劇場公開日 2021年6月4日

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「終わりの始まりに盛大な拍手を!」るろうに剣心 最終章 The Beginning はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5終わりの始まりに盛大な拍手を!

2021年6月13日
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鑑賞方法:映画館

The finalとうまく絡めながら記憶を辿ってゆくのだと思いきや、独立した完全なる追憶の物語だった。シリーズとしてのこの構成には参った。感服です。

なぜ10代半ばの少年剣士が倒幕勢力に加担し命を賭して闘ったのか。なぜ新時代の到来と共に刀を置いたのか。動乱の世で最強の人斬りとして暗躍した剣心の姿が描かれます。
血で染まった掌。圧倒的な強さ故の葛藤。まともに眠ることさえできない日々。そして巴との出会い。芽生える感情。
美しいふたりの哀しきラブロマンスとしても充分に見応えあり。泣けました。

そしてもう1つの見所が250年以上続いた江戸幕府の終末期。幕末という時代の背景が垣間見えること。歴史に名を残す多くの革命家が躍動し、最悪のチンピラ集団とも言われた新撰組が闊歩した京の町。なんてカオスなのか。でも日本人が今より生きることに真剣な時代だったのかもしれない。

全シリーズ通して本当に好きな役者さんがたくさん出てて、今回もひと癖もふた癖もある人物を実力派たちが勇ましく泥臭く、そして美しく演じています。なにより数分の出番ながらシリーズ最大のキーマンとも言える清里をまだブレイク前だった窪田正孝が演じたことは大きい。今回もそこが活きてましたね。

ラストシーン。この物語の終わりの始まりを確かに見届けた。10年かけて紡いだ新しい殺陣とアクションは間違いなく時代劇の枠を超越していた。そしてそこに果敢に挑んだるろ剣メンバーに最大の拍手を送りたい!
少し時間を置いてから、次はBeginningからfinalのはしごをしようかな。私はまた泣くと思う。

はるたろう