れないのは、ジョン演じる名無しが、あまりノーランの描く世界観にマッチしてないところ。劇中で着こなせない高級スーツを見透かされた名無しのように、演じるジョンが「硬質でスタイリッシュすぎる」ノーランの世界にどうもしっくりこない。そこも計算してのキャスティングなら舌を巻くが、あくまで私の主観なので違うだろう。
ま、とにかくノーラン作品には哀愁漂う雰囲気を醸す俳優が似合う気がする。
また、名無しがキャットに一目惚れしたような色気を演出していない割には、彼女に固執しているのがひっかかる。そのバランスは難しいところだったのだろう。
●複雑な逆行世界
閑話休題。
さて本題の逆行だが、これは今までのタイムリープ系と違って、大いに複雑。なぜなら前出の場合は、現在から過去に瞬間移動するようなもので、戻った時点から時間は順行する。
タイムリープはファミコン時代のスーパーマリオブラザーズ(初期)で例えると、「何度か同じ面を繰り返し失敗したらリセットして、また一からステージをクリアすればいい」ので、リセットをして再びスイッチを入れるまでの時間は、マリオにとって消失してるのと同じだ。
しかし今回は「〈スタートから進むマリオの結果を知る〉マリオ」が、ゴール近くの土管から左スクロールで進んでくるのである。しかもそのマリオは「戻ってくる」わけではない。スタートから進む右・スクロールマリオの動きをトレースしてるわけではなく、自由意志で「進んで」くる。左スクロール・マリオは、何が起きるかわかっているから、右スクロール・マリオのために背後からクッパをフルボッコできるし、現れた瞬時クリボーを踏みつけることもできる。
「ジョジョの奇妙な冒険」の吉良並のチートさかよと思うが、以外と厄介である。スタンドと違い自分の意志で左スクロールに動く流れは止められないし、タイミングを間違うと振り向いたクッパに反撃される危険性もある。しかもエントロピーの法則でエネルギーは反対側に向かうから、クッパの炎は氷に変わる。吸おうとしても酸素は逃げていくから酸素マスクが必要だ。
そしてマリオ同士がぶつかると2体ともジ・エンドになるんだよ、と物理の法則とやらが決めてるし、永遠に逆方向へ進んでも仕方ないので、左スクロール・マリオはどこかの土管に入り右スクロール世界へ戻るか、ひっそりと崖から飛び降りるしかない。
要するに横スクロールが〈時間〉なら、ステージは〈空間〉。同じ空間に違う流れで進むマリオが2体いるのである。
なんかややこしくなってきたし、この例え、的外れな気もしてきた。
鑑賞を進めると忘れてしまいそうになるが、逆行するのは人だけではなく物質も。
バーバラが序章で説明したように、使い手が「撃つ」「持つ」という意思を持ってから対象に及ぼす一連運動が終わるまで。
なので、観客はその画(え)が「順行世界で〈逆行している物質〉を見ている」のか、それとも「逆行世界で〈順行世界を見ている〉人間の視点」なのか、よくよく気を引き締めなければならない。
監督も最初から理解してもらうことを放棄してなのか、バーバラに「理解しないで、感じて」と言わしめてるのが少し情けない。
正解はノーランの頭の中だけだが、疑問に対しての考察を進める。
●アルゴリズムとは。未来はいつなのか
テネットの戦う相手は姿が見えない未来人。
未来のある科学者は、環境破壊による滅亡から人類を救うため地球丸ごと時間が逆行する装置を作ったが、全てが逆行すると先祖たちが滅亡してしまう=未来の自分たちも死ぬ(祖父殺しのパラドックス)理論に絶望して、そのアルゴリズムを9つに分解して過去に隠し、自殺する。
しかし今そこにある危機に瀕している未来人たちは、結果はどうであれ、アルゴリズムを起動させたいと考える。
そこでセイターを利用しアルゴリズムを集めさせてるわけだが、未来から逆行武器や報酬の金を届けてることを考えると、逆行中の時も等しく流れている故に経年劣化してしまうので、それほど遠くない未来だと思われる。
テネット側も未来からエントロピーが反対の物質を利用しており、先祖に味方する未来人もいることが明かされる。プリヤやニールは、〈記録〉があるからだというが、ではその記録の起点はどこか。
起こったことを知っている名無しが記録し、テネットを形成したのは間違いない。テネット部隊は順行時間で結成されたのか、未来で結成され未来から逆行してきたのかは今思うと謎だ。しかし、あんなに大勢が逆行してくるのは無理があるので、やはり届いた〈記録〉を元に現代で結成されたと思われる。
その〈記録〉はニールが持って逆行し、現代でテネットを結成した可能性もある。また、未来人がセイターを操ったように、現代へ色々届けていたのは名無しと逆行→順行に転じたキャットなのかもしれない。
話は変わるが、アルゴリズムというと『虐殺器官』をつい思い出してしまう。
アルゴリズムが物質そのものとも、式そのものとも判別できないところがまた、興味を掻き立てる。
●未来人が逆行してアルゴリズムを探さないわけ
科学者が逆行の状態でアルゴリズムを隠したのか、順行に転じてから隠したのかを忘れてしまった。
前者だとすれば〈そもそも起動したら逆行のエネルギーを世界に与えるアルゴリズム〉に、〈更に逆行のエネルギー〉が付加されたことになる。となれば、逆行の逆行は順行になるので、未来でもアルゴリズムは完成して手元にある可能性もある。
エントロピーの法則ではエネルギーがAからBに平均化するまで止まらない。未来と過去で同時にアルゴリズムを起動させてぶつかり合う時の地点で、未来の逆行は順行に転換するのかもしれない。それこそ未来人の勝利で、順行世界は逆行になり我々は窒息して死ぬのだ。
セイターの忠実な僕は未来人であり、お目付け役兼補佐なのかもしれない。名無しを助けるニールがいるように。
●果たして彼らはタイムループから抜け出せたのか?「俺が主役だ」のセリフの意味とは
ラスト、ニールは「過去を作りにいく」と言う。名無しを助けるために死ににいくわけであるが(胸熱)、順行世界ではまだ幼いニール=マキシム坊ちゃんが成長して、〈テネットのボス〉になった名無しに命じられ、逆行するという行程を踏まないといけない。
ということは結果が先にあってそれを元に動くという〈卵か先か、鶏が先か〉問題が解決していないように思える。
ニールはまた、「起きたことは取り消せない」とも言った。
この時間軸ではテネットが成功し順行世界は無事だから、成功するように動かなければならない。そうなると、やはり結果ありきのループに思える。
しかし起きたことが取り消せないのであれば、セイターの死は確実だし、アルゴリズムも分解できたので、後で名無しが操るはずの武器商人プリヤを殺すことによってループを壊し、そこから先は新しい未来=パラレルワールドに突入したともいえる。
となれば、〈主役〉には「フィクサーは俺だった」という意味と、「これから予測不可能な未来を自分の意志で生きる決意」の意味の二通りを感じることができる。まさに時に翻弄されるだけの「名無し」から〈人生の主役〉に転じた瞬間だ。
ニールが言ったように、未来は誰にもわからないのだから。
●ニールの正体、逆行キャットのその後は
動機を考えると、ニールはキャットの息子マキシムで間違いないだろう。
名無しが回転扉をくぐったあとに外へでようとすると無茶だと止められるシーンがあるので、いかに逆行世界が危険なのかをわかっているニールは、回転扉を通った後はひたすらモグラのように籠もっていたのかもしれない。
逆行中も遡った分だけ歳はとるので、30代に見える彼は、その青年期を逆行のために捧げたと言える。
こんな過酷なことを名無し男が命じるとは思えず、セイターから逃れたキャット母さんが名無しへ感謝する姿を見て育ったマキシム坊ちゃんが、自分から志願したのではないだろうか。
ここで疑問、作戦が成功した後の逆行→順行キャットはどうなったのだろうか。作戦が成功した以上、元々の順行キャットはセイターに脅かされないわけだし、ラスト登場するキャットは全てを知っている逆行キャットではなく、順行キャットだった(と私は思う)。
ループするのであれば、順行キャットが順行セイターに撃たれて…という時間がくるまで自分に会わないよう慎重に行動して、その後の人生を謳歌すればいいが、ループが壊れたと仮定すると同じ人間2人が存在し続けることになる。
これは名無しにも言えることで、一つの疑問である。
こうして考えてみると自説に反証する自分もいて、思考の∞ループにはまってしまう。まさに中毒性のある作品だ。
ループしない希望のある話だと思いたい自分もいるし、ループしてアルゴリズムを阻止し続ける悲劇を想像してしまう自分もいる。
難解という負のエネルギーを転換すると、登場人物の視点を変えて何回鑑賞しても楽しめる超娯楽作品と言い換えられる。
青のロゴマークを見たら最後、観客は劇場に逆行したくなるに違いない。
※どうでもいいけど、更新する度にネタバレが外れる映画コムのアプリの仕様、どうにかなんないかな。
おお、いいね。難解だ。
全969件中、541~560件目を表示