「時間の逆行」TENET テネット 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
時間の逆行
難解だと評判になったクリストファー・ノーラン監督作。
SFアクション大作で、プルトニウムを使用して、
「第三次世界大戦」を目論む悪徳武器商人の企みを阻止する話し。
まぁストーリーより列車が逆走する最初のシーンから、
カーチェイス、人も後ろ歩きしたり、「時間の逆行」のアイデアが
奇抜で驚かされる。
『メメント』『インターステラー』『インセプション』『ダンケルク』と、
ノーラン監督の作品はどれも時間と関係が深い。
本作は『時間の逆行』のアイデアではじめから最後まで一貫して
押し切っている。
なんだか書いていても訳が分からなくなって来た。
「何故、名も無き男は、過去と現在を行き来しなければならないのだろう?」
「過去を書き換えるため?」
「そもそも、名も無き男は、何故過去へ行ったのだろう?」
これは、名も無き男の意図ではなく、監督のこの映画のコンセプトだから?
「過去や現在を行き来したから、第三次世界大戦を阻止できたのか?」
「過去へ逆行せずには出来ないことだったのか?」
様々な疑問が湧く。
私は何も分かっていない。
イヤ、そんなことは、どうでも良いのかもしれない。
兎も角、ノーラン監督は
逆走する列車や、
逆走する車のカーチェイスがやりたかったんだ!
疑問・・・過去へ行く時のマスクは何のために必要だったのだろう?
(なんか言ってた気がするが思い出せない)
(・・・言葉も逆再生の様に聞こえる。そのため酸素が吸えなくなるので、
(・・・マスクをする・・・ネタバレ解説・・・)
TENETに戻ろう。
悪役はロシア人らしき武器商人のケネス・ブラナー。
結婚生活の破綻している夫婦で、妻は191センチの長身の
エリザベス・デビッキ。
ノーラン監督は最初からデビッキをヒロインに決めていて、
当て書きだったそうな。
その長い足は、クルーズ船から海へ飛び込むシーンやら、
途中、彼女が車の後部座席に縛られていて、車は走っている・・・
車を止めようと長い足でハンドルを操作しようとするも叶わず、
名も無き男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が併走する車から
横っ飛び乗ってブレーキを手で踏むのだが・・・
中々面白いシーンではあった。
ボーイングのエアバスが爆破されたり、本物だと言うから
贅沢な話である。
本物志向が強くCGの嫌いな監督は、
カーチェイスの逆行も、逆行しながら揉み合う格闘シーンも
実際にやったらしいから、スタントマンもキャストも
大変な撮影だった思う。
終盤のプルトニウム奪還大作戦!
この戦いは、「挟み撃ち攻撃」と名付けられる。
タイムリミットを10分先に設定する「赤チーム=前進」と、
タイムリミットを10分前に設定する「青チーム=逆行」の、
2手に分かれて戦う!!
地雷の煙が地面に吸い込まれたり奇妙なものだったが、
大迫力のクライマックス・シーンだ。
(編集によって時間を操作する)
(現在時間を飛ばて早送りしたり、過去を巻き戻してつなげる)
ラストでニール(ロバート・パティソン)と
名も無き男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)の、
ホントの主従関係が明らかになる。
キャットと名も無き男に流れてみえた「愛」のようなもの。
・・・それは観客の錯覚に過ぎなかったのか?
過去にも現在にも未来にも、ノーランの世界は、
愛する女無き世界なのか?
琥珀糖さん、共感、コメント、フォローありがとうございます。
私のレビューは映画の感想と言うより、雑談、余談、漫談のたぐいでございます。なんかごめんなさい。
この映画は難しいんですが妙に記憶に残る映画でした。
たしかにノーラン監督の描く映画には、"情愛" という感覚が極めて乏しい感じがしますね。それは「ダンケルク」ですら。自他ともに認めるところであるらしい「キューブリックの再来」という表現もわかる気がします。映画が "硬質" ですよね。