劇場公開日 2020年9月18日

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「タイムスリップの革新的な定義の発明❗」TENET テネット kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5タイムスリップの革新的な定義の発明❗

2020年9月26日
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鑑賞方法:映画館

難解である。
と言っても、007やミッションインポッシブルが分かりやすいわけではなく、アクションで押しきられて、冷静になってみると一体何だったのか説明できない部分は間違いなくあった。ただ、大抵そこはどうでもよかったりするのだ。しかし、本作はいかにも謎かけですよ…という映像が挿入されているので、簡単ではない。
大筋は、核爆発の危機(陰謀)から世界を救うべく、敵の中枢に潜り込んでその計画を阻止せんとするエージェントの活躍を描いたサスペンスアクションだ。そこに時間を往き来するSFテイストが加わり、謎かけが散りばめられている。

クリストファー・ノーランは、クエンティン・タランティーノと並ぶ現役世代のアイドル監督だろう。
本作は、ただ難解なだけではなく、驚きの映像とアクションでちゃんとエンターテイメントに仕上げているところが、人気監督の実力と言えよう。
逆行と順行が交錯するというアイディアには驚いたが、それを見事に映像化させたイマジネーションと技術力の高さにも驚嘆する。
これは、ノーランが追求した映画における時間操作の一つの到達点ではないだろうか。
この斬新な映画を20代で観ていたら、きっとノーラン監督に心酔しただろうと思う。
「映画館で観るべき映画」に仕立てあげて、コロナ禍の今、世界同時公開させた挑戦にも敬服する。

冒頭のオペラハウス襲撃シークエンスで、迫力に圧倒されつつもさっそく謎の映像を目にする。そして解りにくい物語へと突入するが、バラエティーに富んだアクションと謎かけのシーンが連続して目が離せない。
空港で火災を起こすダイナミックな撹乱作戦、ハイウェイでの緊迫のプルトニウム奪取作戦など、時間操作のないシーンでも充分に面白い。

主人公が「回転ドア」の秘密を知った後、前半で描かれたアクションシーンを逆の視点からなぞる趣向になっている。
ハイウェイのカーチェイスは、逆行と順行が真っ向からぶつかり合う驚異の演出だ。トニー・スコット監督が『デジャブ』で、異次元とのカーチェイスを描いてみせたが、それに勝るとも劣らない。
そして、クライマックスの戦闘シーンこそ、それまでみせてきた逆行と順行交錯の集大成だ。過去と現在(あるいは現在と未来か)の戦闘員が圧倒的な物量で錯綜するスペクタクル。倒壊した建物が逆回しで復元しながら爆破されるという、未体験映像。

最後まで謎かけと謎解きが繰り返し、遂に名無しの主人公の秘密が明かされる構成も見事だ。

タイムパラドックスの矛盾を解消すべく考え出された斬新な独自定義。
過去に戻った者は時間を逆走するという秀逸のアイディア。
しかし、この法則が徹底されていないように見えたし、異なる時間にいるはずの者同士がタイミングを計って行動するのもおかしな感じだ。
つまり、タイムスリップ物語で辻褄を合わせるという難題は、ノーランをもってしても打破できなかったと…ということで☆半分マイナス。

kazz
レモンブルーさんのコメント
2020年9月27日

Kazzさん お返事ありがとうございますm(__)m、。私のレビューの方にコメントさせていただきました。

レモンブルー
だるまんさんのコメント
2020年9月27日

本当に難解ですよね。私も理解できないところが多すぎて、解説サイトも開きませんでした。いつか勉強します汗

だるまん
レモンブルーさんのコメント
2020年9月27日

Kazzさん 共感をありがとうございますm(__)m! 私 実は2回目も観たのですが、ストーリー的な部分は納得出来た?のですが、Kazzさんご指摘の「しかし〜打破できなかった」はまさにその通りで、それだから余計に難解になってると思いました!だって、ニールは未来から来てるんですよね?「君には未来、僕には数年前」だったかな?最後のセリフで言ってましたよね?なんで?順行世界で平気なの?それともニールは純粋にタイムトラベルして来たの?かが わかりません😅教えてください。

レモンブルー