「映画に宗教を持ち込まないで欲しい」映画 えんとつ町のプペル Glenさんの映画レビュー(感想・評価)
映画に宗教を持ち込まないで欲しい
何だろう、とにかく最初から最後までつまらなかったです。
西野亮廣氏の言いたい事をとにかく詰め込んだだけの、怪文書ならぬ怪映像です。
全てにおいて脈絡というものが存在しない為、
「妙ちきりんな性格のキャラが妙ちきりんな行動を突如起こし、妙ちきりんな理論を垂れ流して、妙ちきりんな解決方法で解決し、妙ちきりんな大団円」という風にしか見えません。
プロットレベルから設計ミスしている気がします。
冒頭のアクションシーンが始まる理由が謎。音が聞こえただけで何故法律を破ってまで追いかけるのか分からない。(理由は簡単、主人公だからという雑な理由)
突如歌って踊り出す意味が分からない(ディズニーを意識したんでしょうね)
いちいち挿入される歌の意味が分からない(新〇監督を意識したんでしょうね)
子供向けの筈なのに、「異端審問官」という存在が出てくる。警察や警備隊ではダメだったのか?(西野亮廣氏が自分の才能を認めない人達のメタファーとして生み出した存在だからでしょうね)
何故住民が急に洗脳されるのか?
何から何まで分からないだらけです。
反面、西野亮廣氏の言いたい事は強烈なまでに主張して来ます。
その言いたい事とは、要約すると
「俺は凄い奴だ。俺の価値を認めない奴は馬鹿だ。俺はそいつら馬鹿のせいで活躍ができない。愚民達は俺が教育してやらないといけない。それでも反抗する馬鹿を叩き潰したい。」
です。
「夢を見続ければ~」なんてメッセージはこの映画には存在しません。「俺を褒め称えろ」が正しいメッセージです。
この、薄ら寒いメッセージをビシバシと投げ付けて来るのに、上述の通り脈絡がとっ散らかっている為、観賞中だんだん気分が悪くなって来ます。
新興宗教とか、意識高い系詐欺団とか、その手の人達が勧誘して来るような状況に似ています。
ただただ頓珍漢な主張を押し付けられ続けるので、とても疲れます。
全体的に、映画という体を成していない、かなり残念な映画です。
映画と呼ぶのも躊躇われます。