劇場公開日 2020年9月18日

「面白いのかすら理解不能」TENET テネット Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5面白いのかすら理解不能

2020年9月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

Dolby Cinemaで鑑賞。
Dolby Cinemaのテネットは音が頭おかしくて耳栓が欲しくなる、みたいな噂を聞いていたけど、マジで頭おかしかった。
音圧が凄過ぎて音に潰されそうになった。

『インセプション』を初見で理解出来た身としては、「理解してやる!」とか思ってたけど、こりゃ無理っす!
最初の方は頑張って字幕を追ってたけど、読んで考えて初めて理解出来るくらいで途中からドルビービジョンの映像に専念したくて、理解することを諦めた。
だからといって全く意味不明という訳では無く、映像だけでも伏線回収で驚愕するし話の流れは理解できる。
あの伏線回収は「おー!」ってなるし「キャー!」ってなる。後者は観た人ならわかるはず。
『未知なる映画体験』という宣伝文句も偽り無し!
逆行アクションはどういう状況かよく分からんけど、動きが面白いし逆行と現行がごちゃ混ぜになった戦争アクションはむちゃくちゃ斬新で知的で観てるだけで圧倒される。
飛行機実際にぶつけたシーンが色あせるくらいにクライマックスのアクションはやばかった。

構成は『カメラを止めるな!』と若干似ていて、現行での出来事を逆行で説明すると言った具合。
「逆行」を想像以上に利用したストーリーはやっぱりノーラン半端ない!としか言えない。
個人的には弟のジョナサン・ノーランも脚本に加わってもう少しドラマチックにして欲しかったけど。

音楽もハンス・ジマーじゃないノーランなんて!って思ってたけど、今作は逆にハンス・ジマーじゃなくて正解。
ハンス・ジマーの音楽はドラマチックでエモーシャルという感じだけど、そもそも今作は「小島秀夫のゲームをノーランが実写化した作品」といった印象でリズミカルでスリリングな電子的なスコアがめちゃくちゃ合ってた。

ただミステリー的な要素や時系列についてほとんど理解できなく、果たして面白かったかすら分からない始末なので、とてもじゃないが評価出来ない。
IMAXで2回目観るつもりなので、その時に星評価は付けたいと思います。

テネットで気づいたけど、ノーラン作品は『メメント』から『ダンケルク』まで主人公の人生がこれから始まる!というところで絶対終わるという事を発見した。

10/28 109シネマズ名古屋IMAXレーザーで再鑑賞。
解説を読みまくって2回目観たので、結構理解した。
結果評価は✩4.2ぐらいかな。
最初からテンポがめっちゃ良いけど、途中が冗長に感じてちょっと飽きてしまったし、これと言った余韻もないのが減点ポイント。

解説読んだのもあるけど、やっぱりIMAXスクリーンだと情報量が多くて説得力があるから頭にすんなり入ってくるね。

個人的には、やっぱりDolby Cinemaかな。
IMAXは人間が聞こえる範囲の音域を爆音で出すって感じだけど、Dolby Cinemaは人間が聞き取れない音域まで複数のスピーカーで繊細かつ大胆に鳴らしているから、身体に響く。
映像もDolby CinemaとIMAXは段違い。
色の濃さも明るさも。
でも主題歌のThe PlanのIMAXは重低音が凄すぎて、スクリーンがちょっと揺れてた。

1/17 DVDにて再鑑賞
本当は3度目の感想なんて書かないけど印象がかなり違ったので書きます。
まず結論から言うと3回目は何故かめちゃくちゃ面白く感じた。正直1、2回目は「ノーランらしくないな。」と感じてイマイチだったけど、今回観たら「めっちゃノーランしてるやん!」ってなりました。
なんでかは知らないけどすっごい楽しめました。こんなにも毎回印象が変わる映画は初めてだ。
これがノーランマジックでしょうか?

というか吹き替えが最高すぎます!
特にニール。
見た目パティンソン、声櫻井孝宏とかカッコいいにも程がある!めっちゃ愛らしいしカッコいい!
キャー!と心の中で黄色い歓声が上がっておりました。
はぁ、本当にカッコ良かった…

追記
題名のTENETって結局なんなんだ?と観終わってからずっと考えていて翌日になって1つの結論に達しました。
ずばり「TENETとはこの作品を表している」です。何当たり前のこと言ってんだって思うかもしれません。
順に説明してきます。
まずノーランは小説を読む時、最初に結末を読んでから何故こうなったのか推理しながら読むそうです。

それを知って連鎖的に「これ逆再生しても面白そうだな」と思いました。
題名のTENETは前から読んでも後ろから読んでもTENETです。
そういえば冒頭に出てきたワーナーのロゴは赤色でした。つまり順行。
ラストに出てきたワーナーのロゴは青色でした。つまり逆行。
そう、今作は普通に観ても逆再生しても物語が同じ巨大な回文のような作品です。
つまり回文の題名であるTENETはこの作品自体のことを意味しているのではないか?
そんな当たり前だけど、深い意味合いに気づきました。
もっとも合ってるいるかはノーランに聞かないと分かりませんが。

Pegasus