「素晴らしい映像と、神格化の危うさ」映画 えんとつ町のプペル コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映像と、神格化の危うさ
スタジオ4℃の面白いアニメーション映画でした。
特に映像として素晴らしい。
また込められたテーマは、普遍的なメッセージとなっていました。
「信じたことをやり遂げる」
「夢を一心不乱に追う姿は素晴らしい」
「閉じた世界ではなく広がる未来へ」
ありがちで、露骨な泣かせの押し付け具合は感じるストーリー展開ながらも、逆に言えば王道だし。
正直、絵本発売のときの西野氏の言動には嫌悪感を抱いたし、このところ国との癒着具合が目立つ吉本興行の製作配給なので、観るのは抵抗あったんですが、スクリーンで観てよかったと思えるクオリティ。
「西野亮廣」がプロデュースし、脚本を書いたフィルムが良かったことは、認めざるをえないかなと。
監督はじめ、4℃の皆さんが力を発揮することが出来たということですから。
絵本も30〜40人で分業しているから、プロダクト面のプロデュースには才能があるのかもしれません。
「西野亮廣」が個人なのか、ユニット名なのか、腹話術人形の名前なのかはわかりませんが。
そういった「人物」と「作品」の評価は切り離して、フラットに作品を観れば、実に楽しめました。
反面、西野氏の人格・思考と切り離さずに考えると、新興宗教の教えみたいなあやうさが含まれることに気づきます。
夢のためにはテロを肯定するってことでもあったし。
夢のためには、マルチまがいの商売の肯定にもつながるし。
プぺルに西野氏をかぶせて見てしまい、神格化する恐ろしさもあったり。
この作品を客観的に技術的な面で楽しむならともかく、病的に熱心な応援する人たちには、価値観を共有できない人を排除する方向に動かし扇動するような(それこそトランプ信者のような)危険性も同時に感じました。