Our Friend アワー・フレンドのレビュー・感想・評価
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名優たちの穏やかなアンサンブルに引き込まれる
愛する家族が闘病を余儀なくされる痛みと悲しみを伴った物語ではあるものの、本作は決してお涙頂戴的な展開に陥ることがない。それどころか非常にさりげない語り口で”生の輝き”を伝えてくれる。直近の出来事が描かれたかと思えば、次の場面では話がずっと過去へ飛ぶなど、いわば直線的な時間軸で進む物語ではないが、これがどういうわけか、記憶の中で次々と浮かんでは消えていく泡沫を見つめているみたいで胸を打つ。この特殊な構成が成立しているのも、すべては三人の芸達者たちが見事なアンサンブルを奏でているからだろう。通常だとこの内容で2時間は長いと感じるはずが、彼らの手にかかると各場面がどれも宝物のように輝きだす。彼らの自然体の演技には、かくも観る者を穏やかに引きこむ力があるのだ。誰もが出会いと別れを繰り返しながら歩み続ける人生。見終わってふと周囲を見廻し、自分を支える大切な人たちの存在に感謝の気持ちを捧げたくなった。
ありがとうだけでは足りない!抱きしめたい想い♥
雑誌に掲載されたエッセイを元にした映画
らしく、1つのドキュメンタリー番組を見た感覚になりました。
ガンに冒され、妻のニコルに余命わずかとの宣告、青天の霹靂だったことかと思います。
夫と幼い娘たちと日常生活を送ることが
当たり前だったけど、日に日に弱っていく自分を受け入れる覚悟は計り知れないものと
思いました。
妻のニコルを日々、介助するマット
家族の気持ちに寄り添いながら、サポートするディンの敬愛が描かれていました。
ニコルが安らかに息を引き取ったとき、
天国で再会したい、2人が出逢った頃と同じ気持ちでいるように、柔らかな陽射しが
見送りした家族を照らしていました。
末期癌の患者を家で見るのか
何者にもなれないことが悩みな人が、実はいい人という特別な人だったことを、その友達が有名雑誌に書いたエッセイの映画化。病院に入院せずに、家で末期癌患者をみてるのに驚いた。
ニコルが美しかった
2人の幼い娘を育ててるジャーナリストのマットと妻のニコル夫妻だが、ニコルが末期がんの宣告を受けたため生活は一変した。妻の介護と子育の負担を強いられてるマットを助けてくれたのは親友のデインだった。デインは2人を手伝うため、ニューオリンズからアラバマ州フェアホープのティーグ家に来て、住み込みで夫婦をサポートすることになった。さてどうなる、という話。
時系列がガン告知の前後を行ったり来たりして最初よくわからなかった。なぜあんな演出をしたのか観終わってもよくわからなかった。
親友と言いながらあそこまで夫婦を助けたデインは凄いし、やり過ぎ感もあるが、そこも見所なのだろう。
ニコル役のダコタ・ジョンソンは相変わらず美しかった。
友情っていいね
余命宣告を受けた妻ニコルと妻を支える夫マット、その2人を全力でサポートする親友デインのお話
暴走気味だけど家族のために必死に働くマットと舞台女優だけど普通の女性ニコルと人生に悩むデイン。
3人の出会いからそれぞれの悩み、病気の告知から最期までの経過を静かに描いていたけれどどのエピソードも不思議と胸に残り目頭が熱くなりました
デインが支えていた描写が長かったけどデインにとって『あの留守番電話』は友のために全てを捨てても構わないと思わせるくらい大事なものだったのでしょう
人生何が救いになるかわからないし逆もありうる
だからこそ誠実に生きなければいけないのだけど常に誠実でい続けるって難しいんですよね…
病気と友情もの以外の予備知識なく観たのですが実話だったんですね。『1人の男が崩れ落ちそうになるともう1人の男がそれを支える』そんな男に私もなりたいと感じます
自分の在り方を考える
人間成功しているだけが、素晴らしい人間ではない。
友人の辛さ、苦しさ、楽しさ色んなことに寄り添い、
言葉をかけれる、横にいてあげる。
ちょっとしたことと思うが、多分すごく大変。
それができる人はカッコいいと思う。
そんな人になりたいと思わせてくれる映画でした。
亡くなったニコルは歳も私に近く、
そんな中、周囲との関係性をみると私より幸せ。
そんな風に感じた自分が少し悲しかったし、
申し訳なくも感じた。
デインの自分の人生や存在価値が分からなくなり、
うまく周囲に言えない感じ。共感。
山を歩くデイン。
気持ちがわかる気がした。
車に戻った時、私にはメッセージがあるだろうか。
ニコルがデインに冒頭に自分を卑下しないと注意するシーンがあった。
私に言われてるメッセージだった。
本当に苦しくなったけど、
友情であれ、愛情であれ、愛の大切さを知り、
自分の愚かさを感じる映画で、
学びになりました。
なんでそんな献身的に友達夫婦を助けるの?って話
ゆるーく進んでいく話。
ストーリーは現在だったり過去に戻ったり。
まあ、話のキモは、なんで親友のデインはここまで献身的に友達夫婦を助けるのか?っていう事だと思う。
驚くことに、この話って実話なのね。
無償の友情がもたらすもの
癌に侵された妻・ニコルを自宅で介護する夫・マットと、幼い2人の娘たち。よくありがちな闘病ものかと思ったが、そこには夫婦の“友人”・デインの姿があった。
癌の告知を受けてからの2年間と、それ以前の日々がフラッシュバックで描かれ、彼ら夫婦にとってデインの存在がいかに大きなものかがわかってくる。エピローグでの2人のやりとりで思わずニヤッとしたが、実話を基にした作品だと知ってとても驚いた。
窓口で原作の抄訳を頂いたが、全編読みたい。
絶妙な距離感
時系列がランダムに交差するため
若干混乱しますが、これは監督の意図なのでしょう。
もし時系列順だと、逆にそれぞれの心の動きに気づきにくくなるかもしれないなと思いました。
それでも整理するためもう一度観たいと思いましたが…。
私は友人でも距離が近すぎる関係というのが苦手で、適度な距離を保てる間柄
というのが理想と思っています。
でも、デインは癌の友達の家族に献身的に尽くすことを自然とできていて、
自己犠牲で満足してるわけではないこと。
そして、近すぎるとついアレコレ口出ししたりしがちなのに彼には一切それがないこと。
押し付けがましくなくて絶妙な距離感を保っている彼の人間性が素敵だなぁと思いました。
私はもし過去に自身が救われたとしても
こんなふうに相手が求めることを自然に行い、寄り添うことができるんだろうか……?と考えてしまいました。
あとこの映画は、それぞれの弱さもちゃんと描いています。
ニコルは優しいママで、愛する夫や親友もいて、必死に病と戦うパーフェクトなキャラクターだけではなく、
彼女なりの(病以外の)苦悩があったことが
私は彼女に人間味を感じました。
感動の実話!みなさん泣いてください
という意図を感じないのに涙が止まらなかったです。俳優さんたちの自然な演技に惹き込まれました。
意外なことに
あっさりした観賞後感でした。
愁嘆場は控えめで、爽やかな気分になれます。
メインキャストの3人が本当に芸達者ですね。
ともすれば、デインは欺瞞的に見えたり、ニコルは聖母のように見えたりしてしまいそうな危うさのあるキャラクターですが、しっかりと人間味があり実在感を持たせることに成功しています。
一方で、良くも悪くもとりとめのない話ではあります。
難病モノという太い幹はありますが、起伏に乏しいと感じました。
「実話に基づく話」の弱点がモロに出た結果ですね。
登場人物が分かりやすく成長したりしないのはリアルではありますが…。
ただし本作は、お話のつまらなさという弱点を演技アンサンブルで見事カバーした結果、平均点は余裕で超えています。
まさに座組みの勝利ですね。
よって観る価値は絶対にあります。
大切なものを、大切にするのは難しい
結果だけをみると
ハッピーエンドではないのかもしれないし
悲しいストーリーなのかもしれない
しかし、パートナーとの闘病生活の間や
それ以前の二人と、友人たちとの関係性や出会いを
時系列をランダムに知っていくことで
それぞれとの関係性や人物像が輪郭をはっきりさせていく
それらは、決して悲しい、辛いだけのものではなく
あたたかさを感じられるストーリーだった。
自分が思い悩んでいた時
偶然救われた記憶、相手は無意識だったかもしれないけど
自分にとっては忘れられない記憶
そういったものが、糧になり、自分の行動の指針となる
ということは大いにあるだろう。
しかし、それを他人が理解するというのは難しかったりする
同じ経験をしていないのだから、
当たり前とも言えるが
本当に、大切な人の大切にしているものや事、人、時間を
自分も同じように大切にできるのだろうか
難しいとは思うが、そういった人でありたいと感じた作品だった。
悲しい物語でもあり、愛と優しさに包まれた温かい作品
絶対泣くジャンルだと覚悟して観ましたが、やっぱり泣いてしまいますね。
『護られなかった者たちへ』と同じくらいの大粒の涙を流した作品です。
妻の闘病、幼い娘の育児に奮闘するマット。ストーリーだけでみるととても悲しくやるせなく、親友デインの存在がどれだけマットの支えになったことだろうか。本作は友情と夫婦と親子の物語でありながら、一番は親友デインへ向けた“ありがとう”じゃ伝えきれない。作品と感じました。
最初から最後まで時間軸が行ったり来たりして理解するのには少し時間がかかりますが、とりわけ過去の記憶って断片的でまさに本作のような感じだったりする。
家族、友達、今私の周りにいる人たちとのかけがえのない時間を大切にしようって思わせてくれる。温かく、観賞後は満たされた気持ちになれる作品でした。
レディースデイで観たのもあってか劇場はほとんど女性、あちこちですすり泣きの音が聞こえてきました笑
好き
末期がんの妻をメインにした涙腺爆発系のお涙頂戴映画ではなく、3人が同等に映画の中で描かれていたと感じました。
ワンカット(的な)が多くワンシーンワンシーンで人物を人物として見ることができ入り込めました。
所々、ここはもう泣けるだろっていうシーンでも特別長回しはなかったです。
あるレビューで、グシャグシャしててもっと余韻がほしかった、みたいものを目にしましたが、
これはこれで意図なのかと僕は思います。
「唯一つにフォーカスしない」、みたいな、そして僕はそのスタンスが映画で一貫していて好きでした。
冒頭で3人と言いましたが、ラストのシャーロットもかなり胸にきました。
当事者とその周りの人物がイコールで最後まで描けていたのではないかと思います。
話を戻せば、泣けるシーンを長く取るとそこはそれだけでパンチ力ありますから、やはり誰かに偏らず話を展開するには適当な表現だったのではないかと思います。
悲しいけどいい映画や!
妻と夫、そして二人の親友の3人の関係が素晴らしい。
互いの信頼関係と距離感がすごくいい。
ともすると親しくなり過ぎて相手の気持ちに甘え切ったり土足で踏み込んだりしがちだけれど、バランスを上手く取りながら関係を続けていく様が、この映画のすべてです。
ケイシー・アフレック好きじゃないけど、こういう普通の人を演じさせたらやっぱ巧いわ。アカデミー賞主演男優賞取った時はやり過ぎだと思ったけど、巧いのは巧いですわ。
昨今ポリコレが変な風に作用しておかしな基準で賞が選ばれたりしてるけど、地味だけどこういう良作こそ、作品賞や脚本賞を取るべきだと思う。
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