「申し訳ないけど、、」TENET テネット 浜松町非在住さんの映画レビュー(感想・評価)
申し訳ないけど、、
監督はべつに嫌いじゃないです。
ダンケルクは爆音の映画館で見て、めちゃくちゃ感動しました。
TENET。
なんて評価すればいいのか、正直すぐには言葉が出てきません。
ただ、ストーリーが難解だとか、設定が新しいとか、
そういう婉曲表現はつまらない映画にふさわしいものかな、と思います。
新しいSFを狙ったのであれば、中盤以降の謎のラブロマンス展開はいらないし、
もう少し科学的に攻めてほしかった。
サスペンスを狙ったのであれば、前衛的なSF展開で視聴者置いてけぼりのままにストーリーを進行させないでほしかった。
一言で言えば、そう、「よくある色々手を出そうとして失敗している作品」という評価が当てはまるかな。
少しでも科学をかじった人間であれば、
女史が説明してくれる「時間の巻き戻り」についての、非常に曖昧で稚拙な説明について、
違和感を覚えるのは間違いないでしょう。
その時点で、あ、これはダメだ、ついていけない、となります。
譲歩して「その時点で分からなくとも途中で分かればいい」という心持ちで見たとしても、
途中で心を折られるくらいに、展開がつまらない。
あちらこちら、カメラが暗転しては、色んな場所で人と会話するシーンが続き、
結局、感情移入できないままミッションが始まるのを眺めることになります。
というか、結局、SF設定も意味不明です。
所詮SFなんて科学の皮を被ったファンタジーですが、にしても説得力が無さすぎる。
途中からSFというよりもサスペンス+ラブロマンスであり、
逆回しの特殊撮影もとくに新鮮味はないです。
総じて、言いにくいですが、非常に駄作。
新しい時代のSFを期待していただけに、残念な気持ちになりました。