「Could it be magic のピアノの弾き語りがグッと来ちゃいました」今宵、212号室で カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
Could it be magic のピアノの弾き語りがグッと来ちゃいました
男はつらいよ全編夢落ちみたいなフランス映画でしたが、ちょっと前衛的な演劇の映像化みたいなノスタルジアに溢れて、実にフランスらしい。日本人にはちょっと作れないだろうと思った。
実際にはあり得ない独白の応酬が途中までは実に良かった。母親、祖母まで出して来て、マリアのビッチぶりをあからさまにするあたりはコメディ。
結婚は仕事と同じように忍耐が必要だという予告編のくだりはあまりおもしろくはありませんでしたが、リュシャールのマリアへの執着は肉体至上主義的な欧州人の哲学を感じずにはいられませんでした。マリアは場数を踏んでるし、カラダを維持しているし、床上手なんですかね~。私はマリア役のキアラさんはちょっとごめんなさいでした。
あなたは主役は誰だと思いますか? 血統証付きの大女優のマリア(キアラ・マストロヤンニ)ですか?
キアラの元夫でもあるミュージシャンのバンジャマン・ビオレですか?アマンダと僕のバンサン・ラコストですか?
私はイレーヌだと思いました。終盤、バーのピアノの弾き語りで Could it be Magic を歌うイレーヌは声は良くないし、声量もないけど、やるせない感じがスゴくて、セクシーでした。周りの男どものはみんな骨を抜かれていました。もちろん、私も骨抜きになりました。
さて、R15+のこの映画、一番R15+なのはどの場面でしたか?アマンダの僕のお尻のよく見える対面側位の場面でしたか?
私はいたいけな中学生を自宅に迎え入れ、シャワーを浴びさせたあと、腰タオル一丁でピアノを弾かせるシーンだと思います。大人の女のヤラしさ全開でした。イレーヌ役のカミーユ・コッタンいいおんなだなぁ❗
オイラもピアノが弾ける神童に生まれ変わって、綺麗な先生にアタックして、22、3歳になるまでレッスンされたい。イレーヌは本気だったけど、自分から身を引いて、レスビアンになっちゃって、とうとう結婚もせず、しかし、子供は欲しかっただと思いますね。大人だなぁ。年取った設定の役の女優さん(キャロル・ブーケ)も綺麗な人でしたね。なかなか面白い映画でした。楽曲も全体におしゃれでした。リュシャールが若い頃の自分と連弾して楽しそうな場面は男の本質的なところを良く描いていたと思いました。ちょっと甘いかもしれないけど、独創的で、役者さんも素晴らしいので、4.5点あげてもバチは当たらないでしょう。