「【”また、会いたいよ・・”と友は言った。共に支え合い生きる一組の夫婦とその親友の、生きる喜び、哀しみ、苦しみを各々の視点で描き出した作品。単なるお涙頂戴映画ではない作品でもある。】」Our Friend アワー・フレンド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”また、会いたいよ・・”と友は言った。共に支え合い生きる一組の夫婦とその親友の、生きる喜び、哀しみ、苦しみを各々の視点で描き出した作品。単なるお涙頂戴映画ではない作品でもある。】
ー ジャーナリストのマット(ケイシー・アフレック:個人的に哀しみを湛えた演技をさせたら、No1俳優だと思っている。あの少し掠れた声と共に・・。)と、舞台俳優のニコル(ダコタ・ジョンソン)夫婦と、デイン(ジェイソン・シーゲル)の出会いから、”二つの別れ:一つは永遠の、一つは自立のための・・。”まで経緯を、ニコルへの癌”告知“年を行き来しつつ、3人の生き様を、各々の視点で描き出した作品。>
◆感想
・序盤は、時系列を行き来する描き方と、
”何故にデインは仕事や恋人を失ってまでも、マット&ニコル夫婦に尽くすのか・・”
を完全に理解し切れず、観賞していた。
だが、私は、途中で気が付いた。
”この作品は、不治の病を抱える妻と夫を友情で支える男を描いた、お涙頂戴映画ではないのだ。”
・それを代表するシーンが、デインが生きる意味を見失い、ザックを担ぎ荒涼とした土地を旅するシーンだと思う。
途中で出会った女性が、デインに声を掛け、最初は断ったデインと共に旅をし、暫く経った夜、彼のテントを訪れ、夕食を差し入れしつつ、言った言葉。
”貴方の事は、3日前から見ていたのよ・・。少し心配だったから・・。”
ハッとした表情のデイン。
そして、町にもどるデインの携帯に留守電で入っていたマット&ニコル夫婦と二人の娘からの言葉。ふざけた子供たちの明るい声と、ニコルの声の後に入っていたマットの声。
”会いたいよ、またな・・”
デインは涙を流しながら、2度、その留守電を聞くのである。
ー そう、彼も又、イロイロ苦しみながら生きていたのだ。そして、親友の言葉に涙を流し、再び街に戻ったのだ。彼も、マットとニコルの存在が有ってこそ、生きていたのだ・・。ー
・海外戦争ジャーナリスト故に不在がちのマット。それに不満を抱くニコル。
・ニコルの浮気。
・長女のマットへの不満。
ー 夫婦、家庭の危機。
それでも、彼ら夫婦と子供たちに助けられたデインは、懸命に彼らに尽くし、元の状況に戻そうと努力するのである。ー
<ラスト、ニコルが年配のホスピスの介護助力の中、静かに息を引き取った後、マットに何も言わずにマットの家を去ろうとするデイン。
が、その姿に気付き、彼を抱きしめ”有難う・・、ではすまないな・・。”と言い、静かに妻のいない家に戻るマットの姿。
真の親友とは、マット、ニコル、デインの様な関係性を言うのであろうな・・、と思った静謐な作品である。>
◆追記
・劇場入場時に、マットが記したESQUIRE誌に掲載された小さなEssay誌が配られます。
素晴らしき文章なので、一読することをお勧めします。
NOBUさんこんにちは!コメントありがとうございます😊
私もNOBUさんと同じく
”会いたいよ、またな・・”
デインは涙を流しながら、2度、その留守電を聞くのである。
このシーンにグッときました。デインがマット家にあれほどまでに尽くす理由がここにあったのですね。