「正直わからんかったけど!」TENET テネット きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
正直わからんかったけど!
ノーラン監督…SF…これはヤベー映画だな?と思いながら観に行ったらやっぱりわからなかったですね!会話も展開も速く、情報量が詰まりに詰まっています。正直半分も理解できていないと思うので、変なことを書いてしまっていたらすみません…。理解できないことも含めてレビューだと思って書かせてもらいますね!
時間の逆行に対して、物理的な独自の解釈をつけているのが興味深いですね。火が氷に、とか。私は物理や科学はてんでダメなので、どのくらい事実に即しているのかはわかりませんが。
よくあるドラえもん的なタイムスリップならわかりやすいんですけど、本作は逆行が地続きというか。これがまあ本作の肝、そして混乱の元で。ドラえもんは現在の1点から過去および未来の1点への逆行(時間と空間を飛び越える)ですが、本作は現在の1点から過去へ向かって線を逆走する、Uターンして過去に戻っていく、という感じ。で、自分が逆行している間も世界の時間は未来へ進んでいく。つまり1年間逆行し続けていても1歳歳を取る、ということみたいです。
ドラえもんは過去や未来に出たらそこからは順行だけど、本作は回転ドアにもう1度入らないと順行に戻れない、と。
順行視点で弾痕が見えている、ということは、逆行側が行ったことが先に結果(未来)として決定づけられる…ということですかね?カーチェイス時に逆行した主人公がクラッシュしたことから、順行視点で起きたことは変えられないようです。
こんなに壮大な挟撃作戦は初めて見ました。このアイデアを映像化できたことだけでも結構な価値があるんじゃないかと思います。でも最終決戦もごちゃごちゃしていてわかりにくかったなあ…。ただただ圧倒されていた記憶しかありません。
気づけていないところたくさんあるんだろうなあ。鑑賞中にピンと来たのはキャットの回想にあった、船から海に飛び込んだ女性が実は未来の自分だったっていうところくらいです。
カーチェイスの場面とかも速くってどうなっとんねんって感じでしたね。私自身が逆行して見直したくなりました笑
逆行のバトルは映像として凄くおもしろかったので、もっと見たかったです。
時間逆行のギミックと映像は素晴らしかったのですが、人物面がちょっと弱いかと思いました。私は物語において登場人物の魅力を重要視しがちなのですが、その点では特に悪役セイターはいまいち刺さりませんでした。
好きだったのは、おそらく皆さんも好きだろう、ニールですね。最後の一連のセリフは涙腺に来ました。『ダンケルク』での時間が1点に重なるシーンと同じような感動を覚えました。主人公の方は知らないっていうのも切なくてグッときますね。そんで過去を作りにって。なんかもうずるい。格好よすぎか?未来への想像の幅を持たせる意味もありますね。ニール視点も作ってもらえませんかね!?
キャットも綺麗で格好いい。セイターの前での冷徹な顔と息子に接する優しいお母さんの顔のギャップが好きでした。
主人公も中盤の「老衰で」なんかのユーモラスな会話とか作戦前にエスプレッソ貰っちゃうところとか好きですね。
ラストで爆発は起きなかったってナレーションが入りましたが、あれは未来が変わった=パラレルワールドに入ったってことでいいんでしょうか?するとTENETもなくなる…?それとも未来人とのイタチごっこになるのか…?あれ、でも起きたことは変えられないんでしたよね?私の勘違いかもです。
BGMも映画館だと重低音がガッツリ身体に響いてよかったですね。冒頭のオペラハウスからいきなりドンッときて、ずっと引き込まれっぱなしでした。次は何が起こるんだろうって全然気が抜けないし、飽きる隙もなかったです。
初見じゃ正直わからんことが多すぎましたが、これからまた皆さんの解説や考察を読んで理解を深めて、楽しみたいと思います。理解できた点が増えれば増えるほど好きになる作品だと思います。難解な作品の醍醐味ですね!
他の方のレビューとか色々読み漁らせていただいて書きたいことが増えちゃったので加筆しますね…!
まず、TENETという題名。挟撃作戦の10分間の5分地点で順行と逆行で挟み撃ちって意味だったんですね。お洒落ですねえ。
順行が赤、逆行が青というのは、カーチェイス後の回転ドアの場面でも照明の色で表していましたね。そしてなんと、WBのロゴがオープニングは赤で、エンディングは青だと気付いた方がいらっしゃいました。言われてみれば確かに…!
セイターとキャットの息子のマックス=ニール説が結構有力みたいですね!これは、熱い…!セイターの「人生で唯一の失敗は息子をもうけたこと」的なセリフも気にはなっていたんですよね。主人公は何度もニールに救われましたが、マックス=ニールなら、主人公も図らずもプリヤからニールを救っていたことになるんですね。
「無知こそが武器」ってどこで初めて出たか忘れてしまいましたが、元々未来の主人公が掲げたTENETの合言葉だったのかもしれないなあと思いました。実際に生き残れたのは、逆行のことや作戦に無知であった主人公とキャットですから。その経験から「無知こそが武器」を合言葉にしたのではないかと。
「俺の?」「我々の」みたいな会話もありましたよね。あのシーン、主人公がニールを相棒と認めた瞬間ですよね。2人が親友になる未来が垣間見える、仲良さそうでお気に入りのシーンです。
ニール視点だと作戦とそれまでの流れは大まかにはわかっているわけですよね。なんらかの記録は残っていそうですから。今思えばいつも結構冷静だった気がします。だけどそのことを主人公に話してはならないと。そして主人公も未来でニールに会った時に、何も教えずに送り出さないといけないと。うわあ考えただけでしんどい。