ファヒム パリが見た奇跡のレビュー・感想・評価
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欧州でのインド圏民族の受容を描く映画の系譜として
ここではインド、パキスタン、バングラデシュを歴史的背景から「インド圏」と書くが、欧州の地でインド圏民族の移民や難民(二世含む)の主人公が差別や偏見と闘いながらどうコミュニティーに受け入れられるかを描く作品が、近年コンスタントに日本にも届く印象だ。今年は本作に、インド系英国人監督グリンダ・チャーダによる「カセットテープ・ダイアリーズ」、2018年の「ボヘミアン・ラプソディ」もそう。人種的多様性の尊重が一般化する中、植民地時代に有色人種を搾取した白人社会の贖罪意識もあるだろうし、チャーダのようにインド圏民族の血を引く才能ある表現者たちが彼らの物語を描くケースもある。
実話に基づく「ファヒム」もやはり、バングラデシュ難民の少年が天才的なチェスの腕前で人生の難局を打開する爽やかな成功譚だが、難民受け入れが必ずしも人道的に行われていない現実があるのは日本も同じで、そんな苦みも味わうべきだろう。
バングラデシュって政情不安なのか
二本立て二本目。実話ベースのよう。 祖国バングラデシュから逃がれた...
事実だからびっくりしちゃう
顧みて、日本では…
出会いが人を変えていく
人との出会いは偶然なのか、必然なのか。
人生が終わるまで、それはわからないことだけれど、人生が変わる出会いがあることもたしか。
それにしてもフランスという国。
こんなアメージングな番組があって、首相がそれに応える素晴らしさ。日本ではあり得ない気がする。
「フランスは人権の国ですか?それとも人権宣言をしただけの国ですか?」
なんという問いかけ!
見てみぬふりをする国民性を揶揄しながらも、自分にできることを諦めずに行動する。何が違うんだろう?どこが違うんだろう?私たちと。声をあげれば届くという信頼が、どこかにあるのだろうか。
才能に対する尊敬がなのかな。
久しぶりに見たジェラール・ド・パルデューも素敵。まったく衰えていないどころか、よい年を重ねている味が出ていて、大好きだった頃を思い出しました。
帰り道、小学生に道を聞かれて、妙に親切に道案内したりして(笑)
バングラデシュ少年の逞しさとユーモアに乾杯!
バングラデシュで反政府運動に関わっていた父親が地元でチェスの天才的棋手の息子を政府側の誘拐から守るために国外脱出を決意。行き先はParis。チェスのレジェンドの存在するParisで息子に学ばせ競技会に出させようとした実話がベースになっている。脱出や難民認定までの紆余曲折も描かれているが難民の筆舌尽くせない悲惨さや絶望よりも難民であっても希望があることを前面に打ち出していて好感を持った。役者陣の厚みは特筆もの。ドパリュデューが実在の故チェスコーチにそっくりの体型(お相撲さん風)。パートナーの女性の魅惑的なこと!何事にも動じないグイグイtype。実際に主人公の少年は来仏3ヶ月。フランス語の習得の速さや習慣への馴染みかたにびっくり感心。父親は初めて聞いた《Bon appetitたっぷり食べてね》をどんな場面でも相手に話す。大人が他国の言語やルールに同化するのは容易なことではない。とつくづく考えさせられた。詳しい内容は割愛するがこの映画は荒んだ気持ちを温かくしてくれる。
自分が難民になったら
フランスでも難民認定って厳しいんですね。
ものすごい数の難民が押し寄せている欧州各国だから仕方ないとは思いますが。
それにしても路上で寝ているところを助けてくれる赤十字とか、チェス教室のみんなとか、やっぱり日本に比べて優しいと感じました。
多少ですが日本の難民政策を知っていると、私が難民になったとしても欧州を目指しますね。
チェスはちんぷんかんぷんなので凄さが全然分からないし、実話ベースとしても特に目新しいものはありませんでした。
そうは言ってもファヒム君の笑顔だけでも映画をみる価値はありますし、素敵な可愛いおじさまとおばさまもとても魅力的。
恒例になった感じの「あの人似てる!」
今回はファヒム君のライバル、最後の対決相手の金髪眼鏡のイケメン君ってヨン様を彷彿とさせるのは私だけかしら?
才能があっても永住権は難しい
ベスドキットではないですが、面白かったです。
ファヒム パリが見た奇跡
2019年製作/107分/G/フランス
原題:Fahim
2010年、バングラデッシュ人の父と息子の親子が家族から離れフランスに不法入国し難民施設で暮らし始めます。
生活苦に喘ぎながら息子は偏屈なチェスの名人に弟子入りし
徐々に頭角を現していき最終は・・・。感動のサクセスストーリーです。
実際の出来事をモデルにしているので移民問題や家族の苦悩はかなりシリアスに描かれています。しかしチェス戦のシーンはルールを知らなくてもかなり楽しめます。将棋の「三月のライオン」囲碁の「ヒカルの碁」の世界に通じる師匠と弟子の雰囲気が楽しめる作品でした。
「ベストキッド」ほどの爽快感はありませんが、少年の成長ドラマとしてお勧めできる作品です。
実話
良かった
ダイエット
難民を救うのは世界の有権者
幸運な人の背後には幾万の不幸な人がいるというのは誰もが薄々感じていることだと思う。例えば日本のIT事業で成功するのは数万人に一人らしいから、限られた成功者の足元は死屍累々という訳だ。実際に死んでしまう人は少ないだろうが、破産したり巨額の借金を背負ってしまった人は数え切れないほどいるだろう。中には更に借金をして成功する人もいるかもしれないが、失敗して更に借金ができるのはよほど恵まれている場合で、いずれにしろ成功者はごく一握りの幸運な人々である。
フランスは難民を受け入れることで多くの問題が生じているようで、最近のフランス映画には難民を扱ったり、シーンの端に難民が登場する作品が多いように感じる。フランスは難民を受け入れるが、言葉の壁は如何ともしがたく、言葉を覚えられない難民に仕事はない。本作品においても言葉をすぐに覚えられた息子とまったく覚えられない父親とで開ける道が異なっていく。
父親ヌラには危機感がない。パリに行けばなんとかなるとでも思っていたようなフシがある。難民にはいろいろな人がいる訳で、中にはこういう楽天的な人がいてもおかしくはない。一方のファヒムは子供ながらに現実的で、フランス語を覚えない父親をもどかしく思っている。チェスは万国共通で言葉は不要だが、ヌラにはそういう才能がないから、フランス人と接して言葉を覚える機会もない。この俳優さんは無名なのだろうが、家族への愛情が深くて人柄がいいだけの凡庸な人間を上手に演じている。
主人公ファヒムは幸運に恵まれた少年と言っていい。この子役はとても上手だ。初めて見る雪、初めて見る海には天真爛漫に喜ぶが、自分の身の上を忘れてはいない。一方でチェスの情熱は人一倍で勝つことに執着する。ファヒムが輝く分、ヌラが哀れに見える。
最近鑑賞した「世界の果て、数多の終焉」で苦悩する小説家を演じていたジェラール・ドパルデューが本作品では偏屈だが心根の優しいチェス指導者を好演。ファヒムを上手に導いてチャンスを確保するのだが、ヌラまでは救えない。ヌラは確かに何の才能もないが、施しは受けないという誇りと人を助ける優しさを持っている。優しくて自立しようとする人間を救えない世界はやっぱりおかしい。
ありきたりの結末だが、この物語の背後にある難民問題と、難民問題を生み出す世界の格差と貧困と圧政が透けて見える。問題はグローバルで世界の指導者が協力しなければ解決できない。そのためには協力的な指導者を選ぶ有権者が世界中にいることが条件になる。排他的なアメリカの大統領や難民の殆どを拒絶する政治方針の安倍政権などが難民問題の解決を阻んでいる。哀れなヌラを救うのは世界の有権者なのである。
気持ちよかった
映画館で何度か予告は観たときは、 チェス全くわからんしあまり内容...
映画館で何度か予告は観たときは、
チェス全くわからんしあまり内容に惹かれず、副題の「パリが見た奇跡」もなんか感動物語です!みたいでちょっとなぁと思ってましたが。。
蓋を開けてみれば、107分間に様々な
ドラマが詰まったとても良き作品でした。
主人公ファヒムがパリで難民になってしまう訳ですが、ファヒムが出会う人々が温かくて、みんな優しい。
チェスクラブのメンバーの子供たちも
1人1人のキャラクターがいいし
メガネのルナちゃんが頭もいいし雰囲気が可愛い♪
久しぶりにスクリーンに登場した
ジェラール・ドパルデューの安定感も半端無い。壁ドンが凄かったけど(笑)
同じ日に鑑賞した「この世の果て、数多の終焉」にも出演していたんですが体型も含め存在感ありますね。
存在感は、主人公ファヒムを演じたアサド・アーメット君も負けてなかったな。
利発さと、子供ぽさも兼ね備えていて、
飛行機から見た雲をある景色と勘違いするところも可愛かった。
チェスクラブのマチルドがまたいい味
だしてるんですよね。
彼女とドパルデューのやりとりが面白いし、はっきりもの申す感じが素敵。
彼女が後半で放った、人権についてのセリフにはジーンとしてしまった。
アジアの国から欧州に行くわけなので、
言葉の壁もあるんですが、そんな言葉の壁も劇中で上手く演出されていて
「ボナペティー」がとにかく可笑しくて。
時間に対するの観念もお国柄が出ていて
その辺りも上手く描いていたなぁ。
そしてチェス。ルールはわからないけど
勝負に対する理念がちょっとわかって
興味わきました。
実話なので、もっと現実は厳しい部分も
あったでしょうけど、社会問題を上手く
作品の中で描いるし、おしつけがましくない感じの作風は好感度大でした。
移民の国フランスを知ることができる
チェスの世界チャンピオンになるためにバングラデシュからフランスに移民してきた父子の物語。
息子は言葉を覚えるのも早いし、フランスでの友人もできる。そしてチェスの実力で周りを認めさせていく。一方父は言葉は覚えないし、仕事もなかなか見つからない(それだけ厳しい現実ということなのだが)。フランスに家族を呼ぶことはできるのか?という展開。
実話ベースなので盛り上がりに欠けるのも仕方ない。お父さんの過去や息子の強くなる過程や苦しみみたいのがもっとあると違ったのかも。そもそもチェスのルールもわかってないから息子の苦しみとか成長の度合いがわかってないだけかもしれないけど。
実はそうした話の本筋よりも、フランスってのは移民の国なんだなってところが気になってしまった。誰でも彼でも受け入れるわけではないが、きちんと援助しようと考えている。トラブルも起こっているけど、こんな懐の深さもフランスなんだなと感心してしまった。そういうことが知れるという意味でもいい映画だ。
けど泣いた
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