劇場公開日 2020年10月2日

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「~「小説には・・・人の心を動かす力がある。」~」小説の神様 君としか描けない物語 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0~「小説には・・・人の心を動かす力がある。」~

2021年1月10日
PCから投稿

泣ける

単純

知的

【賛否両論チェック】
賛:“小説を書く”という夢を巡り、心折れた者と苦悩する者同士が、次第に心を開いて絆を深めていく様に、夢へと走り続けることへのエールをもらえるよう。劇中の楽曲も魅力。
否:設定から展開まで、超ご都合主義が続くので、思わず興ざめしてしまいそう。割り切って観るしかないか。

 小説が書けなくなった主人公と、そんな彼にがく然としながらも、次第に心を開いていく人気小説家。正反対に見えて、実は似たような心境を抱えていた2人が、やがて1つの物語を作るために奮闘していく姿は、予定調和ではありながらも、夢へと向かう者の強さを教えてくれるようです。
 そして本作では、“伶”こと鷲尾伶菜さんの楽曲も魅力の1つです。スランプの真っ只中にいる一也の心境を写しとったかのような「こんな世界にしたのは誰だ」や、詩凪が小説への想いを込めるような、儚くも力強い主題歌「Call Me Sick」が、物語に温かな彩りを添えているようです。
 ただ、売れない小説家と人気小説家が同級生だったり、そんな2人が共同執筆をしたり、その他諸々降りかかってくるトラブル等々、残念ながら超がつくほどのご都合主義な展開なのも、また否めないところでもあります。その辺は目をつぶるというか、割り切って観るしかないのかなと思います。
 基本的には出演者のファンの方向けの作品かもしれませんが、小説へ情熱を燃やす主人公達の想いを、是非ご覧になってみて下さい。

門倉カド(映画コーディネーター)