「良い作品なのですが、確かに理解は難しい…。」Our Friend アワー・フレンド yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
良い作品なのですが、確かに理解は難しい…。
今年142本目(合計206本目)。
実話に基づくとのことなので(エンディング時に出ます)、あることないことは書けない状況です。
そのため、ある程度の脚色はあるのでしょうが(お話の趣旨的に、「私は出さないで欲しい」などというのは個人が遠慮するのはありうる)、ほぼほぼ、普通は実話ベースで進んでいくものだと思います。また、エンディングロール時に出る通り、この実話をベースにした小説が先に出て、その小説を映画にしたのかな…とも思えます。
そのため、とにかく他の方も書かれている通り、時間軸の入れ替えがとにかく異様に多いため理解に非常に苦労します(足したり引いたり、いつの話をしているのかわからなくなるときがある…)。ただ、小説の記述ベースならそうせざるを得ないのでしょうね。
また、Our friends 「私たちの友人」であるのに、1回しか出ない人が結構いて(物語中盤で出るテレサさんが代表例です。
序盤で登場するシャルロットさん(シャーロットさん?)も、序盤に出るのでキーパーソンかなと思いきや、出たりでなかったりが激しくて、結局、このタイトルの割に、最後までずっと出るのは、「その舞台となる家族のメンバー」だけじゃないかな…というくらいです(シャルロットさんとか、もう少し出ても良いと思うのですが…)。
もう1つ、これ、結構気になったのですが、上記の「時間軸の入れ替え」については、とはいって、「●●から2年前」というように明示的に出ますので、突如時間軸が代わり大混乱するもの(この類型で混乱させたのが「樹海村」だった)ではないのですが、問題は「告知から●●年前/後」というところが diagnosis 「診断」なのですよね…。この語は「(検査結果などを)知らせる」という意味であり、この映画のテーマになっているある病気に対する「告知」とは微妙に違うんです(ただ、おそらく、医師から診断があったその日か、翌日かに本人には伝えているはず。明確に描かれてましたっけ?)。
これ自体は大きな問題ではないのですが(今では、インフォームドコンセントが当たり前なので、パートナー・子供のためといえども、家族内で、その方に関する病気の診断を本人に隠すというのは、やや問題になってしまう)、日本ではご存じの通り、一昔前は隠すことが当たり前に行われていたのもこれまた事実であり、この辺は正直、どちらが正しいのだろう…(まぁ、今回は結果的にどう解しても問題にならない)というところです。
ということで採点です。
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(減点0.5) 上記に書いてあるのが全てで「時間の巻き戻し処理が異様に多い」「数回しか登場しない友人 friend(s) も結構いるのに Our friends でいいの?」という点は気になりました(「診断」と「告知」の違いは、気にし始めると絶対に終わらなくなる)。
ただ、上述の通り、原作がある以上、それをあれこれ入れ替えるとまた問題になるので、原作の作者(一応、伏せておきます)の意向をくんでああ作ったのだろうとは思いますし、積極的に「混乱させる」までとは思えないので、この程度としました。
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